【長編・完結】この冒険者、何者?〜騎士さまと噂の冒険者は全てを見通す目と耳をお持ちです〜

BBやっこ

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商会の手伝い

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カザンから街の様子を聞いた後、ほどほどに寝入ったせいか、早起きした。少々、下が騒がしい気がしたからだ。

階下に降りて、朝食を頼む。
商人達が話し合いをしているようだった。話しながら食べるのであろう朝食を持ち運ばれている。


それに気付きながらも、いつも通り朝食を食べた。
焼いた肉詰めがうまい。齧るとぷつりと食感が良く、ジュワッと味が広がった。香辛料も使われているので少々高い物だと思う。

食事が終わり、今日はどうするかとのんびり食堂を出ると声をかけられた。荷が遅れているらしいが、店へは急いで配らなければならい。

「手伝ってくれないか?依頼料に色もつけるし、酒もつける!」


馬車で色々な店に行くらしい。
そんな探索も面白そうだと受ける事にした。カザンも参加してくれるらしい。人の姿で、とりあえず街で再会した友人と紹介した。

「細っこい兄ちゃんで大丈夫かねえ」
「問題ないですよ」

魔力を力に変換したと考えると、軽々荷物が運べるくらいある。
身長と肉付きを無視した怪力に見えるだろう。妖精が集まって、手伝っている状況だ。

「へえすげえな、精霊の加護アリか?」

特別な力をそう呼ぶ。加護持ちが活躍する能力など民間にも知られている話は多い。
概ね、力持ちだったり足が速いとかだが。


倉庫に荷物を運び込む

筋骨逞しい男の中にクリスが入ると、なにやら心配されるが問題ない。

「細っこいのに、あれをもてるんだなあ。」
「身体の使い方が上手いんだよ」


クリスにも力はあるが、更に妖精が手伝ってくれて軽くなっている。
悪戯しているモノも少しはいるが、そうした物が縁起が良いと好まれる時もあるらしい。

まあ、そういった考えは土地柄で違うが。


街の北東南西に、馬車は周回する。

貴族の住む地域にも入り込み、荷物を運んだ。
建物は、どの文化かわからない混ざり方をしているが。ここにいる貴族は、商人の気質が多いらしい。いや今回、周った貴族の家がそうなのかもしれない。

騎士の家や、豪商の屋敷を立て続けに見て変わった観光を楽しんだ。

休憩には、流行っているという果実の飲み物を奢ってもらう。
水路のちかくで子供達が遊んでいるのが見え、これも街の姿のひとつなんだと思えた。


それから、商会にたどり着きクリスが荷物持ちで働いている驚かれた。
私としては、面白い体験と街の様子を堪能できて良い日だった。


夕食後に出してもらった酒は、商会の心付けでとても良い酒と量も追加されて。
お疲れ会として、なかなか賑やかな夜となった。

こういった1日も、良いものだなと思う。
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