夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール国 出会い

ただ、君のそばに1

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床にうずくまり、帰りたい、帰れないと泣く綾子。

胸が苦しい。声をおさえて泣く姿は小さい頃と変わらない。
過去、兄の存在を、死を受け入れようとし、受け入れきれなくて心が悲鳴をあげていた泣き方と重なった。

ほっとけるわけがない。綾子の肩に触れても下を向いて泣き続ける。
魔法でゆっくり綾子を浮かせ、顔を隠させたまま、自分の腕の中に招き入れた。ベッドに腰掛け、抱き締める。

わざと顔を見ないように頭に手を添えると、ぎゅっとしがみつかれた。泣き止むまで、頭を撫でてやる気だったが、それ以外、何もしてやれないことが悔やまれる。

いっそのこと、前世を言ってしまおうか。兄だったこと、太郎だったことを。少しは安心してくれるだろうか…。

でも、今の綾子に負担をかけたくない。きっと真実を受け止めきれない。

一人じゃないと伝えたい。

只、そばにいたい。守りたい。

「…綾子、泣きたいだけ、泣けばいい。
一緒にいるから大丈夫。悲しい思いも、寂しい思いも吐き出したらいい。涙と共に。」

よしよしと頭を撫で、背中をトントン。

トントン…トントン…トントン…トントン

トントン…トントン。トントン…トントン。

「精霊よ、心安らぐ夢への誘いをこの者に。目覚めのときは優しき光りの導きあれ」

泣きつかれて眠った綾子に精霊魔法をかける。せめて夢と目覚めが辛いものにならないように願いを込めて。

「おやすみ綾子。」



…チュ…ン…チュン…。チュン…チュ…ン。
明るい…もう朝?

結局、私は泣いて…泣いて。気がついたらベッドに寝かされていたようで翌日の朝になっていた。
シオンさんは、私が泣きわめいた時優しくそばにいてくれた。

情けない。
シオンさんに悪いことしたな。いい大人が、あんなに泣いて、しがみついて、迷惑かけちゃった。

朝日の射し込む窓に顔を向けた。
きっと泣き続けてひどい顔なんだろうな。自分のまぶたに触れてみる。

「あれ?れてない?メガネ…。」
鏡を見たら、目は腫れていなかった。
何だか、昨日はスキンケアもしなかったのにお肌の調子も良さそう?

色白で目立ってたシミソバカスもなくなってる?お風呂がすごいのか?エルフさんは、美人の湯に入っているのかも。


窓あるし、外の空気吸いたいな。
開けるには…これかな?ガチャ…キィ…

チュンチュン…♪チュンチュン♪
ピ~チ…ピ~チ…♪
アポォウーー…アポォウーー、♪
ハローハロハローーハロー♪
何だか、気が抜けて笑いそうになる鳥類らしき鳴き声の数々。これだけ大きな木や森の中だ、きっと色々な生き物が生息しているのだろう。

「はぁーーー、気持ちいい風に朝日。空気もおいしい。変なさえずり。
ピーチにアポォウー?果物鳴き?しまいにはハロハロー? ふっ、ははっふふっ、あはははは。はっははあはは…。」

「はぁー、笑った。…大丈夫、笑えてる。」
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