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整理と準備

12-③

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結局、本屋で購入したファンタジー設定資料集だけだった。

(あとはお腹におさめただけになった。)
バーゲンに季節を彩る服が行き交う久しぶりの街でも、なんかデザインの事が頭の片隅にずっとあった。それをまあいっかとも思うけど。

部屋ではなく、持ち運び安いサイズのスケッチブックと勉強ノートを共同スペースで広げた。コーヒーにミルク、砂糖はダイエットシュガーを心持ちの問題で使う。夜食のドーナツを2つ。チョコとシンプルもちもち食感。

後で、建物内を散歩して帰ろうかな?と考えた。

アイディアのメモを広げて、すぐに元に戻った感覚になる。服のデザイン画、魔物素材に夢中で知りたいことを思いつくまま描く。

研究と技術、服飾史で新しい方法を試す、後で考えつくもの全てデジタル保存をしておけば良い。アナログの作業で夢中になる前に、ボイスチャットをつける。雑談枠で打ち込んだものを音声で喋ってくれる。

ここのざっくりなお題は『スピリッツアに関する事』のみ。カイナはそれをBGMにして作業をした。
時報が入るので、夜更かし防止に良い。

他の人にも、時間のお知らせに使われているラジオ枠が色々やってた。今はスポーツ枠のバスケットボールが、視聴者数を集めている。

カイナはあまり熱中しすぎて睡眠不足だと、ダイブが延期になる時があるので注意している。休み時間がただでさえ多いのはもどかしいけど。必要だと割り切っていた。

ちょっと過集中気味。ダウンする時間になるより先の休む方を選びたい。グループで動くのだし、あの世界がお預けになるのは残念すぎる。

微妙に続いている運動の成果は、なかなか上がるものでもない。メンタル面は、前向きになっている感触はあった。しばらくは、この好調子で続けたいものだ。

白い空間だけではわからない部分もあるし、スタンに素材提供の負担をかけている。

(お礼を返せるだろうか?)

その事も頭によぎりつつ、メモに残した。そのままペンを動かす、彼に似合う格好。
「モデルがステキだと、創作意欲が増すわ。」

黙々と続ける。

場所による装備を分ける。職業だと細分化しすぎているため、その方向で進む。色や感触は個人的に微調整できるとして、大元の素材ベースを構築。

「視覚的に運用できる分担は私、キャラクターデザインの部分。」
それを技術屋がカスタマイズできるよう変換させる。研究者が数値データ化しての運用段階に入る。

それまでに完成させたい。

「あとは趣味。」

デザイン画にペンを滑らせた。とにかく楽しい。
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