夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

再会は突然に7

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「ルヴァニレット殿、これから行く実践場は、実技の訓練を主に行う場になると思っていいのかな?」

「そうだ。主に魔法の実践、剣術実践、それから院生同士の決闘に使う模擬戦場でもある。」

「へー。体育館みたいな感じかなぁ。」

「あれが実践場だ。」

「あれ?!」

高校の体育館や校庭よりも大きなそれは、何と比較したらいいのかとっさにわからなかったが、ドーム型のオリンピックでもしそうな大きさで、とにかく大きかった。

頑丈がんじょうそう。ガラス張りなのかキラキラしたドームだ。あ、もしかして結界とかで建物ごと覆っているのかも。

ガルシアちゃんの後ろでこっそりメガネを下にずらしてドームを見ると、シャボン玉の表面のような流動する膜があった。

綺麗…。こんなにも不思議な建物が…。

異世界でこれから学ぶ学院内はワクワクに満ちあふれていた。あ、普通にキラキラも飛んでる。

タンポポの綿毛みたいな桃色のふわふわが風に乗って漂っている。妖精かな?ケセランパサランみたい。

メガネを外してほんの少し、ドームを見るつもりがつい、光の粒子などにも見入ってしまいそうになる。

「アーヤ、足を止めるな。」

「は、はい。」

慌ててメガネを掛け戻した。

違和感なく左耳を飾るピアスとイヤーフックに触れて確かにここにあることを、実感する。間に合って本当に良かった。


いつの間にか足を止めてしまったアーヤを気にしたルヴァニレットが呼ぶ。ガルシアとエルシオンはそのまま進んでいた。

アーヤがそばに追い付いてから小声で話すルヴァニレット。

「あまり、人前でレンズを外すな。何を見ていたんだ?」

「うん、実践場の建物が気になってレンズを外して見てみたかったんだ。」


「何か見えたのか?」

「綺麗な膜みたいなモノで包まれてたよ。表面が流動的に動いてシャボン玉…じゃわからないか。えーと、洗濯の泡みたいに表面が艶々して、虹色みたいに綺麗だった。」

「ふーん。相変わらずだな。

そういえば、アーヤ、ピアス以外に新しい耳飾りを増やしたんだな。」

「うん。今日完成してここに来る前につけたばかりなの。こういう耳飾り初めてなんだけど、変かな?」


「に…」

「に?」

何だろう?

「…似合ってる。」


「あ、ありがとう…。」

私、なんて恥ずかしいことを!変かなと聞かれて変だなんて本人に言えないよね。無理やり言わせてしまった感が…。なんか悪かったかも。妙な空気を突然断ち切ったのは、意外にも電子音だった。


《ピピピ♪》
《ピピピ♪》


え?どこから?立ち止まるガルシアちゃんとルヴィ君。

決闘デュエルの開催をお知らせします。決闘者デュエリストSクラス、ラズアルド・セロナ、Sクラス、ジュリアス・コンコード。本日、放課後17時、第1実践場を使用します。》


なんと、ネクタイピンから決闘のご案内が。決闘…デュエル。決闘者…デュエリストか、響きがかっこいいじゃないか。

「ふぅ…また、この二人か。」

「こりませんね。セロナさん。先日もコンコードさんに完敗でしたのに。」


「仲が悪いんですか?」


「「悪い。(です。)」」


本当に日常的に決闘があるんだ。
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