【完結】消えたら? かつて、あなた方がとった方法です。【1000文字ほど】

BBやっこ

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かつて子供だった

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「消えたら?かつて、あなた方がとった方法です。」

そう言った旅人の瞳は、驚くほど凪いでいた。

ーーーーーその日は、村で祭りの用意をしていた。

「助けてください!」

村人が怪我をして村長の家まで、逃げ込んできた。魔物が出たらしい。
「そんな、あの辺は狩りにも採取にも通るところなのに。」

「討伐隊を集めるか?」
「だが、狡猾は魔物だ。集団のところに出てこないんじゃないか?」


「誰か、トドメを刺せる者がいなければ」

それは、危険で命がけ。しかも、かなりの力を必要とする。狩人もその危険に尻込みした。

「力を奮う者が、いないなら…」

皆、怪我をした村人を見た。魔物は、独りでいるところを襲ってくる。
臭いを覚え、村に侵入してくるかもしれない。

それなら、1人を犠牲にすれば…。

「あの、旅人に頼めば良いじゃないか!」

苦し紛れに言った提案は、村人を守るために必要な事だ総意が得られた。


「なんとか、頼めないでしょうか?」

魔物のいる森を抜け、祭りがまだ始まるまでには幾分かある時に来た旅人。
その宿泊している先に訪れ、村長が交渉していた。

”魔物を退治して欲しい“

貴方も、旅を続けるのであれば危険だと説得する。
泣き落とし、持ち上げて魔物の討伐を任せようと思った。

若い男だ。心情に訴えて自身にも無関係ではない。まだ旅の途中だ。

“消えても、問題ない“

その結論を奥底に隠しながら、村長は困っていると顔に出して解答を待った。



「気持ち悪い」

そう言われ驚く村長に、旅人は言った。

「助けてください。私もそう言った。」

かつて、この村にいた旅人は彼らの思惑をわかっていた。

「貴方達は、助けを求めた私に消えろと言った。村に入る事を拒否され魔物に怯えながら
私はなんとか生き延びた。この村は変わっていないようだな。」

そして旅人は、この村を出て行く。

「私はかつて村長に言われた言葉を返そう。消えたらどうだ?」

あなた方がとった結論だ。
受け入れなかったから。
私もしない。


そして本当に、旅人は村を出ていった。
「気持ちの悪い旅人だ」

村長の思惑では快く依頼を受けると思ったが。それでもまあ、魔物に狙われる餌が出て行った。

「村に魔物は来ないだろう。」

餌が、わざわざ村の外に出ていったのだから。村長は、村人に警戒を促し、旅人を密かに追わせた。
旅人は、村に近い場所で早々に休んでいた。食事がまだだったと火を起こしている。


「せいせいした。」

そんな気分でいるが、危機が訪れる。

ー魔物だ。

グルグルと唸る鋭い刃を持つ四つ足の魔物。
その目は、何かに狂っているようで、旅人は隙なく対峙した。


そして、遠巻きにで村人達が監視する中、向き合う事数刻。

魔物は去った。
それを確認して、旅人は川を渡り行ってしまった。


その様子を報告した村人達を村長が労う。


そして、その夜。


村は壊滅した。
魔物が入り込み、多くの死傷者が出た。


旅人の纏っていた特殊な臭いを辿って、村にまで魔物が入り込んだ。
村は廃れていくだろう。


かつて、村人であり少女だった村人は呪詛を吐いた。かつて助けてくれなかった村へ。

「殺された気分を味わったかしら。もう、この世界から消えて?」

そして、そんな村も惨事もなかったかのように、旅人は立ち去った。
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