【完結】「令嬢のくせに」と言った男がいました。肝っ玉が小さいのでお帰りください。

BBやっこ

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風になりたい

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「令嬢のくせに」
やけにその声が響く。

男の子の声。後は誰だったのかさえ…わからない。

そう言われた事だけ、頭に残った。
社交場で狩りや遠乗り、お茶会と婚約の場にもなる。

そんな事よりも、習った乗馬を楽しむ方に気がいっていた頃だ。


私は背が高く、飲み込みも早かったらしい。

可愛いより凛々しいと言われることが多いけど
それもまた素敵だと言ってもらえている。

女性だって、馬も乗れるし。ドレスでの横座りより走らせ風に
とても気持ちが良い。


なのに、何故かその声と言葉が思い出されて。
繰り返し現れて、気持ちが晴れない。


“子供の言うこと”

気にしないのと言われ、そう思った。

よくよく思えば、交流の場。

“良いところを見せられる”場面で、
私が目立ってしまったのだと想像もできる。


嫉妬

はじめて投げつけられた、その勢いのついた言葉が
私にまだ棘が刺さっているようだった。

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