【完結済み】番(つがい)と言われましたが、冒険者として精進してます。

BBやっこ

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V 舗装された道

襲撃

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何事もなく馬を交換でき、再び走り抜ける。
あまりにもスムーズだったので、その事を聞けば

「騎士が馬を乗り継ぐための場所なので、手慣れている。」そうだ。
ギムナスが教えてくれた。

「ヒヒーン」となごり惜しむように馬のいななきがあった。
先程と同じ品種の馬は、同じく風魔法をかけられ元気に走っている。
このスピードにハマりそうだ。

馴れた風だが、相変わらず、ロードの膝上で上下に揺られていたセリだった。

途中、襲撃を受けるかもしれないと警戒していたポイントも
難なく通り抜けて…

広い視界を遮るものがない広野が見える。
高台からの待ち伏せに注意を払いながら、道を急ぐ。


そして、


その先には
城壁が遠く、小さくそびえ立っているのが見えた。
近寄ればどれ程の高さだろうか?


辺りは
暗闇が近づき、松明を灯す頃合いだ。

目指すのは右の城門。
左には、通常の門があり、テントを張る集まりがあった。
以前見た、商業都市より規模が大きい。

少し止まって、周辺の警戒をする。
ここから丸見えで
突っ走ることになる

ゴールが見えるも、ここからは遮るものがない。
見回し武装した集団は、門に並ぶところに見えるだけ。

…無関係の冒険者なら良いが。

2台両方の馬の呼吸を整え、
____一気に走り出した。


もう少しで道が途切れ、抜けるところで
ヒュン、ヒュン!<風を切る音>

崖上の樹に隠れて、火矢を射られた。

前方はロードが氷魔法で弾き、
後方はシュルトの風魔法で矢が失速した。

ギリリっと弓を弾く、低い音を聴き取った。

バシュッ!!と後方の馬車から放たれた音は
崖上の樹へ。少し距離ができ射角を得た時を狙って

雷を付与した矢が当たる

「ぎゃ!」と着弾した辺りで聞こえた気がした。

2台の馬車は無傷で広い地平に到達した。
ここから馬車を並列で走らせる。この形のまま門を潜る

御者が、声を上げて馬を急き立てる。

前方の騎士は味方だ。後方の警戒
迎え撃つ構えになった。


ピュアアア!!炎を纏った鳥が鳴く
何かの合図と思われた。

そこには。
左の方に行列のできている門

その行列から男たちが躍り出る。
敵が紛れていた

横から
前に回られれば止まるしかない。

それを遮るように、特大の氷魔法が一面に広がる
馬で寄ってくるのを防ぐ狙いだが

止める事はできない。

それも織り込み済みだった。


襲撃者の方は油断した。
こんな氷くらいで馬の脚を捕られる事はない

そこに一石投じられて
事態は一変した。


バリバリバリバリッ!!!

雷の魔石だった。
氷の上を通り広がり、触れたものに雷撃が伝わる。


「あれ、効果ちゃんと切れるかな?」と人ごとにように
セリが疑問を持った。
製作者はセリとキースも参加した。この事態の一端を担っているが

特に思うところはない。

「踏んだやつは災難だな」とカナンが自業自得と思った。

盗賊行為に準じる。

「まあ、避けないのが悪いのよ」責任転嫁も追加された。

少し遅れてきた追手が十数人来る。

「もう一回氷をぶつけてやろうか?」と構えるも、
上から炎の鳥が“ファイアーアロー”を放ってくる。

テイムされているのか、
この馬車の目印も兼ねて追ってくるのだろう。


「ボクの出番だね?」と嬉しそうに後ろに付く。

セリに目配せして微風の風魔法に水玉≪アクアボール≫を
どんどん、どんどん流していく

遠く東門で待つ人々には、
シャボンのようで、とくに子供達を喜ばせた。


追手は、前に増えていく水玉に
上空の鳥は軽く避けるに止まり、後方からの敵は警戒する
先ほどの雷を食らってはたまらない。

しかし、同じ手は使われなかった。
「じゃあ、ね~~?」

キースが広範囲炎の魔法を使う。
それの標的は、人でも鳥でもなく水玉。


全ての水玉に干渉した炎は
じゅしゅううううう!と音を立てて

周りを水蒸気で包む
“霧の発生”

呑みこまれたと錯覚させるほどの広範囲に、合成魔法が決まった。

「成功!」と嬉しそうに言うキースは、
セリとハイタッチした。
すかさずロードに抱き込みられ撫でられるセリ。


敵の視界を奪い去り

2台の馬車は


堂々、門に駆け入った。


王都に到着したのだった。
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