【長編・完結】この冒険者、何者?〜騎士さまと噂の冒険者は全てを見通す目と耳をお持ちです〜

BBやっこ

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商会の品

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「冒険者が多いな」

固まるように行動しているのは派閥、ではなくクランが同じなのだろう。
中には貴族階級の者もいるかもしれない。

男爵子爵であれば、騎士を目指すか冒険者で名を上げる発想になる。

貴族の教養に剣術などの武力は必要だ。必須ではないし令嬢は剣を持つ者は少ない。
とはいえ、武力の家などは魔力の操作と共に剣にも馴染ませるそうだ。

護身術だと手解きは受けるということもあるらしい。


女性冒険者の露出が多かったり、
目を惹く着物が多かった。街の流行り物なのだろうか。

海に近い街に行ったことあるクリスは、薄着だなと思うだけで視線をすぐに外す。
その直ぐに男女が戯れに喧嘩をしている声が聞こえるが、進むクリスの近くで売り込みの声が増えていく。

色っぽいお姉さんにウインクを貰ったり
屋台でキラキラした甘い物を買って、商会に戻る事にした。

そろそろ案内をしてくれる商人が手が空いただろうか。

「すんません、まだなんですわ。もーちょっと待ってもらっても?」
「ああ構いませんよ」

その間に、商品を見せてもらう事にした。この辺では採取できない木の実に、国外の紅茶とコーヒー。

「それ、苦味が結構あるんで飲み慣れてない人には勧めないやつなんですよ」
「濃いのも飲めるから、

「砂糖は、コーヒー用にザラメ砂糖!貴族のお客さんは白砂糖しか買いませんがね。
そもそも、紅茶しか飲まないって話ですよ~勿体ない!」

ハマる人はコーヒー専門になると力説している。紅茶ばかりで、コーヒー派を求めているらしい。
確かにクリスが土産に頼まれている物は、紅茶関連の品ばかりだったと思っている間も話が続く。

「ちょこのケーキとも合うと思うんですが、この焙煎の香りと色ですかねー。飲めないならしょうがないんですが、悪く言うのは風評被害だと思うんですよお」

そうか、この辺は薬湯や黒豆の汁などの黒色の飲み物は馴染みないのか。

見た目が異様に思える、らしい。
見知らぬものに驚く事はあるが、物は試し。面白いのにと思う。

「そうだなあ、私に周りに広めてみるかな。このコーヒー豆と、飲みやすいものはないかな?」
「ありがとうございますぅ!えーとですね、この味が軽いのをお湯を多めに入れるとうちの母は飲めるんですよ」

なるほど、カザンは濃いめに淹れてくれるがそういう淹れ方もあるのか。

「コーヒーのスイーツなんてのもたまに見かけますが、甘味好きは手を出さず。甘い物が苦手だとケーキに手が出ないらしくて」
「へえ、そんな甘味があるのかい?」

コーヒーを卸している店にあるらしい。

“コーヒーに合うケーキとは?”をその店員と話し合った。
約束の人物に声をかけられるまで白熱し、それを聞いたお客が試しに購入。少し売上が伸びたのだった。
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