【完結】人形騎士への嫁入りが決まりました。<短編>

BBやっこ

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美の盲信

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情報収集ができた。

「美の秘薬」は商人に噂しか流れていない。
眉唾ものと信じている商人が多い中、

「取り扱ってみたい」という声が聞かれた。

それは飲んだものに“永遠の美を与える”


貴族は美にとりわけ執着する傾向にあるけど。


「異常だわ」
貴族が関わった事件を調べると、本物かわからないけど
美の秘薬の存在があった。

叫び死を迎えた者もいて、
その薬が手に入らないとわかって死を選んだ人もいた。

狂気が怖い。


『直接の対峙は危険』との報告にあった助言に、頷く。

ならば打てる手段がは…
「追い詰めるのが良いか。」

狙いの貴族の

お抱えの商人、お住まいの庭の調査
「別邸の方もね?」

遠いけど、父の商売のツテでなんとかしてもらおう。
見返りは、美の秘薬の秘密を暴くこと。


一部の貴族には恨まれそうだけど、
犯罪を取り締まるのは重要な事よね?


金勘定の思考もあるけど、何より
目の前に被害に遭っている方がいる。

その人は、そうとは気づかずに

今日も知らずに『美の秘薬』を飲んでいる。



「サイアス様とお話ししないと。」

お時間を頂くようメイドに仕事を頼む。
「執事に伝え、味方になってもらうのがよろしいかと。」

ケイトリンの助言に一考する。
騎士であるサイアス様の感情を揺さぶるのだ。
あの飲み物のせいで、自制が少し緩んでいるように向けられた。

執事を先に抑えた、姑息な女に見えるんだろうな。

「嫌われちゃうかな。」

そうであっても、伝えないといけない。


目の前のサイアス様をじっくり見る。
私より若く

年齢にはそぐわない


騎士様方に比べると筋肉がつきづらく
身長・体重とも育たない。


「あの紫のジュースをレシピ通りに作ったものの味を改良しいてみましたの。」


「うまいな。」

「そうですか?いつもより味の甘味が少ないかと」

「そうかもしれん。」

「味が、わかっていますか?」


「そちら、かなりの塩が入っております」
執事にチェバスの協力のもと、結構な量を入れてある。


「なんのつもりだ?」


「お飲みになっている薬のことをお聞きしたいのです」


「健康のために複数、薬を飲んでいるが」

「紫色は?」


「貴女は、アレが」


「女性たちの間で噂になっているものと同一かは分かりません。
そう言った噂というものは尽きない世界ですから。」

男性の社交で聞くことはなかっただろう。騎士の仕事をされている
サイアス様に告げ口するような形になるから。


「取り締まりでは危険な薬としてしか、ご存知ありませんでしたか?」

ゆっくり瞬く瞳は、懸命になんの事か飲み込もうとしている。
やけは起こしていない。

「成長を遅くする、筋肉を育ちにくくする作用があるとか。

薬師ギルドでの調査報告書です。
お調べになり、治療を受けるべきかと。」


「そんな」

高い声は愕然としいていて、
懐から出された白い薬包紙は、中の紫色が透けているものだった。










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