【完結】人形騎士への嫁入りが決まりました。<短編>

BBやっこ

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客人の一日

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レシピ通りのジュースを試飲してもらったが、味が少し違うと確認が取れた。
料理長も心当たりがない、入っていないものがある?

「この綺麗な、綺麗すぎる紫色に何が入っているの?」

ここにいる人間にその答えを持っている者はいなかった。

「サイアス様に聞いてみるわ」

疑問符いっぱいの料理長に、別れを告げ庭へ向かった。
朝、騎士団へ出向するのを見送ったところだ。

会ってお話しできるのは、夕食の時。
それまで、のんびり過ぎさせてもらおう。

客人といえども、外出の予定もない令嬢のする事といえば

「刺繍かしら?」
「では、塗り薬を用意しますね。」

後ろからついてくるケイトリンが当然のように答えた。

「以前のように針で怪我はしないわよ。」
「ええ。たまーにしますけどね。」

刺繍を汚さないんだから、問題ないと思うのよね。
一回くらい刺したって、愛嬌だと思う私は変かしら?


日傘をさしてお庭を散歩する。
食べれる野菜、実になっているものを見ながら

紫色ばかりを追っていた。



そして夕暮れに帰宅されたサイアス様をお迎えする。

「なにか不自由ないか?」

「いいえ、お庭を散歩した後、部屋で本を読んで過ごしましたわ。」

令嬢としては、特に問題のない過ぎし方だった。

「少し話そう」

応接間で、お茶を飲見ながら話ことに。


「婚約については、お父上がいた方が話が進むと思う。
貴女はこの婚約に思おうところはあるか?」


美麗な顔に、少年を思わせる以外は
この方の隣にいる時の装いが思いつかないことかしら?

「貴族令嬢として、結婚はしたいと思っています。」

私とっては、良い縁談で実直そうなお相手は嬉しい。
話がひと段落したところで、気になっていたことを聞く


「あの、紫のジュースのことなんですが」

味が違うので何か隠し味に入れているのか聞いてみるが…



「美が望みか!!」

怒らせてしまった。

「貴女も女性だ、だがアレについては教えない!!」



それが突然で、あまりにも


おかしいとおもうのは私だけでしょうか?


「申し訳ありません。当主は気が立っていて」
執事のチェバスのフォローに


「気が立っていた」と繰り返し、「そう思われますか?」


気に触ったというか、一瞬で沸騰したかのような反応に
驚きと戸惑いが


(抑えが効かない?)

ワードに反応したかのようで、平常じゃない感じがする。

チェバスは慣れているのだろう。私はおかしいと思うけど。

夕食はご一緒したけど、特に話題はなく。
さっきの怒りがなかったかのように食事を召し上がっていた。

その後、静かな夕食をいただいてその日は部屋に戻った。

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