【完結】「白黒つけるのではなく、抹茶を頂戴いたしましょう。」とお茶を出しました。

BBやっこ

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お茶をどうぞ

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砂糖菓子だけでは物足りないと思っていたところに、饅頭が来た。
これで少しは腹が持つ。

白の外交官が感心し、黒の外交官が思っていた事を言った。

「優しい甘さだな。」
「もうちっとあっても良いな。」

静かな間を切り裂くように、低くなった声になる。

「黒の国の判断は性急だ。」
「白の国は甘過ぎる。」


それぞれの国の思惑、時期の見極め方。
即急であるか?まだ待つべきか。

森の侵略は分からないことが多い。
しかし放置も危険だ。

「白の国でも若者は、奥まで行くべしというものもいる。」
「良いじゃないか、若さよ。その原動力で国を守れる。」

「若さは無謀でもある。甘い考えは身を滅ぼす。」

慎重さで若者の無謀を止めるのは、理解できるのだが。
すっと訪いが告げられる。

流れるような静かな作法を前に
2人の背筋も伸びている。

静謐、無音ではない動作に目を向けていれば

茶碗で熱いお茶を出された。
「一服、どうぞ」

一服に毒という言葉を思い出し少し止まった黒の外交官。
薬草茶、の苦味えぐみを思い出し少し躊躇した白の外交官。

しかし、感激の茶を断る無礼はしない。グッと口をつけた。
甘さの残っていた口の中が、苦味が通ることですっきりさせる。

「旨い。」
「結構な、お点前で。」


苦味だけでは奥行きは出ない。
甘味が留まることで、旨さが生まれた。


そしてお茶室を座す。
その後の話し合いは、また違った案が出され


和みの国で結ばれた約束は、双方の平穏を思う一歩であった。

脅威に立ち向かい、民を守る。
その共通の思いを確かめ合う事ができたのだった。
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