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8:悪育ライフ
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あの日ババ様に「神にしろ」と言われたにもかかわらず、ギャング4人組は口をそろえてこう言った。
「……なんか、地味だよなぁ」
「それな~」
四人はぐでっとソファに寝そべりながら、幽霊のいる(と自覚してない)日常を語り始めた。
「だってさ、ブラスはちょっとグロいの見えるだけだろ?」
「まぁ、ちょいちょい眼球から虫とか出てるやつ見るけど、慣れたしな~」とブラス。
「エリーコは? 憑いてる幽霊の気持ち分かるだけで、うつ病にはなってないよな?」
「まぁ、しんどそうなときもあるけど、“今日はつらい日ですか~?”って声かければ落ち着くから……」
「バリシオは過去見えるだけやろ?」
「おうよ!最近は映画の代わりになることに気付いたぜ。ラスト泣けるやつは2回見た」
「キケは……匂い分かるんだよな? ま、これはちょっとキツだけど」
「まぁなぁ……たまにええ香りする時あるんやけどなぁ。お香系の」
そんな会話の中、ふとブラスが言った。
「……てかさ、もっと悪にしようぜ!」
「それや!」エリーコがパンと手を叩いた。
「せや、庭で取れたあの草、あるやろ? こいつに**吸わせたったらええんちゃう!?**悪の第一歩は草からや!」
「いいじゃんそれ!悪のサラブレッド、育てよーぜ!」
──こうして、ギャング4人組による**“悪い子育成プロジェクト”**がスタートした。
【1週間の悪育ライフ】
・庭で栽培してる草(多分アウトなやつ)を焚いて、煙の中に幽霊を放り込む
・草をやると腹が減るためピザLサイズを供える(ガーリックトッピング多め)
・ヤクザ映画を1日3本観せる
・ヤクザゲームを四人で実況して、隣で見させる。
・治安悪めの路地にお散歩して、“これがオレらの庭や”と教える
──そんな生活を、続けて1週間。
「なぁ……」
キケが鼻をひくつかせる。
「最近、ええ匂すんねん。お香系の。」
「そうなのか?つか……」
ブラスが目を凝らす。
「……あのストーカー男が一昔前の某原宿で売ってそうな草のTシャツ着てる!!」
「まって、いまこの子**“たのし~~!”**って感情出してきてるよ!?(エリーコ)」
「やっべぇ! 俺の脳内スクリーン、こいつと俺らでピザ食ってるビジョン流れてきた!(バリシオ)」
そう、4人は気づいていなかった。
幽霊は“祀られた”と認識していた。
草は煙で清める御香の代用。
ピザは供物。
散歩はバカなりにお百度参りの再現。
映画やゲームは、現世の人間の思い出を共有する儀式だった。
つまり、ギャングたちの「悪に育てよう」キャンペーンは、まさかの──
供養フルコースになっていたのである。
「……なんか、地味だよなぁ」
「それな~」
四人はぐでっとソファに寝そべりながら、幽霊のいる(と自覚してない)日常を語り始めた。
「だってさ、ブラスはちょっとグロいの見えるだけだろ?」
「まぁ、ちょいちょい眼球から虫とか出てるやつ見るけど、慣れたしな~」とブラス。
「エリーコは? 憑いてる幽霊の気持ち分かるだけで、うつ病にはなってないよな?」
「まぁ、しんどそうなときもあるけど、“今日はつらい日ですか~?”って声かければ落ち着くから……」
「バリシオは過去見えるだけやろ?」
「おうよ!最近は映画の代わりになることに気付いたぜ。ラスト泣けるやつは2回見た」
「キケは……匂い分かるんだよな? ま、これはちょっとキツだけど」
「まぁなぁ……たまにええ香りする時あるんやけどなぁ。お香系の」
そんな会話の中、ふとブラスが言った。
「……てかさ、もっと悪にしようぜ!」
「それや!」エリーコがパンと手を叩いた。
「せや、庭で取れたあの草、あるやろ? こいつに**吸わせたったらええんちゃう!?**悪の第一歩は草からや!」
「いいじゃんそれ!悪のサラブレッド、育てよーぜ!」
──こうして、ギャング4人組による**“悪い子育成プロジェクト”**がスタートした。
【1週間の悪育ライフ】
・庭で栽培してる草(多分アウトなやつ)を焚いて、煙の中に幽霊を放り込む
・草をやると腹が減るためピザLサイズを供える(ガーリックトッピング多め)
・ヤクザ映画を1日3本観せる
・ヤクザゲームを四人で実況して、隣で見させる。
・治安悪めの路地にお散歩して、“これがオレらの庭や”と教える
──そんな生活を、続けて1週間。
「なぁ……」
キケが鼻をひくつかせる。
「最近、ええ匂すんねん。お香系の。」
「そうなのか?つか……」
ブラスが目を凝らす。
「……あのストーカー男が一昔前の某原宿で売ってそうな草のTシャツ着てる!!」
「まって、いまこの子**“たのし~~!”**って感情出してきてるよ!?(エリーコ)」
「やっべぇ! 俺の脳内スクリーン、こいつと俺らでピザ食ってるビジョン流れてきた!(バリシオ)」
そう、4人は気づいていなかった。
幽霊は“祀られた”と認識していた。
草は煙で清める御香の代用。
ピザは供物。
散歩はバカなりにお百度参りの再現。
映画やゲームは、現世の人間の思い出を共有する儀式だった。
つまり、ギャングたちの「悪に育てよう」キャンペーンは、まさかの──
供養フルコースになっていたのである。
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