上 下
4 / 4

現在と未来

しおりを挟む
「彼女が欲しいです」

「「「・・・」」」」←会議で俺が発言した後の反応


「昨日の視聴率です」
インキュが空気を気にせず資料を提示した。

チロリと見れば、いつものすましたご尊顔である。
イケメンには彼女が欲しいなんていう気持ち出ない案件ですかね!?


番組に体張る系統は進んでいるんだよ、足りないのは

“恋愛”

それというのも、聞いてくれよ!
最近きた勇者パーティの勇者と僧侶ちゃんが

それはもう甘酸っぱく、もどかしい関係を繰り広げちゃって
ヤキモキのムフフの、あーもう、告っちゃえよ!

なシーンに魔国中がひとつになったね。

魔王としては、これ新規の平和的暇つぶしになると気づく。
他人の恋愛って見てて面白いか?
と思ったけど(ひがみじゃない筈)、魔国の人と人族って恋愛関係になりにくいんだって。

生活環境、文化での好みの違い、寿命の違いもあって
すごく稀だったり、求婚しに行く種族もいるらしいけど極一部。

全体的に愛玩目線。
俺への対応で確信。猫可愛がりに、心配症。
食事量の心配にストレスチェック。

充実した医療体制だったわ。
俺、元気よ?日本にいた時よりよっぽど、心身ともにね!

とまあ、新たに恋愛番組を開設
この突撃インタビューや覗き見には妖精族がノリノリだった。

これぞ生き甲斐!っていう勢いで。
やりすぎを抑える必要性と、出演者の許可を取らないとなー。

なので魔国の人が見られるまでには、まだかかる。
それまでは、勇者パーティのあれこれのドキュメンタリーを楽しんでくれ。

魔王城は一回目は簡単に進めるが
だいたい油断で、穴に落ちる→出口までご案内。

紹介と情報ゲットのためだなキャラがわかる仕組み。
で、

女性のプロフィール作成はメイドさんに作ってもらう。
俺が知るのは、レディに失礼らしい。

「知りたいなら自分で聞け」ってさ
(聞けたら苦労しないよなあ)

追加の資料が上がってきた

動画を盛り上げる番組編成に入れ
対戦や攻略、知略を試したり

いろんな種族が暇つぶしに全力で生き生きしていた。



そんな会議の内容を全部思い出すくらい俺は
気を飛ばしていた

理由は
女勇者パーティが門の前で休憩して動かないからだ

[ロード中]
みたいに暇だった
回線が合わないときとか、こうだよな。

これもお仕事ですよー。クリエイティブにはお茶の時間も大事。
ぼんやり
(あの子可愛いなあ)って見てます。

珍しい女勇者ちゃん。
門前で最後の休憩とばかりに女だらけのパーティがいる。

その会話、拾えます。
地球のインターフォンくらいココ魔国にもあるんだよ?

「男どもじゃ頼りにならない」
「お兄様達の代わりに…」

「そうよ、私が勇者よ!」

気合を入れあっている。
その勇姿に応援したくなっちゃう可愛さ

「あー。彼女になってくれないかなあ」


「お付き合いを申し込めば良いじゃありませんか。」

!?
お茶のおかわりを淹れてくれるインキュである。
そのとき、タイトルコールが頭の中で響いた。

『調子乗ってる魔王、あの女勇者を落として見せる!』

新しい企画?
イヤイヤ!え、俺が出演しちゃうの?

「それってアリ!??」


テレビっていうより小説にあるんじゃないか?
あ、本も広めてみよう。輸入して日本の経済を回せるかも。


今日の勇者パーティ

なんていう速報も受け取れる。
魔国エンタメの発展だ。


そして俺は魔王として力を奮った。
彼女の心を掴むために!


適材適所ってこんなにスムーズに物事進むんだな。
俺の企画もの好きも
知らないものも多くて毎日新鮮さを持って動画が上げられる。

人気ユウバーになっちゃったりして?


“可愛い子とお近づきになる”が俺の望みだたのかも。
しかし、
ずっと動画を撮って編集して飯食っての生活では
出会いがない。
パーティで可愛い子がいるじゃんって?
勇者に喰われてる子はお断りで。

くっころは浪漫だろうか。


俺の好みかあ。
一生懸命で応援したくなる活発な子、髪は短い方が好み
この世界って髪が長いがステイタス?

あの女勇者は、ショートカットの髪が揺れる子。

そんな浮足だった俺
お仕事して待ってた。あの子がここまで来てくれた。


いよいよ、俺登場。


「ふはっはっは!

よく来たな勇者よ」







その後…
俺の人生を半分やろう
君の人生をくれないか?

と放映されたとか。

後々、
号外が出された


魔王結婚



END
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...