夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

制服と飛び交う噂6

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「気になるのは普通だろ。勿体もったいぶらずに言えよ。」


「…起きたのか。」


チッ、黙って寝てればいいものを。


「あれだけ騒がれたら俺でも起きるって。あーあ、首いてー。」


ルヴァニレットの横に来た所で首をコキコキと左右に傾け、机に突っ伏して寝たことで蹴り固まった肩と首をほぐし終わってから質問を再開した。

「なー、委員長、どんな奴?男?女?皆も知りたがってるって。別に隠すことでもないだろ?」


「…男女一人ずつだ。」


どよ どよ


「へえ、一気に二人来るの?!珍しいな。

その男、強いのか?Sクラスってことはそこそこなんだろ?どんな奴?」


ザワザワ


「さあ、どうだろうな。多少面識があるだけで僕にはわからない。」


「ふーん、じゃあ女子は?美人?それともかわいい系?委員長の好みだった?」

ザワ

シーン… 


ルヴァニレットの好みがわかるかもしれないとクラスの女子達は返答に集中した。


「………。」


「……そう委員長を困らせるな。」

沈黙を破ったのは、ラズアルド・セロナに決闘デュエルを本日も申し込まれたばかりのジュリアス・コンコードだった。


コンコードお前には聞いてねえ、引っ込んでろ。委員長、なあ、どっち?俺的にはかわいい系がいいんだけど。」


カタン


「セロナ…ひとつ忠告しておく。」



ルヴァニレットはしつこく聞いてくるセロナの正面に移動し、はっきりと告げた。


「もしも彼女……彼らに興味本位で迷惑をかけるものなら委員長である僕が許さない。」

「はっ?何怖い顔してんだよ。俺が誰に興味を持とうがアンタに関係ないし、迷惑だって決めつけんな。文句があるなら今すぐ決闘デュエルでもするか?」


「くだらない…。そろそろ自習も終わり、次は選択授業だ。各自、移動を始めるように。」


スタスタスタ


「あ、待ってください、ルヴァニレット委員長。」

ガルシア副委員長が教室の出入口に向かうルヴァニレットを追いかける。


カラーン カラーン カラーン♪

授業が終わるチャイムが響いた



カラララ



スタスタスタスタ

「…………………。」



「どうしてあのように釘を刺す言い方をしたのですか?セロナさんには逆効果ですよ。」

「…委員長として、彼らに降りかかる火の粉は払いたいだけだ。」


自分勝手で短絡的な性格からすぐ喧嘩けんかを安売りするラズアルド・セロナ。あの男が絡むと周りが振り回されることになる。

アーヤに向けられた言動や好奇心に苛ついて、つい感情的に言い放ってしまった。




教室ではルヴァニレットとガルシアに続き移動を開始するクラスメイト達がいる一方で、

教室にはひとりマイペースにあくびをし、自習ではない次の移動教室へゆっくりと移動するラズアルドが不適な笑みを浮かべる。



「ふ~ん…。」

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