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1-3 未明の訪い
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夕食を老夫婦と共にして、早々に部屋に帰ろうかと男は考えていた。
「これから、夜遊びにでも行くのかい?」
「ここにそんなところはありませんでしょう。それか何処か見つけました?」
老夫婦の会話も遠慮なくなってきて気さくな2人のやり取りをやり過ごしながら、食後の片付けを終えら。
片付けを手伝って早々に部屋に戻った。
寝るには早すぎる。
小さな棚の上に置いたランプに明かりを灯し、まだ魔石が消えていない事も確認した。
使っている火の魔石は、依頼を受けた時には大体手持ちがある状態にしておく。小粒ながら品質はまあまあ良いものなので、まだ保ってくれるだろう。
温かな光で、本を読むには十分に明るい。
手元に書付けを手繰り寄せ、考え事をしながら眺める。
主に、<ここからどこに行くか?>だ。
ここでの冒険者の依頼は森に入るか、手伝い依頼がせいぜい。まだ懐は温かいが、移動するならどこにするか決めておいて良いだろう。
「商会の護衛として移動が楽だ。」
独り言を呟きながら、どうしたものかと考えを巡らす。
移動するには、馬車か馬。
「相棒が居ない時には徒歩だが、森の中を進むには骨が折れるなあ」
不可能では無いが、特にやる気もない。
その程度の認識では危険な場所だが男には違う。
いち冒険者にとって彷徨い歩くなど想像するだけで震えが起きるものだが、男は平然と選択肢に入れていた。力量と協力者を得られれば、恐れ過ぎるものでもない。
そう言い切れる者がどれだけいるか。
森は、魔物の巣窟だ。
隠れて、突撃してく群れで襲い掛かかってくる魔物に怯えて過ごさずにいられるのか?
信じられないがそうは、ならないのだ。男にとって事実だとしても、見かけではわからない。
冒険者ギルドにも、商会のお嬢さんにも止められる。それくらいの関係性は出来たらしい。
「死にたがりにしか見えないな」
ふっと呆れた笑いが漏れると、風がヒュオっと吹いたのだった。
朝が早くなってしまうが、もう寝てしまおう。寝ようと思えばどこにでも寝られる性質だ。
木の上、ウロ、魔物の巣にも邪魔した事がある。
見ている人がいたなら
『敵対しないまでも、警戒されたまま魔物の近くで寝るなんて
豪気な事だ。』と言うだろうし、
『命知らずだろ』と話半分、与太話と判断するかもしれない。
それほど日常にあり得ないことをしていても、男は今、生きている。
その腕前が分かる者は少ない。
誰も自身を知らない、それが良い。
風がランプの火を消した。慌てる事なく、目を瞑る。男は眠りに誘われ、闇に意識を沈めた。
男が起きたのは、異変に気づいたからだ。まずは意識だけを起こす。辺りに注意を向ければ、家の中か外か?
殺気か、いや強襲だ。
枕に隠してあった短刀を鞘から抜かずに構えた。その動作で相手は、男から距離をとる。
「何者か?」
その静かな気迫に、相手はたじろいた。
只者ではない
隠密のスキルを持つ自身に気づき、殺気がない事も気づいているようだ。
声色に緊張もなく、どこにも隙がない。
夜の訪問者は、目的の完遂を諦めた。構えを解き、教官に怒られるかのように背を伸ばす。
安心感さえ感じた。
男が焦り、自信が種明かしをする依頼だったのに。
訪問者は正直に答えるために口元の覆いをとる。
「申し訳ありません!」
最上級の謝る動作と聞く、土下座をした。その声は高く、年若い者だと分かった。
「何のようだい?」
顔を隠して黒づくめだったが、今も顔を伏せてしまって見ていない。碌な要件ではないだろうが男は丁寧に聞いた。対峙した時に相手の気迫が削がれ、戸惑いが滲んだからだ。
暗殺しにきたのなら、この対応は落第点だ。
何か理由があるのは確かで、思ったよりも軽く細い相手に子供だと辺りをつけたので高めの声には驚かない。
相手は、彼女は言った。
「あの、依頼できたんです」
その尻すぼみな声に、演技ではないと一欠片の疑念も払拭する。
プロの暗殺者ではない。思いついた相手からの刺客でもない。
まだ日が上がらないが、彼女を自身の客である事を認めた。
刺客という客でも、話を聞く選択肢を決めた男の言葉は一つ。
「お茶でもいかがかな?」
お茶の誘いだった。
まだご婦人もその夫も起き出すには早い時間だ。
男は、部屋で簡易な湯沸かしをかけ始めた。野営用のものだが、温かい物を飲むのに重宝している魔道具だ。
彼女は所在なさげにしているが、武器は仕舞い込まれて机の上。
“戦意なし”
仕込みの武器があるそうだが、
これが演技なら素晴らしいが、そうではないだどうと思う。
「どうかしたかい?」
窓から帰るのは遠慮して欲しいかな?
来た時は依頼とは言えとめられなかったため、玄関から帰ってもらおうと階下に2人で降りていった。
いつも通り老夫婦は朝の時間をのんびり過ごしていた。
「おはようございます」
穏やかな声を聞く前に、思わぬ声が入った。
「お、お早うございます!」
知らないうちにいたお嬢さんに驚いたらしく、間が少しあった。
「まあまあ、お嬢さん?」
「す、すいません」
「いつのまに連れ込んだんだ、イタッ」
夫君の語尾は、ご婦人に突かれて途切れた。声も密やかなのはやっと未明な頃合いだ。老夫婦の朝は早い。
「いつもこのくらいに起きてらっしゃるから、気にしないで良いよ」
気を遣って男は言ったが、彼女が気にしたのはそこではなかった。
「未明は朝ではないのでは?」
早朝に勝手に入ってくるには無礼さは理解しているのだが、今の時刻を朝というのに抵抗があった。
若者の意見は、ここでは少数だ。皆、朝は早かった。外は日が昇っていないので暗い。
それでも、市場ではもう働いている人もいるし馬車の出入りもありのだが。
老夫婦は働きに出ていた時間でもあり、男は二度寝をすることがある。
大抵、この時間に起きるのは野営の時くらいか。男達は今日の二度寝は諦めて、ギルドの混まない時間まで、彼女の話を聞くことにした。
ーーー
「ほお、変な依頼だねえ。」
夫君も興味津々で、朝の日課をやめたようだ。散歩に市場での会話より面白いと踏んだのだろう。
お嬢さんにお茶でもと、食事も出ている。クリスも改めて彼女メイヤと名乗った夜の来訪者と朝食を共に食している。穏やかに話しているが、夜の男の寝室へ侵入し脅してきた相手だ。
「今日も美味しいです」
和やかな食卓に、警戒心はなかった。
実害はなかった上に、襲撃犯である彼女も反省と戸惑いの色が濃い。今も素直に依頼の事を答えていた。
「私も変だとは思ったんですが、譲られた依頼ですし依頼料がほどほどに良くて断りませんでした。」
『条件は職業がアサシンである事』
<隠密性に優れた、冗談だと明かした時に信用される、闇の仕事は一切していない冒険者…求む>
彼女は依頼料に惹かれたような言い方をしたが、選択肢として受けるしかなかったのだろうと想像できる。
彼女の所属するクランが受けた依頼に、急遽の取り消しはできない。そうなれば代わりの者を出すのが、常で唯一の冒険者ギルドで評判を下げない方法だ。
商会にいた夫君も、クリスもそこを創造した。
言い方は悪いが、下っ端に押し付けてどうなっても良かったのでは?
“下っ端は切り捨てられる”そうする思惑が透けて見えた。
メイヤは分かっているのか、悔しそうだ。その感情ををここでは漏らさない。
依頼料だけではなく、先輩冒険者に押し付けられたのだと。
まあ同情はできるか。
元・商人の夫君の目にもそう見えるらしく、婦人の方は客人扱いで世話をやいている。
彼女の人柄は好感が持てた。確かに彼女は危機的状態だ。男が訴え出れば、冒険者として失格だと扱われる。
「弟妹の養うために稼ぎたいんです」
理由も同情を誘う。正直、調べれば分かる事なのでメイヤがここで嘘を吐くのに利点はない。
「では、冒険者ギルドへ一緒に行こうか。」
そうクリスが声をかけた時も真っ直ぐ見つめ返し、決心した顔だった。
悪いようにはしないと心の中で決めたのは、まだ彼女には話さない。
冒険者ギルド側の対応が分かっていないからだ。
「これから、夜遊びにでも行くのかい?」
「ここにそんなところはありませんでしょう。それか何処か見つけました?」
老夫婦の会話も遠慮なくなってきて気さくな2人のやり取りをやり過ごしながら、食後の片付けを終えら。
片付けを手伝って早々に部屋に戻った。
寝るには早すぎる。
小さな棚の上に置いたランプに明かりを灯し、まだ魔石が消えていない事も確認した。
使っている火の魔石は、依頼を受けた時には大体手持ちがある状態にしておく。小粒ながら品質はまあまあ良いものなので、まだ保ってくれるだろう。
温かな光で、本を読むには十分に明るい。
手元に書付けを手繰り寄せ、考え事をしながら眺める。
主に、<ここからどこに行くか?>だ。
ここでの冒険者の依頼は森に入るか、手伝い依頼がせいぜい。まだ懐は温かいが、移動するならどこにするか決めておいて良いだろう。
「商会の護衛として移動が楽だ。」
独り言を呟きながら、どうしたものかと考えを巡らす。
移動するには、馬車か馬。
「相棒が居ない時には徒歩だが、森の中を進むには骨が折れるなあ」
不可能では無いが、特にやる気もない。
その程度の認識では危険な場所だが男には違う。
いち冒険者にとって彷徨い歩くなど想像するだけで震えが起きるものだが、男は平然と選択肢に入れていた。力量と協力者を得られれば、恐れ過ぎるものでもない。
そう言い切れる者がどれだけいるか。
森は、魔物の巣窟だ。
隠れて、突撃してく群れで襲い掛かかってくる魔物に怯えて過ごさずにいられるのか?
信じられないがそうは、ならないのだ。男にとって事実だとしても、見かけではわからない。
冒険者ギルドにも、商会のお嬢さんにも止められる。それくらいの関係性は出来たらしい。
「死にたがりにしか見えないな」
ふっと呆れた笑いが漏れると、風がヒュオっと吹いたのだった。
朝が早くなってしまうが、もう寝てしまおう。寝ようと思えばどこにでも寝られる性質だ。
木の上、ウロ、魔物の巣にも邪魔した事がある。
見ている人がいたなら
『敵対しないまでも、警戒されたまま魔物の近くで寝るなんて
豪気な事だ。』と言うだろうし、
『命知らずだろ』と話半分、与太話と判断するかもしれない。
それほど日常にあり得ないことをしていても、男は今、生きている。
その腕前が分かる者は少ない。
誰も自身を知らない、それが良い。
風がランプの火を消した。慌てる事なく、目を瞑る。男は眠りに誘われ、闇に意識を沈めた。
男が起きたのは、異変に気づいたからだ。まずは意識だけを起こす。辺りに注意を向ければ、家の中か外か?
殺気か、いや強襲だ。
枕に隠してあった短刀を鞘から抜かずに構えた。その動作で相手は、男から距離をとる。
「何者か?」
その静かな気迫に、相手はたじろいた。
只者ではない
隠密のスキルを持つ自身に気づき、殺気がない事も気づいているようだ。
声色に緊張もなく、どこにも隙がない。
夜の訪問者は、目的の完遂を諦めた。構えを解き、教官に怒られるかのように背を伸ばす。
安心感さえ感じた。
男が焦り、自信が種明かしをする依頼だったのに。
訪問者は正直に答えるために口元の覆いをとる。
「申し訳ありません!」
最上級の謝る動作と聞く、土下座をした。その声は高く、年若い者だと分かった。
「何のようだい?」
顔を隠して黒づくめだったが、今も顔を伏せてしまって見ていない。碌な要件ではないだろうが男は丁寧に聞いた。対峙した時に相手の気迫が削がれ、戸惑いが滲んだからだ。
暗殺しにきたのなら、この対応は落第点だ。
何か理由があるのは確かで、思ったよりも軽く細い相手に子供だと辺りをつけたので高めの声には驚かない。
相手は、彼女は言った。
「あの、依頼できたんです」
その尻すぼみな声に、演技ではないと一欠片の疑念も払拭する。
プロの暗殺者ではない。思いついた相手からの刺客でもない。
まだ日が上がらないが、彼女を自身の客である事を認めた。
刺客という客でも、話を聞く選択肢を決めた男の言葉は一つ。
「お茶でもいかがかな?」
お茶の誘いだった。
まだご婦人もその夫も起き出すには早い時間だ。
男は、部屋で簡易な湯沸かしをかけ始めた。野営用のものだが、温かい物を飲むのに重宝している魔道具だ。
彼女は所在なさげにしているが、武器は仕舞い込まれて机の上。
“戦意なし”
仕込みの武器があるそうだが、
これが演技なら素晴らしいが、そうではないだどうと思う。
「どうかしたかい?」
窓から帰るのは遠慮して欲しいかな?
来た時は依頼とは言えとめられなかったため、玄関から帰ってもらおうと階下に2人で降りていった。
いつも通り老夫婦は朝の時間をのんびり過ごしていた。
「おはようございます」
穏やかな声を聞く前に、思わぬ声が入った。
「お、お早うございます!」
知らないうちにいたお嬢さんに驚いたらしく、間が少しあった。
「まあまあ、お嬢さん?」
「す、すいません」
「いつのまに連れ込んだんだ、イタッ」
夫君の語尾は、ご婦人に突かれて途切れた。声も密やかなのはやっと未明な頃合いだ。老夫婦の朝は早い。
「いつもこのくらいに起きてらっしゃるから、気にしないで良いよ」
気を遣って男は言ったが、彼女が気にしたのはそこではなかった。
「未明は朝ではないのでは?」
早朝に勝手に入ってくるには無礼さは理解しているのだが、今の時刻を朝というのに抵抗があった。
若者の意見は、ここでは少数だ。皆、朝は早かった。外は日が昇っていないので暗い。
それでも、市場ではもう働いている人もいるし馬車の出入りもありのだが。
老夫婦は働きに出ていた時間でもあり、男は二度寝をすることがある。
大抵、この時間に起きるのは野営の時くらいか。男達は今日の二度寝は諦めて、ギルドの混まない時間まで、彼女の話を聞くことにした。
ーーー
「ほお、変な依頼だねえ。」
夫君も興味津々で、朝の日課をやめたようだ。散歩に市場での会話より面白いと踏んだのだろう。
お嬢さんにお茶でもと、食事も出ている。クリスも改めて彼女メイヤと名乗った夜の来訪者と朝食を共に食している。穏やかに話しているが、夜の男の寝室へ侵入し脅してきた相手だ。
「今日も美味しいです」
和やかな食卓に、警戒心はなかった。
実害はなかった上に、襲撃犯である彼女も反省と戸惑いの色が濃い。今も素直に依頼の事を答えていた。
「私も変だとは思ったんですが、譲られた依頼ですし依頼料がほどほどに良くて断りませんでした。」
『条件は職業がアサシンである事』
<隠密性に優れた、冗談だと明かした時に信用される、闇の仕事は一切していない冒険者…求む>
彼女は依頼料に惹かれたような言い方をしたが、選択肢として受けるしかなかったのだろうと想像できる。
彼女の所属するクランが受けた依頼に、急遽の取り消しはできない。そうなれば代わりの者を出すのが、常で唯一の冒険者ギルドで評判を下げない方法だ。
商会にいた夫君も、クリスもそこを創造した。
言い方は悪いが、下っ端に押し付けてどうなっても良かったのでは?
“下っ端は切り捨てられる”そうする思惑が透けて見えた。
メイヤは分かっているのか、悔しそうだ。その感情ををここでは漏らさない。
依頼料だけではなく、先輩冒険者に押し付けられたのだと。
まあ同情はできるか。
元・商人の夫君の目にもそう見えるらしく、婦人の方は客人扱いで世話をやいている。
彼女の人柄は好感が持てた。確かに彼女は危機的状態だ。男が訴え出れば、冒険者として失格だと扱われる。
「弟妹の養うために稼ぎたいんです」
理由も同情を誘う。正直、調べれば分かる事なのでメイヤがここで嘘を吐くのに利点はない。
「では、冒険者ギルドへ一緒に行こうか。」
そうクリスが声をかけた時も真っ直ぐ見つめ返し、決心した顔だった。
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冒険者ギルド側の対応が分かっていないからだ。
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