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マジェストーラ国立魔法学院 編入
美しき情景3
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いやいや、やっぱりダメダメ。無理無理。ここはただの庭じゃない気がするし。それに暗いけど、もし私達が庭に入ったら、他のお客が庭を見た時にチョロチョロ歩く人影とかがいたら景色の邪魔だって不愉快になるお客とかもいるかもしれないし。
フルフルと首を振ってから、散策はしないと頑なにひとり決め込んでからひとり、ウンウンと頷頷く。
うん、ここから眺めるだけで十分ですから。
チラリと横に並ぶラナ先生に目を向けると庭に目を向けていたはずのラナ先生が、すぐにこっちの視線に気づいたようでパチッと目が合ってしまった。
う~む、そんなにガン見してないのに、何でわかるのかな。エスパーですか?
エルシオンは二人の会話を聞きながら先程までの、アーヤの言動を考えていた。
『すごい……。』
一言呟いたきり、夜の庭園を見つめ続けるアーヤの瞳にはこの景色はどう映っているのだろうと思った。
まじまじと眺めてから急に首を横に縦に振っている。アーヤのことだから散策しに行きたいとすぐ言い出すかと思えば、そうでもないようだ。
難しい顔をしている。夜風に当たり、酔いは少し醒めたのかもしれない。この庭にアーヤが降り立ったとしたら、さぞかし絵になるだろう。
足元には気をつけて池の淵まで行ってみないか声をかけようかと思った矢先、アーヤに声がかかった。
「アーヤさん、せっかくなので庭に行ってみませんか?」
「行ってみたい気持ちもあったんですけど…。」
「はい。けど?」
「私達が歩いてしまったら他のお客さんが景色を見た時に景観を損ねるとか、不快に思ってしまうんじゃないかと思うと、何だか気が引けてしまって。」
「なるほど、他のお客ですか。しかし、その辺は店側としても大丈夫だから許可しているのではないでしょうか。」
「そう…なんでしょうけど。私ならせっかくの景色を堪能しているところに、もし、他所から歩く人影が視界に現れたとしたら邪魔に思ってしまいます。」
「これだけの満開の月光花を近くで見れる機会は、春、しかも満月の夜だけで、なかなかありませんよ?」
「うっそう言われると、心が少し揺らぎそうですが…。」
フルフルと首を振ってから、散策はしないと頑なにひとり決め込んでからひとり、ウンウンと頷頷く。
うん、ここから眺めるだけで十分ですから。
チラリと横に並ぶラナ先生に目を向けると庭に目を向けていたはずのラナ先生が、すぐにこっちの視線に気づいたようでパチッと目が合ってしまった。
う~む、そんなにガン見してないのに、何でわかるのかな。エスパーですか?
エルシオンは二人の会話を聞きながら先程までの、アーヤの言動を考えていた。
『すごい……。』
一言呟いたきり、夜の庭園を見つめ続けるアーヤの瞳にはこの景色はどう映っているのだろうと思った。
まじまじと眺めてから急に首を横に縦に振っている。アーヤのことだから散策しに行きたいとすぐ言い出すかと思えば、そうでもないようだ。
難しい顔をしている。夜風に当たり、酔いは少し醒めたのかもしれない。この庭にアーヤが降り立ったとしたら、さぞかし絵になるだろう。
足元には気をつけて池の淵まで行ってみないか声をかけようかと思った矢先、アーヤに声がかかった。
「アーヤさん、せっかくなので庭に行ってみませんか?」
「行ってみたい気持ちもあったんですけど…。」
「はい。けど?」
「私達が歩いてしまったら他のお客さんが景色を見た時に景観を損ねるとか、不快に思ってしまうんじゃないかと思うと、何だか気が引けてしまって。」
「なるほど、他のお客ですか。しかし、その辺は店側としても大丈夫だから許可しているのではないでしょうか。」
「そう…なんでしょうけど。私ならせっかくの景色を堪能しているところに、もし、他所から歩く人影が視界に現れたとしたら邪魔に思ってしまいます。」
「これだけの満開の月光花を近くで見れる機会は、春、しかも満月の夜だけで、なかなかありませんよ?」
「うっそう言われると、心が少し揺らぎそうですが…。」
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