夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール王城 出会い

ドキドキの属性検査と魔力量測定3

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できたのかな?ラナ先生を見てみるとにっこり笑顔だった。
「上手く体内の魔力を集め、無駄な流れをなくすことができましたね。コツをつかんでからは、目を見張る速さでした。上出来ですよアーヤさん。」
「私でもできたんですね!」

「先程、集めた魔力を今度は引き出し両手に向かって流してみましょう。」
「はい。」

えーと、毛糸玉の端糸を引いて二本に裂いて両手まで移動していくイメージでどうだろう。クルクル毛糸玉をほどいて魔力の糸は両手に向かう。毛糸が通った所が温かい。両手の指先まで流してみる。メガネを外していないから見えないけれど、頭でイメージするには見えない方がいいかも。

「先生、どうですか?できてますか?」
「…大丈夫です。できていますよ。アーヤさんは余程感性が良いのか、素質がありますね。普通、こんなに短時間ではできないのですよ?」

「そうなんですか?」
「そうだよ、アーヤ。私でも一日かかった。」


「…デュカーレ君も感性が良いと思いますが、一日というのも素質があればこそです。普通は、個人差がありますが、三日はかかるでしょう。」

三日?!そんなに?魔力の毛糸玉でイメージすると簡単なんだけどな。発想の違いかな?
私の場合、もう魔力=毛糸だから必要な分だけ出したり、切ったり、繋いだりできそうだ。もしかしたら本数や太さを変えることもできそうな気もする。

毛糸玉が小さくなくなりそうならきっと魔力も減って残量もわかるかも。毛糸にすっかりイメージが固まってラッキーだったな。

「水晶に魔力を流してみましょう。少しでいいですからね。いいですか?少しですよ?」
「…はい。少しにします。」

先生、何故私にだけ、少しを二度言うのでしょう。
「流します。」

両手から毛糸よりもっと極細のミシン糸のイメージで細く細くしながら引き出して手まで流す。両手が温かい。水晶は…

無色のまま数秒がたった。空間の無色だけ?属性はひとつなのかな。
ん?真ん中に何か見えてきた。何か……
わっ?!何これー?! 


「…………………………。」
「…………………………。」
「…………………………。」
水晶の中心に黒い粒々とモヤが現れたと思ったら一気に変化しすぎて動揺してしまう。

「アーヤさん、動揺しても魔力の加減は維持してください。」
「うう、はい。」

何も変化なく見えたのは最初の数秒で、黒い粒々が現れた後モヤが濃くなりモヤから液体のようになって黒以外に金も現れた。

太陽の表面のように渦を巻きながらはっきり黒と金が混ざりきることなく、絶えず流動する球体が中心にできた。 

それだけではない。その外側を土星のような帯状リングが四本。赤、青、黄、緑の四色で縦、横、斜め米の文字のように重なってそれぞれのリングは回転していた。どうなっているのですかこれ。

「…アーヤさんの属性は、全て…七色のセプタプルのようです。しかも個々の色がそれぞれ鮮やかに発色し、一定の割合を保っていることから潜在的ではなく、知識と技術を身に付ければ扱えるレベルです。こんなことが起こるなんて…前代未聞ぜんだいみもん、歴史的快挙です。フフフ、久々に鳥肌がたってしまいました。」

まさに一同唖然いちどうあぜん

神様…私、魔法はそこそこって言ったのに!何てことしてんですかー?!全属性最強ヒロインってどこの王道ファンタジーなのー!

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