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整理と準備

12-②

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なんとなくで決めた映画、映画館にはスムーズに入れた。
カップルに学生さんが座っているのが見える。飲み物だけ買って入ったので食べ物を見てしまう。


ポップコーン、アメリカドッグ。照明が暗くなって見えなくなった。
お腹は空いていない筈だけど、なぜ美味しそうに見えるのか。

ランチは場所を決めてあるので、食事はしない。そう再確認してジュースを飲んで誤魔化した。

本編は、ヨーロッパが舞台のファンタジー大作。

協力して悪を撃つ、定番なストーリー。衣装を見ながら戦いの勢いよりマントの靡きが気になる、
(使用感としてはどうなのか?)

邪魔か、防御力と見栄えが重視で凝ったデザインをとるか。そんな事を考えて観ていた。
感想は、なかなかだった。

少し昼時より早い時間にカフェに入る。パスタセット、ケーキ付き。
「お腹いっぱい」

腹ごなしに、街を歩く。有名ブランドの秋冬モード。普段なら歩き回るこの季節と買い物の誘惑に、あまりときめかない。

(なんか楽しくないな。)

本屋に寄ってみた。服飾からファンタジーアニメとファンタジー世界設定の本を順次、手に取る。
マントのイラストが気になったので購入してしまった。


「早めに帰ろう。」

送迎のタクシーは同じ運転手さん。お土産分の大量なドーナツを買い込んで、早々に帰った。
両手で箱に入ったドーナツを運搬する。

タクシー運転手さんから、玄関にいたコンサルタントの人に協力してもらって食堂にたどり着いた。


「あれ、早かったすね」

食堂でとる若手さんとばったり。夕食に早い時間か。

「仕事は終わったので、またよっろしくっす」

会話していると後ろで会話が繰り広げられていた。

「また溜めるんだろアイツ」
「夢中になると他が手につかないもんなー」

「まあ、ここではありがちだけど」


「技術屋の方よりはマシじゃないか?」

「あっちはあっちで混沌だからな。」

「ブラック待ったなし」

我慢できず、若手さんが言い返した。
「休暇も機械いじりと一緒にしないで下さ~い!」


研究者も休みに論文を読んでいるのは同じじゃ?と思ったらカイナは黙っていた。

沈黙は金なりって素敵な言葉。

盛り上がる研究者達に、言わぬが花の方かな?

悪口の盛大なブーメランな内容を聞きながら、軽く食べる。ドーナツの匂いを嗅いでいたらお腹すいた。

夜食はドーナツを食べたいカロリーとの葛藤に折り合いをつけた。

お好きにどうぞとおいてあり、土産を買って来たと連絡を入れておいたのでカイナに声をかけて持っていっていた人が何人か。配分については知らないが、まあ上手くやるだろう。

食べ物の恨みは怖いので気をつけて。
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