心を求めて

hakurei

文字の大きさ
上 下
6 / 13

麗奈がお風呂に!?

しおりを挟む
私は突然目が覚めた。
「時間は…4時…この感覚は…」
布団をめくる。
「はぁ、こいつはまた…」
布団の中に麗奈がいた、泊まった日には毎回忍び込んでくるの本当に勘弁してほしい。
「目が完全に覚めた…起きるか。」
麗奈を起こさないように布団から出て、リビングに向かう。
リビングに入り、コップを借りて水道の水を一杯入れて、そのままゴクゴクと飲みほす。
「水って何気うまいよなぁ。」
そう呟いてソファーに向かう。
どっかりとソファーに座り、ボーッとする。
1時間ほどボーッとして、リビングに麗奈のお母さんが来て朝食の準備をし始めた。
私はする事もなかったので準備を手伝っていた。
「零くん、大丈夫?ちゃんと寝れた?麗奈がまた布団に入ったんでしょ?」
「まぁ確かに入っては来ましたけど、睡眠はしっかりととりましたよ、大丈夫です。」
「そう、ありがとうね。麗奈と仲良くしてくれて。」
「いえいえ。僕にとって麗奈は友達って訳じゃないんです。友達以上、親友だと思っています、麗奈はどう思っているのかわかりませんが。」
私にとって麗奈は1番の存在。
だから友達ってだけじゃ私にとっては足りない。
親友、そう言えるほどだとは私個人では思っている。
「あら。そうなの、それは嬉しいわね。」
ふふっと笑いながらそうつげる麗奈のお母さん。
朝食が出来上がったタイミングで麗奈が起きてきた。
「おはよ~、はくくんもおはよ~」
眠気のせいで物凄く声が小さい。
とりあえず返答しないと。
「おはよ、麗奈。」
「あ!今日やっとクリスマスだよ!」
クリスマスだと思い出した瞬間にパチッと目が開き声のトーンが上がる麗奈、どんだけ楽しみなんだ。
「そんなに楽しみなのか。」
「もちろん!はくくんは違うの?」
私は…もちろん楽しみにしている。
麗奈との初めてのクリスマス、楽しみに決まっているじゃないか。
「僕は…楽しみさ!」
ニッコリと笑顔を浮かべて返答した。
それからは朝食を食べ、その後に麗奈と雑談や適当な遊びをして、気づいたら夕方をすぎていた。
私はお風呂を借りて入る事にした。
脱衣所で服を脱ぎ腰にタオルを巻く。
一応人の家であるため、誰か来る可能性もかんがえてタオルを巻く。
頭を洗い、体を洗う、全身を洗い終え湯船にゆっくりと入る。
「ほんっとここのお風呂は広いよなぁ。」
私の家の倍の広さは確実にある、足が湯船の中で伸ばせるのが本当にゆっくりできる。
「ふぁぁ~気持ちがいい~。」
「そんなに心地いいのー?」
「快適さ、体の芯からあったまるし、本当にゆっくり.......でき…る?」
ちょっとまて、私は誰と話してるんだ?
「麗奈さん?なにしてるの?」
「何って、一緒に入ってるだけだよ?」
こいつは何言ってるんだ?
「てか、いつ入ってきた!」
「普通に入ってきたよ?はくくん気づいてなかったけど。」
しまった…お風呂が気持ちよすぎて全く気づかなかった…
「今すぐ出てけ。」
「なんでぇ!」
「当たり前だ!男と女で基本お風呂は一緒に入らない!」
「いいじゃん!ちゃんとタオル巻いてるし!大丈夫だよ!」
「全くよくない!早く出てけ!」
「やだ!私も入る!」
そう言って立ち去るどころか…
「おじゃましまーす!」
湯船に入ってきたのだ。
「ちょ、お前…」
「暖かいねぇ~」
「そうか、じゃ僕は出るから。」
「えぇ、早いぃ!」
腕を掴んで止めてきた。
「ごめん、本当に出させて…のぼせる…」
体の温度がかなり高くなっていて本気で倒れそうだ…
いつもならもっと入れるのだが…
今回はまぁ、仕方がないじゃん?
「むぅ…わかったよ。後でねー。」
「はいよ…」
そして私は脱衣所にいき、体を拭いて、リビングに向かう。
コップに水を一杯いれ、一気に飲みほす。
「ぷはぁ…」
少し体が楽になった。
「一気に疲れたなぁ…」
ソファーに座って少し休むことにする。
少ししてリビングに麗奈のお父さんが仕事から帰ってきてリビングにきた。
「ただいま~、お、零くんか、久しぶりだねぇ!」
麗奈のお父さんの仕事は忙しいのかたまにしか帰ってこないらしい。
今日はクリスマスだから帰ってきたのかな?
「お久しぶりです、おじゃましてます。」
「うむ、ところでうちの母さんと麗奈は?」
「麗奈はお風呂で麗奈のお母さんは多分自分の部屋ですかね?」
「そっか、なら。」
麗奈のお父さんはソファーにどっかりと座って。
「恋バナでもするかい?」
「はい?」
突然そんな事を言われて困惑する。
「はは、冗談さ!まぁなんでもいい!最近はどうだい?なんかないかい?」
「麗奈がお風呂に入りに来ましたね。」
「ふはは!麗奈らしいな!」
「僕は疲れましたけどね…」
「まぁ麗奈は考えついたらすぐ行動するからな!大目に見てやってくれ!」
「まぁもう慣れましたし大丈夫ですよ。」
「慣れちゃまずい気もするがまぁいいか!」
麗奈のお父さんは見てわかる通り麗奈と似た性格をしている。
いや違うか、麗奈のお父さんの性格に麗奈が似たのか。
仕事終わりなのにこんなに元気に話しているとこがすごいと思う。
「なぁ零くんよ、麗奈の事を頼んだぜ。零くんにならあの子を任せられる!これは確信できる。」
「.......いや、僕には…無理ですよ…だって…自分の事すら守れもしない、自分の事を大事にはしない僕には…」
「零くんはさ、マイナスに考えすぎだ、そうネガティブになってしまっては何にもできない、まずは零くん自信が変わらなくては、変わっていけば別の人も救えるはずさ。」
「自分が…ですか。」
自分が変わる…っか。
それは言葉にするのは簡単だ、けど実際の苦労は以上なまでに努力が必要だ。
「可能な限り頑張ってみます。」
このままなんてのは私自信が嫌だ。
だから変わらなくてはならない。
「おう、頑張んな!」
私の頭に手を置いて撫でられた。
どこか温もりと安心感を感じた。
私の父親から撫でられた経験なんて私の記憶にはない。
ここまで安心するものなのかと思いながら、照れている顔を隠しながら撫でられ続けた。
そして、麗奈がお風呂からあがって麗奈のお母さんもリビングに来た。
これからパーティーの用意をするらしい。
私も手伝いながらパーティーを楽しみにしていた。
しおりを挟む

処理中です...