【長編・完結】300歳エルフは、まだ森には帰りませんよ。 〜目まぐるしく過ぎた日々と、お茶を飲むひと時を。〜

BBやっこ

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報告書

19-①

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穏やな日、麗らか陽射しの中でのお茶会。パティシエが技を尽くした菓子が並び、香りの良い紅茶が湯気を立てている。

(私が冬の間、求めて思い描いていたような情景だ。)

紅茶、お菓子、麗しい相手。
そう、そのお相手に微笑みを向けられたので微笑み返す。何も色っぽい事では無い。想像より遥かにすごい事になっている、という事実を受け入れなければ!

“精霊様”とのお茶会。

身技を持つ精霊、この土地を護る<風と緑の精霊様>と呼ばれている方だ。
貴族にも存在を知られている、この国の精霊様。

捧げ物は、紅茶に合う菓子。パティシエが精霊に捧げるために、贅を尽くし閃きを持って作り出している芸術品。

(食べられてしまうが。)

季節の果物が、とても美味しいタルト。見た目も宝石のようで、味わいも甘酸っぱさが弾ける。カスタードが甘さで包んだ。

私もお菓子は好きだが、なぜ、このような席についているか?説明だけでは、納得できないかもしれない。

望んでた閑職を得た私が、この庭で、かの方とお茶を飲む関係になるとは。

私は“研究者であり王に仕える者”である。ついでに、王都を危険から守っているという状況だ。エルフに魔法に期待をされているらしい。

確かに、森の一角くらいは沈められるが。

ああ、この説明だと意味がわからないか?

最初から、話すと王から任命された“精霊の接待係”からだろう。

菓子が届いたかのチェックし、たまに試食もする。彼の方が食べない分だったり、気紛れな方だ。
何をいつ出したか、誰が作った菓子だか記録に残している。たまに街で“精霊様が食べたスイーツ”として売られるのは、ここで許可を出している事だ。

ここの職での心配事は体重が増えるかもしれない、くらいだったが量と回数が増えても代行者がいる。毎回じゃなくて良い形だ。

だが予想外にも、私の新職は刺激に満ち満ち溢れている。

「心労で痩せるかもしれんなあ」

シャレにならないくらい、色々とあった。新事実やら、真新しいもの。
そして、間違えると更地になるかもしれない問いも。

(まあ、王都の崩壊には予断はあるだろう。)

それは危険では無いのか?いいや全然。通常は菓子とお茶を飲んで、おしゃべり。ここまでは、どう見ても閑職。

「まだ美味しいお菓子は惜しんでくださる。」

しかしその含まれた内容は、新事実やら信じられない事がさらっと出てくる。

私が居るのは獣人国の王都。雪に囲まれていた景色が同じ国とはな? 

深緑の魔の森、そに縁にあった屋敷に冒険者のチームが拠点とした。その庭で、精霊が作った聖なる場所。

この場所、でのお茶会は見慣れたはずの景色も新鮮で、けど今は雪景色が懐かしいと逃避してしまう。
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