夢じゃなかった！？

エスリアール王城 出会い

再会は突然に1

シュン…　スタン

「ここは、学院長室です。今から案内役を呼び出しますので、そちらのソファーに掛けて静かにお待ちください。」

私とシオンさんは教えられた通り静かに座って待つ。

ラナ先生はしーという仕草を示してから、学院長のデスクらしき場所に行き小さな何かを持って口元に近づけてからその何かに向かって話した。

「学院長室より生徒の呼び出しをします。Sクラス委員長、副委員長、両名は、至急、学院長室に来てください。繰り返し、学院長室より生徒の呼び出しをします…(以下同文)」

ああ、館内放送みたいな感じかな？そうか、電子機器がないから連絡手段はやっぱり魔法が絡むんだ。

「私は案内役の生徒達にお二人のご紹介をした後、学院長の所に行き報告と確認を済ませてきます。それから皆さんの所へ合流しに行きます。」

今呼び出された生徒さんはきっと私達の案内役というわけか。急で申し訳ない。Sクラスって、確かルヴィ君がいるクラスのはずだ。もしかしたら案内役だった。会えたらいいなぁ。


「…来ましたね。お二人ともこちらにお願いします。」

え？もう？早くない？と思いながらも移動する。



コンコンコン


「ブラム先生、Sクラス委員長ルヴァニレット・エスリアール、副委員長ガルシア・パレットです。」

おお、本当に来た。


「入りなさい。」

「「失礼します。」」

ガチャ

入室して来た生徒二人に事前にある程度話していたのだろう、扉から入った直後ラナ・ブラムの横に並ぶ人物を視界に入れてからブラムと視線を合わせそれぞれが頷いた。

「……。」コクン

「！！」　コ、コクン


「ルヴァニレット委員長、ガルシア副委員長、即座の対応感謝します。こちら正式に２日後より我が学院に編入する迷客、アーヤ・サトーさんとその保護国エスリアール神託者で、ルヴァニレット委員長のご親戚でもあるエルシオン・デュカーレ君です。

では、学院長の元へ急ぐので、後から合流しますが案内役、代わりにお願いしますね。」

「はい、お任せください。」

「は、はい。」


「では…後程。」

「「はい。」」

学院長室を去る前、最後に視線を編入生二人に向けたが、微妙に向ける割合が6:4位の違いがあった。

生徒二人は普段のブラムからは考えられなかった無意識のニッコリ表情もあり、反応はそれぞれである。

！？ピクッ

！？ガクブルッ