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コックが里帰りしているらしい。
そんなベテランメイドの説明から、私に話しかけ続けて今の食事は乳母の特権と言って庭で採取した野菜。ゆっくりしっかり食べられて満足だ。言葉をゆっくり覚えられるように話しかけてくれた。構われているのがすごく嬉しい!
水を入れて出すと喜んでくれる。赤ん坊じゃないはずなのに私は、よろこんでしまう。
(このまま赤ん坊になるんだろうか。)
自分じゃない感覚に少し怖くなる。
じょじょに記憶が溶けて、私が12歳だという意識もなくなる。この少し変わった過去で、また始まる。
誰にも気づかれずに死ぬみたい。
嫌な想像だ。そもそもなんで意識があるんだろう?
行動は赤ん坊になっちゃってるけど、心と記憶は12歳だ。
思いつくのは荒唐無稽な御伽噺。
精霊に愛されると不思議な事が起こる
お話や伝承の域だけど、弓の師匠が知っているだろう。それまで4年?
6歳だ。
記憶も抜けが酷くなってくるか?
赤ん坊の記憶がないのはわかるけど。実際今の生活も寝てばっかだし。
街に行く、10年以上行方の掴めない当主になっているあの人。居なくても気にならなかったけど、不便極まりないんだよな。今の状況を正しく知りたい。そう要望も伝えられない。
もどかしい姿だ。
手足を動かし、思うまま水を噴出させた。
「あうあうあー!」ストレスは発散するに限る。
「あー!水浸しにしないでよっ」
「庭に行くぞ」
若いメイドと弟子庭師が、赤ん坊対応で組んでいる。
「たうあ(どーぞー)」
私は大人しく、庭へと連れて行かれた。子供の抱き方も様になってきたし遠慮がなくなったね。
以前は接点がなかったと記憶しているけど、意外と息のあった2人になっている。
そろそろハイハイの移動をしよう。話し出すのはまだ無理か。
(早く大人になりたい。)
意思を伝える事もできず、もどかしい中で変化があるとしたら
眠りにつく前、会話を聞けることか。場所は屋敷の中であった事らしいけど。
今なのか過去なのか?
何回思っても成長がぐんと進むことはなかったけど。赤ん坊になるのは、変わった体験。
身体と心が、覗き見している感覚に慣れてきた。
(おじさまー)
「コックがいないが問題は?」
「今のところ、皆でなんとかできています。」
「セリ様のお世話がなかなかつきっきりでできず。」
「あまり泣かない子だな。」
「お世話はしやすいのですが、」
「何か?」
「魔力が強いです。教師をはやく、つけた方が。」
「暴走を心配しているか?魔導具で制御する用意はしている。それでは駄目か?」
「意思疎通が取れている様子で。おかしな事と言われるかもしれませんが。」
「しかしな、赤児に真面目に教える者がいるかどうか。」
「魔力に長けた者をそばに置くのが良いかと。」
「寄進している教会に誰か来てもらえないか。」
「当主不在を不審に思う人々が多いと聞く。遠回りに赤児の不利益になるとはな。」
「ええ。仕事に響く事は覚悟しておりますが、ここでもと言う気持ちが。」
私が関わっていた9歳頃からも感じていたことが、すでにこの頃からあったのか。多分隠していたんだろうなあ。
子供の私が知っても、どうにもできない事だから。
ただでさえ、当主の子ではない。女に跡継ぎなど無理だ。さっさと結婚して当主をたてては?
口だけを挟んでくる輩の多かった事。寝不足に頭にお節介という名前で詰めかけて掻き回すだけして去る。
ここに、旨味はないから。けど、ここがなくなれば魔物の波を防ぐ壁が減る。広範囲の森から溢れ出る特殊な魔物を連携して討伐する。それがこの土地で人の暮らしを守る手段だった。
ガラガラと崩れていく。その先を見ることはなかったけど。確実に壊れていっている。
(ほんと、当主のせいだわ。)
そう思い至った結論に、赤ん坊はふて寝した。
そんなベテランメイドの説明から、私に話しかけ続けて今の食事は乳母の特権と言って庭で採取した野菜。ゆっくりしっかり食べられて満足だ。言葉をゆっくり覚えられるように話しかけてくれた。構われているのがすごく嬉しい!
水を入れて出すと喜んでくれる。赤ん坊じゃないはずなのに私は、よろこんでしまう。
(このまま赤ん坊になるんだろうか。)
自分じゃない感覚に少し怖くなる。
じょじょに記憶が溶けて、私が12歳だという意識もなくなる。この少し変わった過去で、また始まる。
誰にも気づかれずに死ぬみたい。
嫌な想像だ。そもそもなんで意識があるんだろう?
行動は赤ん坊になっちゃってるけど、心と記憶は12歳だ。
思いつくのは荒唐無稽な御伽噺。
精霊に愛されると不思議な事が起こる
お話や伝承の域だけど、弓の師匠が知っているだろう。それまで4年?
6歳だ。
記憶も抜けが酷くなってくるか?
赤ん坊の記憶がないのはわかるけど。実際今の生活も寝てばっかだし。
街に行く、10年以上行方の掴めない当主になっているあの人。居なくても気にならなかったけど、不便極まりないんだよな。今の状況を正しく知りたい。そう要望も伝えられない。
もどかしい姿だ。
手足を動かし、思うまま水を噴出させた。
「あうあうあー!」ストレスは発散するに限る。
「あー!水浸しにしないでよっ」
「庭に行くぞ」
若いメイドと弟子庭師が、赤ん坊対応で組んでいる。
「たうあ(どーぞー)」
私は大人しく、庭へと連れて行かれた。子供の抱き方も様になってきたし遠慮がなくなったね。
以前は接点がなかったと記憶しているけど、意外と息のあった2人になっている。
そろそろハイハイの移動をしよう。話し出すのはまだ無理か。
(早く大人になりたい。)
意思を伝える事もできず、もどかしい中で変化があるとしたら
眠りにつく前、会話を聞けることか。場所は屋敷の中であった事らしいけど。
今なのか過去なのか?
何回思っても成長がぐんと進むことはなかったけど。赤ん坊になるのは、変わった体験。
身体と心が、覗き見している感覚に慣れてきた。
(おじさまー)
「コックがいないが問題は?」
「今のところ、皆でなんとかできています。」
「セリ様のお世話がなかなかつきっきりでできず。」
「あまり泣かない子だな。」
「お世話はしやすいのですが、」
「何か?」
「魔力が強いです。教師をはやく、つけた方が。」
「暴走を心配しているか?魔導具で制御する用意はしている。それでは駄目か?」
「意思疎通が取れている様子で。おかしな事と言われるかもしれませんが。」
「しかしな、赤児に真面目に教える者がいるかどうか。」
「魔力に長けた者をそばに置くのが良いかと。」
「寄進している教会に誰か来てもらえないか。」
「当主不在を不審に思う人々が多いと聞く。遠回りに赤児の不利益になるとはな。」
「ええ。仕事に響く事は覚悟しておりますが、ここでもと言う気持ちが。」
私が関わっていた9歳頃からも感じていたことが、すでにこの頃からあったのか。多分隠していたんだろうなあ。
子供の私が知っても、どうにもできない事だから。
ただでさえ、当主の子ではない。女に跡継ぎなど無理だ。さっさと結婚して当主をたてては?
口だけを挟んでくる輩の多かった事。寝不足に頭にお節介という名前で詰めかけて掻き回すだけして去る。
ここに、旨味はないから。けど、ここがなくなれば魔物の波を防ぐ壁が減る。広範囲の森から溢れ出る特殊な魔物を連携して討伐する。それがこの土地で人の暮らしを守る手段だった。
ガラガラと崩れていく。その先を見ることはなかったけど。確実に壊れていっている。
(ほんと、当主のせいだわ。)
そう思い至った結論に、赤ん坊はふて寝した。
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