【完結】人形騎士への嫁入りが決まりました。<短編>

BBやっこ

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「危ない事を?」

「いいや、スリリングだよ。女性との付き合いは薔薇の棘を扱うが如くだね」


こう言う人だ。よく、文官なんてやってられる。

お付きの人が優秀なおかげかな。
私も手伝ってもらっているか。


「どうするね?
婚約に漕ぎ着けたら面白いってくらいだよ。騎士なら事件に合うが」

「まあ!」
事件を招いて自分も楽しみたいという意味だ。
これまで危ないものに手を出したりはしていない。

まだ、と付け加えるほどにはギリギリを攻めている。
情報収集の趣味から始まった。


人と繋がり、小遣いを出して
趣味の域を超えてきたのは、その情報で儲けを出しているからか。

確実にリスクはおっているとおもうのだけど。

じゃなきゃ、母と離縁して独身者を装っていないと思うの。
実は書類上は結婚したままよ?と言われても信じるわ。

そろそろ、母が顔を出す時期だもの。
ドレスの相談をして、お願いしていた物もできているかな?


思考に耽っていたら、大きなため息がひとつ
「子爵を引退したいよ。」

野放しにしたら、裏を牛耳る元締めまでいきそうな父だ。
その手綱を握るために、子爵な文官でいて欲しいと思う娘心。

書類仕事は苦じゃないタイプなのよね。
この仕事を継がないといけない従兄弟が可哀想だわ。

早めに父に慣れたほうが良いじゃないかな?

父の外面が良すぎて、フツーだと思っていると苦労するわよ?

私はこの父がフツーだと思ったから、社会の方が生温いんじゃないかと思っているわ。

曲者も多いとかね。


父の挨拶が終われば、久々に使用人に挨拶して
自室に戻った。

今後の予定を立てるために文机の前に座る。

ケイトリンがお茶を淹れて部屋に1人にしてくれた。

手土産のお菓子を用意してくれているだろう。夕食はお願いして出たから。

実家でできる情報収集と、手紙の確認と


「お父上は亡くなっているそうだから、
サイアス様の母親の家から探ることにしよう。」


貴族名鑑を見て、調べて事をする。
美容に良い植物辞典を持って、サイアス様の屋敷に戻って行った。



「帰ってきたのか。」
日が暮れる前に玄関で出会ったサイアス様の言葉に


「お帰りのご挨拶もしていないでしょう?」
勘違いさせたことに気づいて、言葉を添えた。


怒ってはいない。勝手に帰った女にされてしまったんだものね?

シェフに手土産を渡したから、サイアス様をお茶に誘おう。

「今、お時間大丈夫ですか?」


夕暮れの庭も乙なものだ。
その風景に目を奪われるも、夕食があるので、早々に支度金の事を聞く。

「支度金?なんの事だ」


パールのネックレスになってしまったが、
返金に色をつけてという流れが止まってしまった。
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