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第四話
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そうして、私達は観覧車の近くまで来ました。チケットと呼ばれる紙の様なものを買って、それを観覧車のそばにいる人に渡してから乗るようです。
私は優花さん以外には見えないようなので、私はチケットが必要無いようです。
中に入ると、こちらの世界の人達が4人くらいは入れそうなスペースの長椅子が置いてある以外は、特に何もない様子です。
「後はゆっくりと回って行きますから、景色を眺めたりお話をしたりして、さっき乗った所まで来れば終わりです」
そう言って、優花さんは長椅子に腰掛けました。私は浮いているので座る必要はありません。
「…ジャックさん。死者の国は、どんな所ですか?」
乗って少しした頃、優花さんからそのように問われました。
「良い所ですよ。こちらの世界ほどいろいろなものがある訳ではないですけど、こちらの世界よりももう少しだけ涼しくて、薄暗いです。そこら中を魂がフヨフヨ漂っていて、上を見れば、ポツポツと星が見えます。私は広場のベンチに座って、星を見るのが好きでした」
他にも、骨だけの人、骨だけの動物。私みたいなカボチャ頭の人に、背中に羽が生えた妖精の様な人。いろいろな人が暮らしていました。その中には、こちらの世界からやってきた人もいましたね。枯れた木の森には、不思議なキノコが生えていたり、ずっと光っている実がなっていたりしました。
「とまぁ、こんな感じです。とても良い所なのですよ」
「そうですか。私も、行けるでしょうか」
「そうですね、いつか必ず行けますよ」
そうこうしているうちに、私達の乗った箱は随分と高い所まで来ました。そこから見える景色はとても綺麗です。
建物の光がキラキラと輝いて、まるで宝石箱の様に見えます。
「綺麗ですね。こんなに綺麗な景色は、死者の国にはありません。皆さんがこちらの世界に来る理由が分かった様な気がします」
悪戯をしに行ったりしている人達もいるみたいなので、全員ではないでしょうが、それでもこの景色を目当てで来る人も中々多そうです。
「私、貴女に出会えて良かったです。死者の国への帰り方も分かって、こんな綺麗な景色が見れて、私はとても幸福です」
私がそう言うと、優花さんは微笑みながら「そう言ってもらえて良かったです」と言いました。私も釣られて少し笑いました。
私達を載せた箱は、地上へと戻って来ました。名残惜しいですが、降りなければならないようです。
私達は箱から降り、また移動を再開しました。こうして移動しながら他愛もない話をするというのも、とても楽しいものです。
そうこうしているうちに、私達は目的の墓地へと着いたようです。ここからでは扉は見えませんが、何となく死者の国の気配がします。推測通り、ここに扉がありそうです。
思った通り、少し進んだ所にその扉はありました。後はこれをくぐるだけで死者の国へと帰ることができます。
「優花さん、ありがとうございました。貴女のおかげで、私はこうして死者の国へと帰ることができます。貴女がいなければ、私は一人この世界を彷徨っていました」
「お役に立てて良かったです」
続けて何かを言おうとした彼女は、それをやめてニコリと笑いました。何を言おうとしたのかを聞こうとしましたが、やめました。何か理由があったのでしょう。
「…ジャックさん」
「はい?なんですか?」
「また、会えるでしょうか」
もうすぐお別れだと思うと、何だか寂しいです。こちらの世界にはまた来られますが、もう一度優花さんに会えるかどうかは分かりません。ですが…
「はい。きっと会えますよ」
私は、そう信じています。
私は優花さん以外には見えないようなので、私はチケットが必要無いようです。
中に入ると、こちらの世界の人達が4人くらいは入れそうなスペースの長椅子が置いてある以外は、特に何もない様子です。
「後はゆっくりと回って行きますから、景色を眺めたりお話をしたりして、さっき乗った所まで来れば終わりです」
そう言って、優花さんは長椅子に腰掛けました。私は浮いているので座る必要はありません。
「…ジャックさん。死者の国は、どんな所ですか?」
乗って少しした頃、優花さんからそのように問われました。
「良い所ですよ。こちらの世界ほどいろいろなものがある訳ではないですけど、こちらの世界よりももう少しだけ涼しくて、薄暗いです。そこら中を魂がフヨフヨ漂っていて、上を見れば、ポツポツと星が見えます。私は広場のベンチに座って、星を見るのが好きでした」
他にも、骨だけの人、骨だけの動物。私みたいなカボチャ頭の人に、背中に羽が生えた妖精の様な人。いろいろな人が暮らしていました。その中には、こちらの世界からやってきた人もいましたね。枯れた木の森には、不思議なキノコが生えていたり、ずっと光っている実がなっていたりしました。
「とまぁ、こんな感じです。とても良い所なのですよ」
「そうですか。私も、行けるでしょうか」
「そうですね、いつか必ず行けますよ」
そうこうしているうちに、私達の乗った箱は随分と高い所まで来ました。そこから見える景色はとても綺麗です。
建物の光がキラキラと輝いて、まるで宝石箱の様に見えます。
「綺麗ですね。こんなに綺麗な景色は、死者の国にはありません。皆さんがこちらの世界に来る理由が分かった様な気がします」
悪戯をしに行ったりしている人達もいるみたいなので、全員ではないでしょうが、それでもこの景色を目当てで来る人も中々多そうです。
「私、貴女に出会えて良かったです。死者の国への帰り方も分かって、こんな綺麗な景色が見れて、私はとても幸福です」
私がそう言うと、優花さんは微笑みながら「そう言ってもらえて良かったです」と言いました。私も釣られて少し笑いました。
私達を載せた箱は、地上へと戻って来ました。名残惜しいですが、降りなければならないようです。
私達は箱から降り、また移動を再開しました。こうして移動しながら他愛もない話をするというのも、とても楽しいものです。
そうこうしているうちに、私達は目的の墓地へと着いたようです。ここからでは扉は見えませんが、何となく死者の国の気配がします。推測通り、ここに扉がありそうです。
思った通り、少し進んだ所にその扉はありました。後はこれをくぐるだけで死者の国へと帰ることができます。
「優花さん、ありがとうございました。貴女のおかげで、私はこうして死者の国へと帰ることができます。貴女がいなければ、私は一人この世界を彷徨っていました」
「お役に立てて良かったです」
続けて何かを言おうとした彼女は、それをやめてニコリと笑いました。何を言おうとしたのかを聞こうとしましたが、やめました。何か理由があったのでしょう。
「…ジャックさん」
「はい?なんですか?」
「また、会えるでしょうか」
もうすぐお別れだと思うと、何だか寂しいです。こちらの世界にはまた来られますが、もう一度優花さんに会えるかどうかは分かりません。ですが…
「はい。きっと会えますよ」
私は、そう信じています。
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