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エスリアール王城 出会い
ピアスとネコ4
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「今さら言い直してもダメです。やっぱり笑ってるじゃないですか!
もうっ、こっちは本当に心配して励まそうとしていたのに!ひどいです。」
プイッ。怒ると言うより、大人気ないが、拗ねたくもなり自然と頬が膨らみ、先生に背を向けた。ノワールを抱き締めて撫でる。
ひどい、本当に心配したのに。真面目に励ましの言葉を探したのに~。私が騙されやすいのか?でも、やっぱりショックだ~。
ゴロゴロ…グルゥグルゥ…グルゥ
「「……………。」」
綾子に背を向けられてしまい、サリアンは今までにない気持ちを持て余してどう接したらいいのか、掛ける言葉がわからなくなった。
最初は、偽りなくノワールに嫌われているのかと思っていたし、賢いノワールには悪のりがバレたのか、やりすぎだという視線を送られたが、止められなかった。
綾子の狼狽しながらも自分を心配する様子をもっと見てみたい、さっきの怒りだしたような顔も今の仕草も自分に向けられて嬉しく感じてしまった。
気まずさが残るが胸が温かい。が…
ここは、やはり謝罪が先ですよね。悪ふざけが過ぎたのは本当ですし。
「アーヤさん。」
「……………。」
おやおや、怒らせてしまった上におへそを曲げさせてしまいましたかね?
「アーヤさん。私が悪かったです。調子に乗りました。お許しください。」
「…………。」
はぁ、許してあげないとかわいそうかな。
別に元々、怒ってはいないしね。拗ねはしたけど。仕方ないそろそろ…
「アーヤさん。後ろから失礼します。」
ん??後ろ?何を失礼するの?
「ふぇっ?!」
ウニャ~ッ!!
私がびっくりして、大きい声を出してしまったし、ビクッとして動いたからノワールが膝から飛び降りて行ってしまった。
私を追いて行かないで!ノワール。カムバッーク!!
「サ、サリアンさん何してるんですか?!」
私は背後から何故か抱き締められている。
「アーヤさんに許して貰えるまでお側を離れません。」
「な、何でそうなるんですか?!」
「私はもう、アーヤさんに許して頂けるなら手段は選びません。」
「そ、そこは選んで下さい!選びましょう!」
「嫌です。」
「は、離してください。」
「いいえ、許して頂けるまで離れませんし、他の方法は思い浮かびません。」
「も~、わかりました!私も意地を張りすぎました。許しますっ!」
「本当に?」
「本当です。」
「もう、怒ってませんか?」
「元々、怒ってません。ちょっと拗ねただけで。」
「フフ、アーヤさんはあの様に拗ねられるのですね。」
「そ、そろそろ離してください。お願いします。」
「…仕方ないですね。許して頂けたようですし解放致します。仲直り致しましょう。」
何故か謝られていたはずなのに、上から目線な発言が…。最終的に私がお願いしてしまっている?解せない。
「こちらを向いてくれますね?」
「はい……。」
ん?待てよ、私。今、腕からは解放されたけど、サリアンさんすぐ後ろにいるよね?
この距離で振り向いたらすっごく近いんじゃないか?超美形バージョンの先生は心臓に悪い。
少し距離を取ってから振り向こう。よし、そうしよう!まずは避難だ!
ソファーは、広いのでありがたいことにまだ私のいる右側にスペースがある。そっちに向かってまず、振り向かないままお尻を少しずつずらしていく。よいしょっ、あと少しかな…
「アーヤさん。何故、こちらを向いてくれないのです?やっぱりまだ、お許し頂けていないのですか?」
「えっ?ち、違いますって。ひゃっ!?」
ひょいっと元の場所辺りに戻されたと思ったら、座り心地が違う。再びフワリと甘いサリアンさんの香りに包まれてドキドキしてしまう。
この構図はヤバイでしょ!さっきより悪化してる?!サリアンさんのお膝の上って!!
「では、何故私から離れて行ったのですか?もう、私の顔も見たくないのですか?」
「ち、違います。さっき、先生から離れたのはその…、あの時すぐ振り返ったら先生の顔とか…距離がきっと近すぎるから…は、恥ずかしくなって。」
「顔が見たくないのではなくて、恥ずかしいだけ?」
「う~、今だって恥ずかしいですよ。だから少し離れてから振り向こうとしたんです。」
「……………。」
良かった。嫌われたのではなくて。ラナは心底安堵して、ようやく腕の力を緩めた。
もうっ、こっちは本当に心配して励まそうとしていたのに!ひどいです。」
プイッ。怒ると言うより、大人気ないが、拗ねたくもなり自然と頬が膨らみ、先生に背を向けた。ノワールを抱き締めて撫でる。
ひどい、本当に心配したのに。真面目に励ましの言葉を探したのに~。私が騙されやすいのか?でも、やっぱりショックだ~。
ゴロゴロ…グルゥグルゥ…グルゥ
「「……………。」」
綾子に背を向けられてしまい、サリアンは今までにない気持ちを持て余してどう接したらいいのか、掛ける言葉がわからなくなった。
最初は、偽りなくノワールに嫌われているのかと思っていたし、賢いノワールには悪のりがバレたのか、やりすぎだという視線を送られたが、止められなかった。
綾子の狼狽しながらも自分を心配する様子をもっと見てみたい、さっきの怒りだしたような顔も今の仕草も自分に向けられて嬉しく感じてしまった。
気まずさが残るが胸が温かい。が…
ここは、やはり謝罪が先ですよね。悪ふざけが過ぎたのは本当ですし。
「アーヤさん。」
「……………。」
おやおや、怒らせてしまった上におへそを曲げさせてしまいましたかね?
「アーヤさん。私が悪かったです。調子に乗りました。お許しください。」
「…………。」
はぁ、許してあげないとかわいそうかな。
別に元々、怒ってはいないしね。拗ねはしたけど。仕方ないそろそろ…
「アーヤさん。後ろから失礼します。」
ん??後ろ?何を失礼するの?
「ふぇっ?!」
ウニャ~ッ!!
私がびっくりして、大きい声を出してしまったし、ビクッとして動いたからノワールが膝から飛び降りて行ってしまった。
私を追いて行かないで!ノワール。カムバッーク!!
「サ、サリアンさん何してるんですか?!」
私は背後から何故か抱き締められている。
「アーヤさんに許して貰えるまでお側を離れません。」
「な、何でそうなるんですか?!」
「私はもう、アーヤさんに許して頂けるなら手段は選びません。」
「そ、そこは選んで下さい!選びましょう!」
「嫌です。」
「は、離してください。」
「いいえ、許して頂けるまで離れませんし、他の方法は思い浮かびません。」
「も~、わかりました!私も意地を張りすぎました。許しますっ!」
「本当に?」
「本当です。」
「もう、怒ってませんか?」
「元々、怒ってません。ちょっと拗ねただけで。」
「フフ、アーヤさんはあの様に拗ねられるのですね。」
「そ、そろそろ離してください。お願いします。」
「…仕方ないですね。許して頂けたようですし解放致します。仲直り致しましょう。」
何故か謝られていたはずなのに、上から目線な発言が…。最終的に私がお願いしてしまっている?解せない。
「こちらを向いてくれますね?」
「はい……。」
ん?待てよ、私。今、腕からは解放されたけど、サリアンさんすぐ後ろにいるよね?
この距離で振り向いたらすっごく近いんじゃないか?超美形バージョンの先生は心臓に悪い。
少し距離を取ってから振り向こう。よし、そうしよう!まずは避難だ!
ソファーは、広いのでありがたいことにまだ私のいる右側にスペースがある。そっちに向かってまず、振り向かないままお尻を少しずつずらしていく。よいしょっ、あと少しかな…
「アーヤさん。何故、こちらを向いてくれないのです?やっぱりまだ、お許し頂けていないのですか?」
「えっ?ち、違いますって。ひゃっ!?」
ひょいっと元の場所辺りに戻されたと思ったら、座り心地が違う。再びフワリと甘いサリアンさんの香りに包まれてドキドキしてしまう。
この構図はヤバイでしょ!さっきより悪化してる?!サリアンさんのお膝の上って!!
「では、何故私から離れて行ったのですか?もう、私の顔も見たくないのですか?」
「ち、違います。さっき、先生から離れたのはその…、あの時すぐ振り返ったら先生の顔とか…距離がきっと近すぎるから…は、恥ずかしくなって。」
「顔が見たくないのではなくて、恥ずかしいだけ?」
「う~、今だって恥ずかしいですよ。だから少し離れてから振り向こうとしたんです。」
「……………。」
良かった。嫌われたのではなくて。ラナは心底安堵して、ようやく腕の力を緩めた。
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