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第三話
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さて、今日の夜に扉が開くということは分かりました。ですが、肝心な扉の場所が分かりません。ということで、そこから優花さんにもう少しだけ調べてもらい、開きそうな場所を確認しました。開きそうな場所は、主に墓地や心霊スポットなる所…まぁ、言ってしまえば、私の仲間などが出るかもしれないような所です。とはいえ…
「少し数が多いですね…」
この町だけでも、何ヶ所もある様子。土地勘の無い私だけでは全部は回りきれないでしょうし…優花さんの案内があったとしても、朝までかかってしまいそうです。
「…一つ思ったのですけど…ジャックさんがこちらの世界にやって来た時に、一番初めにいた場所はどこだったんですか?」
「えーと…景色が一番近いのは…これですね」
「…これは、墓地ですね。ということは…」
優花さんが何かを思いついたのか、今度はこの地図を開いて、何かを確認している様子。何を思いついたのでしょう。
「おそらくここですね、ジャックさんが初めにいた墓地というのは」
ようやく、優花さんが何を思いついたのか気づきました。
「そういうことですか。その場所は、私が来た時に一度扉が開いているはず…であるなら、もう一度扉が開く可能性が高いというわけですね」
一通り人に話しかけた後、もう一度戻ってみましたが、その時には扉が無かった為、そこに扉は無いと思い込んでしまっていました。
「そういうことです。私はほぼ確実に開くと思っています。ひとまず、ここに行ってみましょう。ここからなら、2時間もあれば行けます」
もうすぐ帰れるかもしれないと思うと、とても嬉しい気持ちになります。ですが…何だか寂しい気持ちもあります。優花さんはどう思っているかはわかりませんし、たったの数時間の付き合いですが、私は優花さんの事が好きです。
「…さて、そうと決まれば、早速移動しましょうか」
「…そうですね、行きましょうか」
来てすぐの時は、今すぐにでも帰りたいと思っていたのに…いざ帰れるとなると、少し名残惜しい。別に、ずっと来られない訳ではないのでしょう。時期が限られるとはいえ、実際に死者の国からこちらの世界へ遊びに行っている人もいるのですから。ですが、次来た時に優花さんに会えるとは限らない。会えたとしても私が見えるかどうかはわからない。何だか、それがすごく寂しく感じるのです。
「どうかしましたか?」
「いえ…その…」
もう少しだけ、こちらの世界で遊びたいというのは、私のわがままでしょう。優花さんには調べ物をほとんど任せていましたし、これ以上迷惑をかける訳には…
「…ジャックさん。せっかくですし、少しだけ観光して行きますか?」
「…!いいのですか?」
私の感情を読んだかのような提案。それは願ってもない提案なのですが、本当にいいのでしょうか。
「ここに来る途中、そこら辺の建物なんかを見て目を輝かせていたような気がしたので、それに、初めて来たとも言っていましたし…夜は長いので、少しくらいなら大丈夫かと」
「その…迷惑では?ほら、私…調べ物をほとんど優花さんに任せ切りでしたし、ここまで来るのと、墓地までの案内までしてくれるというのに」
「私が誘っているのですから、良いに決まっているじゃないですか。それに、すぐに帰ってしまうというのも、何だか寂しいな…と」
驚きです。優花さんも私と同じように考えていたとは。とても嬉しいことです。そうと決まれば…
「では、もう少しだけ、よろしくお願いします。優花さん」
「はい」
そうして、私と優花さんは図書館を出ました。そして、例の墓地に向かいながら、道中で私が気になった所を紹介してもらう、という形で、寄り道をしながら向かうことにしました。
少しの間ですが、楽しい一時が始まると思うと、とてもワクワクとした気分になりますね。
「それじゃあ、行きましょうか」
「はい、とても楽しみです」
優花さんと並んで歩きながら、辺りをキョロキョロと見渡していました。面白そうなものを見つけては、それが何なのかを優花さんに教えてもらいました。こうして見ていると、本当に死者の国とは全然違う。まず、暗くなってきてもこの辺りは明るいのです。優花さんが言うには、電気というものを使っているのだとか。死者の国にはそのようなモノはありませんでした。灯りと言えば、ずっと揺らめいている炎の光しか無かったので。
「優花さん、あれは何です?」
私の目線の先には、車輪の様な形の巨大な何かがありました。あれは何なのでしょうか。
「あぁ、あれは観覧車ですね。あの丸っこい箱みたいな奴の中に入る事ができて、高い所から景色を楽しみます。…乗ってみますか?」
「はい、許してくれるのなら、とても乗りたいです」
「では、行きましょうか」
「少し数が多いですね…」
この町だけでも、何ヶ所もある様子。土地勘の無い私だけでは全部は回りきれないでしょうし…優花さんの案内があったとしても、朝までかかってしまいそうです。
「…一つ思ったのですけど…ジャックさんがこちらの世界にやって来た時に、一番初めにいた場所はどこだったんですか?」
「えーと…景色が一番近いのは…これですね」
「…これは、墓地ですね。ということは…」
優花さんが何かを思いついたのか、今度はこの地図を開いて、何かを確認している様子。何を思いついたのでしょう。
「おそらくここですね、ジャックさんが初めにいた墓地というのは」
ようやく、優花さんが何を思いついたのか気づきました。
「そういうことですか。その場所は、私が来た時に一度扉が開いているはず…であるなら、もう一度扉が開く可能性が高いというわけですね」
一通り人に話しかけた後、もう一度戻ってみましたが、その時には扉が無かった為、そこに扉は無いと思い込んでしまっていました。
「そういうことです。私はほぼ確実に開くと思っています。ひとまず、ここに行ってみましょう。ここからなら、2時間もあれば行けます」
もうすぐ帰れるかもしれないと思うと、とても嬉しい気持ちになります。ですが…何だか寂しい気持ちもあります。優花さんはどう思っているかはわかりませんし、たったの数時間の付き合いですが、私は優花さんの事が好きです。
「…さて、そうと決まれば、早速移動しましょうか」
「…そうですね、行きましょうか」
来てすぐの時は、今すぐにでも帰りたいと思っていたのに…いざ帰れるとなると、少し名残惜しい。別に、ずっと来られない訳ではないのでしょう。時期が限られるとはいえ、実際に死者の国からこちらの世界へ遊びに行っている人もいるのですから。ですが、次来た時に優花さんに会えるとは限らない。会えたとしても私が見えるかどうかはわからない。何だか、それがすごく寂しく感じるのです。
「どうかしましたか?」
「いえ…その…」
もう少しだけ、こちらの世界で遊びたいというのは、私のわがままでしょう。優花さんには調べ物をほとんど任せていましたし、これ以上迷惑をかける訳には…
「…ジャックさん。せっかくですし、少しだけ観光して行きますか?」
「…!いいのですか?」
私の感情を読んだかのような提案。それは願ってもない提案なのですが、本当にいいのでしょうか。
「ここに来る途中、そこら辺の建物なんかを見て目を輝かせていたような気がしたので、それに、初めて来たとも言っていましたし…夜は長いので、少しくらいなら大丈夫かと」
「その…迷惑では?ほら、私…調べ物をほとんど優花さんに任せ切りでしたし、ここまで来るのと、墓地までの案内までしてくれるというのに」
「私が誘っているのですから、良いに決まっているじゃないですか。それに、すぐに帰ってしまうというのも、何だか寂しいな…と」
驚きです。優花さんも私と同じように考えていたとは。とても嬉しいことです。そうと決まれば…
「では、もう少しだけ、よろしくお願いします。優花さん」
「はい」
そうして、私と優花さんは図書館を出ました。そして、例の墓地に向かいながら、道中で私が気になった所を紹介してもらう、という形で、寄り道をしながら向かうことにしました。
少しの間ですが、楽しい一時が始まると思うと、とてもワクワクとした気分になりますね。
「それじゃあ、行きましょうか」
「はい、とても楽しみです」
優花さんと並んで歩きながら、辺りをキョロキョロと見渡していました。面白そうなものを見つけては、それが何なのかを優花さんに教えてもらいました。こうして見ていると、本当に死者の国とは全然違う。まず、暗くなってきてもこの辺りは明るいのです。優花さんが言うには、電気というものを使っているのだとか。死者の国にはそのようなモノはありませんでした。灯りと言えば、ずっと揺らめいている炎の光しか無かったので。
「優花さん、あれは何です?」
私の目線の先には、車輪の様な形の巨大な何かがありました。あれは何なのでしょうか。
「あぁ、あれは観覧車ですね。あの丸っこい箱みたいな奴の中に入る事ができて、高い所から景色を楽しみます。…乗ってみますか?」
「はい、許してくれるのなら、とても乗りたいです」
「では、行きましょうか」
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