【完結済み】魔王はせこい技しかありません

② 魔界の事情

魔界アンダロスの人たちは、筋肉成分が多めだが良いところだ。
体質的に肉体の強靭さと筋肉のつきやすいさがあるらしく

スレンダーなメイドさんにさえ、俺は勝てない。
魔族と言われる厳つい見た目は、覇者としてこの魔界を整備している。

魔獣が暴れたり、多くなりすぎないようにと周辺の危険地帯を管理し
植物や土地にも魔族と呼ばれる人たちが協力して守っている。

地殻変動や災害となることもあるが、
そんな過酷な地でも備えがあって、力を合わせれば住めば都だそうだ。

確かに案内された部屋も食事も地球の日本の平均的
より上だと思う。

しかし、娯楽が極端に少ない！
働き終わったら暇らしいが、娯楽の類がないというより

色々創意工夫したが限界で、
暇しているのが魔国民の現状だった。

ワイルドなこの国の人にとっては、戦いは良い暇潰し。
俺にとっては過激そのものに見える。

R15ものだが最近のゲームなこれくらいの出血はサービスか？
回復ポーションがあるし、死んだら死んだで死者としての復活がある。

過去、
暇で刺激を求めた以前の魔王は、人が来るのをそのままに
力ある人間を相手に、暇を潰していたらしい。

そんなり理由で潰される人たちが可哀想だと思ったが、
当時は戦略戦争目的で攻めてきていたらしい。

1000年前て…。

「飽きた、いえ暴力を改め魔国を結界内に閉じたのですが

暇を持て余した魔国のものが出て行って人と交流することもあったようです。」

と締め括ったのがインキュが話してくれた魔国のざっくりな歴史？だった。


しかし、“暇で”としか記憶に残らない説明だった。


“暇がありすぎる”
という俺の感想だったが、魔国の人って確かに強いのなんのってという瞬間を見れた。
音がボコっじゃなく、ドガンっと軽く出ると言ったら伝わるだろうか？


魔国の最大の敵は、“暇な時間”らしい。

そして
勇者が攻めてくるのは、とても楽しい
遊びだったらしい。

相手をするのもよし、見守るのも良し
持ち回りで魔王を選び、魔国最大のイベントだったと。

人間側が知ったら…。
俺が考えることじゃないな


俺がアクセス権を得たセキュリティを作ったのは、過去の
迷い人と話が伝わっている。まあ英語圏の人だな。
昔やったレトロゲームと同じ仕様だ。

ゲーマーさん(迷い人の仮名にした)
勇者との戦いを、殺生なしのリトライがオッケーの
ゲームにしたらしい。

魔国側は違う楽しみを長く得られる
人側には財宝をお持ち帰り特典。

こうして勇者が日参する魔王城ができていたが

魔王が帰って了い、俺がくるまでは

魔王を見て帰ってもらっている、と。
観光名所扱い？

勇者たちは刃物持って襲ってくるけど、痛くないらしい。丈夫だね
『人って柔だし。頑張ってるし、叫び出すから面白い』

動物の動画ってそういうハプニングあるよね
弱いと庇護欲そそるよね


なんか平和なような血気盛んなお国柄らしい魔国。

平和な？生活水準も高く
俺には理想の職場環境だ


いや、少々手厚すぎる
ひ弱だと思われているし、年齢も若く見られてた。

どっちにしろ若いか。


60歳で若造ってインキュ。イケメンで60歳若造は衝撃。

色々城内の裏方も見せてもらって
定番の

『鑑定道具』発見！使ってみると

『さえない動画アップして過ごす者』
なんかすごく説明口調の鑑定だな。


そんな観光？職場案内をして魔王のお仕事を本格化させた。

企画は日本のテレビ番組を思い出しながら
視聴者から挑戦者も入れて

毎日充実して仕事している。
勇者パーティはハーレムパーティがデフォなのか？ってくらいきたり、
たまに
筋肉男たちのガチで魔王倒しにきたっていう気概を持って挑戦しに来る。


そしてそんな人たちを見ている俺が思うのは…


彼女欲しいなあ


だった。