【完結】アナタが選んだんでしょう?

BBやっこ

文字の大きさ
5 / 6

5-最後は

しおりを挟む

「私の婚約を破棄してください。」

既に腕を絡めず、真正面に立つ彼女。

「冗談だよね?」そうとしか思えず聞いた。

僕の気を引きたいだけの、さっきの勢いに煽られただけで。

「本気です。貴方との未来を想像できません。書類は父に出していただけますか?
母方の家に帰ります。」


そういって、立ち去りそうになる。

「待って!」

とにかく、そう口に出た。

さっきの婚約破棄に続いての騒動だが、あまり騒がれない。
遠巻きに見ている人間がいるだけか。


どうしてなんだろう?


それしか考えられない。

「突然で」

「そうでしたか?まあ会話成り立たないし、私の話は聞き流すだけでしたものね。」
僕の嫌いなキツい表情。


「あら?キツいのは嫌いって、真面目に話しているのに聞かないからでしょ。
誰も、貴方への忠告をしなかったの?」

「僕は、僕なりに」

「誰かと?命令するだけじゃない。私、貴方の店に行ってみたけど
店長だなんて、ほんとっなばかりね!情熱も何もない店なんてやってられるの?

売り子の人のおかげじゃない。」

「売り上げも出てる。」


「へえ。それって貴方が考えて稼いだの?商人なんて言えないわ!
私は、商売の話をできる人と結婚したかったの。貴方は全部曖昧よ」


ひどい言われようだ。
「売り上げもあったし、これからだって」



「最後にも名前を呼びさえしないのね。」




婚約がは破棄になり、店に出る毎日。

ボーッと店にいても売れなかった。

そのうち、売り子が辞めると言ってきた。

「もう、この店は成り立ちませんよ。まったく。
ちょっと良かったからって、そこにだけ注ぎ込むなんて。

商売じゃなくて、博打じゃないですか。」


この男はこんなに喋るんだったか?いつも店を整え、書類を出すだけだった。

「店長として、本当に名前があるだけ。今は居るだけでしたね。」

その様子に、婚約者だった彼女が重なる。


『アナタが選んだんですもの』

「貴方のものでしょ?」

売れない品々を眺めた僕に、さらに言った。
「服を売るんじゃない、楽しさや便利さを売っている。

貴方のお父様の方針でした。私はお兄様の店で店長になります。
貴方のように何もしない店長にはなりませんから。」


キツいんじゃなく、真面目に言っていた。
聞き流したのは、僕。


そして、店も潰れてしまった。それもしょうがない。
何も、手に入れてなかったんだから。


<おわり>
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された悪役令嬢が聖女になってもおかしくはないでしょう?~えーと?誰が聖女に間違いないんでしたっけ?にやにや~

荷居人(にいと)
恋愛
「お前みたいなのが聖女なはずがない!お前とは婚約破棄だ!聖女は神の声を聞いたリアンに違いない!」 自信満々に言ってのけたこの国の王子様はまだ聖女が決まる一週間前に私と婚約破棄されました。リアンとやらをいじめたからと。 私は正しいことをしただけですから罪を認めるものですか。そう言っていたら檻に入れられて聖女が決まる神様からの認定式の日が過ぎれば処刑だなんて随分陛下が外交で不在だからとやりたい放題。 でもね、残念。私聖女に選ばれちゃいました。復縁なんてバカなこと許しませんからね? 最近の聖女婚約破棄ブームにのっかりました。 婚約破棄シリーズ記念すべき第一段!只今第五弾まで完結!婚約破棄シリーズは荷居人タグでまとめておりますので荷居人ファン様、荷居人ファンなりかけ様、荷居人ファン……かもしれない?様は是非シリーズ全て読んでいただければと思います!

婚約破棄の代償

ファンタジー
王太子妃の立場に向いていないと婚約破棄を告げるルフェーヴル・エリシア公爵令嬢。 婚約者であるオルフェリス・ルシアンはあっさりと承諾したが……。 ※複数のサイトに投稿しております。

婚約破棄された悪役令嬢はヒロインの激昂を目の当たりにする

蛇娥リコ
恋愛
婚約発表するはずの舞踏会で婚約破棄された悪役令嬢は冤罪で非難される。 婚約破棄したばかりの目の前で、プロポーズを始めた王子に呆れて立ち去ろうとした悪役令嬢だったが、ヒロインは怒鳴り声を上げた。 一回書いてみたかった悪役令嬢婚約破棄もの。

それって、あなたの感想ですよね?

雲井咲穂(くもいさほ)
恋愛
シェリンは一方的な価値観を押し付けて、自分を下げようとする男爵夫人に対し毅然且つ冷静に反論する。 ******** ざまぁ的反論メインなので、恋愛要素はほとんどなく申し訳ございません(土下座)。 短く拙い文章ですが、「自分らしさ」や「自分の大切にしたいもの」について悩んでいる方の、ちょっとした励みになれば幸いです。 お読みいただき、ありがとうございました。

こんなに馬鹿な王子って本当に居るんですね。 ~馬鹿な王子は、聖女の私と婚約破棄するようです~

狼狼3
恋愛
次期王様として、ちやほやされながら育ってきた婚約者であるロラン王子。そんなロラン王子は、聖女であり婚約者である私を「顔がタイプじゃないから」と言って、私との婚約を破棄する。 もう、こんな婚約者知らない。 私は、今まで一応は婚約者だった馬鹿王子を陰から支えていたが、支えるのを辞めた。

だってわたくし、悪役令嬢だもの

歩芽川ゆい
恋愛
 ある日、グラティオーソ侯爵家のラピダメンテ令嬢は、部屋で仕事中にいきなり婚約者の伯爵令息とその腕にしがみつく男爵令嬢の来襲にあった。    そしていきなり婚約破棄を言い渡される。 「お前のような悪役令嬢との婚約を破棄する」と。

乙女ゲームの世界だと知っていても

竹本 芳生
恋愛
悪役令嬢に生まれましたがそれが何だと言うのです。

聖女が帰らなかったので婚約は破棄された

こうやさい
恋愛
 殿下はわたくしとの婚約を破棄して聖女と結婚なさるそうです。  いや『聖女は帰らなかったけど婚約は破棄された』の時に、聖女が帰らない婚約破棄の場合はふつー違うよなと考えた話。けどこれもなんかずれてる気が。  直接的に関係はないです。  プロフィール少し編集しました。 URL of this novel:https://www.alphapolis.co.jp/novel/628331665/678728800

処理中です...