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おまけ

ブレーメン家

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婚約は、学生のうちにと言う家もあるが、
社交会で見つける事も多い。
同級生のランドンは、もうそのつもりらしい。

「忙しいのに、時間をかけてられるか!」とのこと。
怒りっぽいこのランドンもちゃんと結婚する気はあるらしい。

「どんな娘が好み?」

「金の計算ができるタイプだな。それなら自分がどれだけ使えるか、わかるだろう?」
浪費家はお断りらしい。
なんか仕事相手を探しているようで、参考にならない。

お前セリムは、馬の世話ができて犬を可愛がり、猫が平気で鶏の卵を取れる女だったか?」
「うん。」

だって、僕の領地には馬がたくさんいるし、牧羊犬もいる。
猫を飼っているし、鶏の産む卵は毎朝の朝食用だ。

それに慣れてくれるお嫁さんを探さなきゃ。

ほとんどを領地で過ごし、王都にくる年があるけど
馬と関係が深い。動物たちと仲良くして欲しい。

サラブレッドを育て、王に献上とかあるからね。

そんなだからドレスも最低限しか買わえないと思う。
普段の暮らしは質素だから、都会のお嬢様では耐えられない環境だ。

「お嫁さんとのんびり、馬を育てながら暮らすんだ。」

「ふん、どんな令嬢がそんな暮らしをできるんだろうな?」


そうだ。どう探せば良いものか。馬は好きですか?って聞いてもねー。
忙しくて僕も社交界で探すのかなあ。母が見つけてきそうな気もする。

「これを提出してこい」手を止めてなかったランドン資料を受け取る。

「わかった。ちゃんと休憩しなよ?」
「問題ない」

これだから、仕事人間は。
「馬車馬の如く働くって、体力や体調をみないと倒れるんだからね?
馬は倒れたら、命の危機だよ!ひ弱な人だってそう思わない?」

「わかった!わかったから行ってこい。」
こう言ってやれる相手と結婚できるといいね。


爵位が上の女の子だといるかな?夫に従うっ教育されてそう?

ランドンは別に爵位は気にせずいいのかな?
戦友のような間柄が理想らしい。


理想ならしょうがない。僕の心には


グレイテス・タンブラーがいた。


ランドンに相談した結果、グレイテスの友人
リンリー嬢にも協力を願った。


それから数年後…

実家の厩の近くで、王都からの手紙を受け取った。
送り主は、友人の連名だ。

リンリー嬢とランドンは、馬があったようで、お付き合いをはじめた。
そして、手紙での結婚報告が届くことになる。


ランドンが結婚できて嬉しい。作業をひと休みして開いた手紙を渡した
僕の奥さんも喜んだ。

「リンリー!おめでとう!!」

その嬉し涙をペロリと舐める

「きゃあ!」
彼女は可愛い。つい馬たちが意地悪してしまいたくなるのがわかる。

グレイテス・ブレーメン


「もう!うちの旦那様はいつも私を揶揄うんですよ?!ねえ?」

「ヒヒーン!」とうちの馬たちが鳴いて同意する。

髪をはまれているけど…


「駄目だよ、僕のお嫁さんだからね?」

こうして、領地で幸せに暮らしましたとさ



めでたし愛でたし
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