7 / 29
タヌキの〇〇
しおりを挟む
『助けて……誰か……誰か……!』
目を覚ますとそこは静かで草木がたくさん生えた綺麗な森の中にある家のベットだった。
窓の外からは『大丈夫?』と言っているかのように妖精さんや木霊たちが、
そっと覗き込んでいた。
『……ここは……』
ベットから起き上がって窓から入る陽に温もっていると、カランカランっと言う音と凄く良い香りがここまで流れてきた。
『……いい香り……』
微かではあるが苺の匂いがする。
閉まってたドアがキキィ……と開き咄嗟に『うわっ』と体が反応して後ずさりしてしまった。
『化け狐の……』
入ってきたのは化け狐族の女帝の期待の娘、暗殺者(アサシン)を仕事とする怖い顔の持ち主と呼ばれる私たち……『タヌキ族』の天敵とも言える人だった。
『怪我をさせてしまってごめんなさい……』
彼女はそんなに悪いキツネということでもないらしい。
きっと逃げてる最中に石かなんかでつまずいて怪我したのだろう。
私の傷の手当は完璧にされている。
『これ……ありがとう……』
タヌキ族を狙い悪いこともしてるとは知っているけど、
このキツネの女の子は悪い方じゃない……とおじいちゃんに聞いたことがある。
タヌキ族の中でも悪いタヌキだけを狙い、女帝に狙われたタヌキは殺したフリをしてそっと逃がすと言う女帝の娘とはよく言ったものだと言うくらいの事をおじいちゃんから聞いた。
実際の所、本当なのかどうかは知らないけど。
『手に傷を負わせちゃって……ごめんなさい』
所詮タヌキなんだから、そこまで気を悪くしなくても良いのに……と思いながら『大丈夫』と言ってその後は和解も込めて彼女が持ってきた苺の香りが香る紅茶をお菓子と一緒に食べた。
『私の名前はイチゴって言うの!よろしくね』
私は愛嬌、愛嬌と彼女に笑顔を振り向けた。
しかし、彼女は名を名乗ることは許されないという。
『私が名前をつけてあげるよ!』
私は名前を名乗れない女帝の娘の彼女の為に名前を付けてあげた。
女帝とは違う『幸福』を願う彼女に相応しい『幸せ』を弄った名前を。
『クロってのはどう?』
幸せの四つ葉のクローバーの『希望』『信仰』『愛情』『幸福』全ての思いを込めて。
『嬉しい……』
彼女は涙を流しそう言った。
目を覚ますとそこは静かで草木がたくさん生えた綺麗な森の中にある家のベットだった。
窓の外からは『大丈夫?』と言っているかのように妖精さんや木霊たちが、
そっと覗き込んでいた。
『……ここは……』
ベットから起き上がって窓から入る陽に温もっていると、カランカランっと言う音と凄く良い香りがここまで流れてきた。
『……いい香り……』
微かではあるが苺の匂いがする。
閉まってたドアがキキィ……と開き咄嗟に『うわっ』と体が反応して後ずさりしてしまった。
『化け狐の……』
入ってきたのは化け狐族の女帝の期待の娘、暗殺者(アサシン)を仕事とする怖い顔の持ち主と呼ばれる私たち……『タヌキ族』の天敵とも言える人だった。
『怪我をさせてしまってごめんなさい……』
彼女はそんなに悪いキツネということでもないらしい。
きっと逃げてる最中に石かなんかでつまずいて怪我したのだろう。
私の傷の手当は完璧にされている。
『これ……ありがとう……』
タヌキ族を狙い悪いこともしてるとは知っているけど、
このキツネの女の子は悪い方じゃない……とおじいちゃんに聞いたことがある。
タヌキ族の中でも悪いタヌキだけを狙い、女帝に狙われたタヌキは殺したフリをしてそっと逃がすと言う女帝の娘とはよく言ったものだと言うくらいの事をおじいちゃんから聞いた。
実際の所、本当なのかどうかは知らないけど。
『手に傷を負わせちゃって……ごめんなさい』
所詮タヌキなんだから、そこまで気を悪くしなくても良いのに……と思いながら『大丈夫』と言ってその後は和解も込めて彼女が持ってきた苺の香りが香る紅茶をお菓子と一緒に食べた。
『私の名前はイチゴって言うの!よろしくね』
私は愛嬌、愛嬌と彼女に笑顔を振り向けた。
しかし、彼女は名を名乗ることは許されないという。
『私が名前をつけてあげるよ!』
私は名前を名乗れない女帝の娘の彼女の為に名前を付けてあげた。
女帝とは違う『幸福』を願う彼女に相応しい『幸せ』を弄った名前を。
『クロってのはどう?』
幸せの四つ葉のクローバーの『希望』『信仰』『愛情』『幸福』全ての思いを込めて。
『嬉しい……』
彼女は涙を流しそう言った。
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる