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メイド?
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優秀なメイドは主人の意を汲んで先んじる準備をする。
私はまだその域に達せません。
「報告をまとめよう」
文官のドミニク様と打ち合わせです。
「侯爵家の2人はもう裁定は下った。他は…」
女しか入れない場所、逆に男でないと不自然な場所を補い合う。
他にも人員がいるが、観察する相手は決まっています。
「女性不信になりそうだ」
私も同意見で苦笑いを返してしまいます。
“王妃になれるかもしれない”と浮き足立つ気持ちに、
タガが外れているのでしょうが。
ここへ集められている理由を
王妃教育の代わりでは?
自分が最高の女性に選ばれる!
王妃と決まったように、振る舞う方々には辟易します。
ですが、その噂話から、裏での活動まで全て把握され上へと報告されてますよ。
全てはお妃様を選ぶ、ため。
王太子様がお相手を決めれば落ち着くかもしれない。けど、
国の状況は平和そのもの。
お妃様選びで国内で争い、不和を残すのは避けたい。
婚約者候補を見定める、バランスをとる目的で王城に年頃の令嬢たちを集めた。
授業と、社交の機会にその人となりを判断されている。
主だった事件や様子を報告するのが、一部の文官とメイドが協力している報告。
「次はこの御令嬢達だ。」
書類を渡され、その指示書のサインは見慣れたもの。
それに時間の経過とセンチメンタルになる気持ちも起こったけど。
「承りました。」
仕事を全うしようと思う。
そして今日から、庭でのお茶会の準備を手伝っています。
御令嬢が一堂に会する場で、何かが起こらない訳ない。
緊張と忙しさの一週間が経ち、たまのいざこざを挟みながら
お茶会の日です。
王太子の従姉妹にあたる公爵令嬢ミカエラ様主催。
メイド長も傍で控えてらっしゃる
王妃になるには、このお2人に気に入られるのが第一歩とか。
流した噂ですが、一部本当のこと。
始まったもののトラブルが。
「そのドレス、格が合っていないのではない?」
軽い牽制は良くあること。
「まあっ!その色の小物を勝手に身につけて?」
「王太子様を蔑ろにしているのではなくて!?」
有力候補とされるご令嬢への当たりの強さ。
戦いの場になっています。
そこへ先触れが。
王太子殿下フィンステッド様と、騎士のレイモンド様
文官のドミニク様も。
(直接見に来られたんですね。)
ご令嬢が1人、
泣いて退場するのは、計画でしょうか?
私が、後を追いかけましょう。吊し上げられた訳ですし。
慮りながら追いつくと。
手には薔薇が。
(王家薔薇を?!国の威信を傷つけるなんて!)
衝撃を受けながらもお声がけする前に
ぶちっぶちっと庭園で奇怪な音が…
「下剤でも飲んでもらいましょうか?」
何言ってるの?大人しいだけじゃないらしく、そのお姿は
不穏です!
同情って返してもらう事、できませんか?
薔薇をバラバラにして踏み躙ってらっしゃる姿は、可哀想は霧散します。
「そこのメイド!片付けておきなさい。」
さも知らぬ顔で去っていきました。
私は
他の方に庭の惨状を見せないよう
薔薇園を散らかした証拠を隠滅し、報告へ。
どこの誰が見聞きするかもわからない場所で。(見咎められなければ良い話でもないですが。)
身分が高くても性格の良さとは違うのですね。
「伯爵家の令嬢か。おとなしいだけじゃ王妃にはなれないが
陰湿で庭を荒らすという行動も、な。」
王太子様に直接のご報告をし、
そろそろ、報告がまとまり王妃候補のご令嬢が決まる時期ですね。
日も暮れ、ご令嬢達のやらかしを多分に聞いた私は
空恐ろしい気持ちで、自室に帰ると。
「届け物?」
受け取り、見ると
懐かしい便箋に、署名はないものの見慣れた筆跡。
開封した中身は
「私の好きな紅茶」
高価なのでここのところ、飲んではいませんでしたが。
お湯をもらって自室に。
ささっと自分のために紅茶を淹れた。
いい香り。
砂糖もお菓子もなくても
貴方がいなくても。
ぼんやりと月を眺めて、夜が更けていきました。
私はまだその域に達せません。
「報告をまとめよう」
文官のドミニク様と打ち合わせです。
「侯爵家の2人はもう裁定は下った。他は…」
女しか入れない場所、逆に男でないと不自然な場所を補い合う。
他にも人員がいるが、観察する相手は決まっています。
「女性不信になりそうだ」
私も同意見で苦笑いを返してしまいます。
“王妃になれるかもしれない”と浮き足立つ気持ちに、
タガが外れているのでしょうが。
ここへ集められている理由を
王妃教育の代わりでは?
自分が最高の女性に選ばれる!
王妃と決まったように、振る舞う方々には辟易します。
ですが、その噂話から、裏での活動まで全て把握され上へと報告されてますよ。
全てはお妃様を選ぶ、ため。
王太子様がお相手を決めれば落ち着くかもしれない。けど、
国の状況は平和そのもの。
お妃様選びで国内で争い、不和を残すのは避けたい。
婚約者候補を見定める、バランスをとる目的で王城に年頃の令嬢たちを集めた。
授業と、社交の機会にその人となりを判断されている。
主だった事件や様子を報告するのが、一部の文官とメイドが協力している報告。
「次はこの御令嬢達だ。」
書類を渡され、その指示書のサインは見慣れたもの。
それに時間の経過とセンチメンタルになる気持ちも起こったけど。
「承りました。」
仕事を全うしようと思う。
そして今日から、庭でのお茶会の準備を手伝っています。
御令嬢が一堂に会する場で、何かが起こらない訳ない。
緊張と忙しさの一週間が経ち、たまのいざこざを挟みながら
お茶会の日です。
王太子の従姉妹にあたる公爵令嬢ミカエラ様主催。
メイド長も傍で控えてらっしゃる
王妃になるには、このお2人に気に入られるのが第一歩とか。
流した噂ですが、一部本当のこと。
始まったもののトラブルが。
「そのドレス、格が合っていないのではない?」
軽い牽制は良くあること。
「まあっ!その色の小物を勝手に身につけて?」
「王太子様を蔑ろにしているのではなくて!?」
有力候補とされるご令嬢への当たりの強さ。
戦いの場になっています。
そこへ先触れが。
王太子殿下フィンステッド様と、騎士のレイモンド様
文官のドミニク様も。
(直接見に来られたんですね。)
ご令嬢が1人、
泣いて退場するのは、計画でしょうか?
私が、後を追いかけましょう。吊し上げられた訳ですし。
慮りながら追いつくと。
手には薔薇が。
(王家薔薇を?!国の威信を傷つけるなんて!)
衝撃を受けながらもお声がけする前に
ぶちっぶちっと庭園で奇怪な音が…
「下剤でも飲んでもらいましょうか?」
何言ってるの?大人しいだけじゃないらしく、そのお姿は
不穏です!
同情って返してもらう事、できませんか?
薔薇をバラバラにして踏み躙ってらっしゃる姿は、可哀想は霧散します。
「そこのメイド!片付けておきなさい。」
さも知らぬ顔で去っていきました。
私は
他の方に庭の惨状を見せないよう
薔薇園を散らかした証拠を隠滅し、報告へ。
どこの誰が見聞きするかもわからない場所で。(見咎められなければ良い話でもないですが。)
身分が高くても性格の良さとは違うのですね。
「伯爵家の令嬢か。おとなしいだけじゃ王妃にはなれないが
陰湿で庭を荒らすという行動も、な。」
王太子様に直接のご報告をし、
そろそろ、報告がまとまり王妃候補のご令嬢が決まる時期ですね。
日も暮れ、ご令嬢達のやらかしを多分に聞いた私は
空恐ろしい気持ちで、自室に帰ると。
「届け物?」
受け取り、見ると
懐かしい便箋に、署名はないものの見慣れた筆跡。
開封した中身は
「私の好きな紅茶」
高価なのでここのところ、飲んではいませんでしたが。
お湯をもらって自室に。
ささっと自分のために紅茶を淹れた。
いい香り。
砂糖もお菓子もなくても
貴方がいなくても。
ぼんやりと月を眺めて、夜が更けていきました。
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