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いつもの日
僕と兄
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わざわざあらかじめ約束を取り付けて話をする日は、
父の希望により、たとえ本題に関係がなくとも家族全員が席につく。
つまり両親と、僕と、それから15個上の兄だ。
僕は歳の離れている兄が苦手だ。
兄は器用で要領がよく何でも卒なくこなす。会話がテンポよく人当たりも良い、誰からも好かれるような人だ。
僕に対しても、特別態度を変えることはなく、普通なら苦手と思うことはないだろう。
だが、そんなところが余計に、僕の大切な唯一の恋人を思い起こさせて、嫌だった。
彼も、周りに元気を与えるような善い人だった。
兄を見ていると、外見は全く似ていないのに、その一挙一動が彼そのもののように似ている気がして、
まるで自分が彼と兄を重ねて見ているような気がして、とても気持ち悪かった。
普段、兄とはできるだけ会わないようにしている。
だが、今回は無理な話だろう。
あからさまに苦手な態度を表せば、
兄に不快に思われるだろうし、両親にだって疑念を持たれるだろう。
「奈緒」
食べ終わった食器を洗いながら悶々と考えていると、母が声を掛けてきた。
母に顔を向けると、母は薄手のコートを纏い、肩にはショルダーバッグを掛けていた。
時間を見れば7時半。出勤する時間だ。
「さっきの話の続きだけれど、18時半には帰るから、用意しておいてね」
「うん、わかった。」
「じゃあ私そろそろ行くわね。いってきます。」
「はい、いってらっしゃい。」
玄関のドアを開けて、母が出て行く。
僕も学校へ向かう用意をしよう。
父の希望により、たとえ本題に関係がなくとも家族全員が席につく。
つまり両親と、僕と、それから15個上の兄だ。
僕は歳の離れている兄が苦手だ。
兄は器用で要領がよく何でも卒なくこなす。会話がテンポよく人当たりも良い、誰からも好かれるような人だ。
僕に対しても、特別態度を変えることはなく、普通なら苦手と思うことはないだろう。
だが、そんなところが余計に、僕の大切な唯一の恋人を思い起こさせて、嫌だった。
彼も、周りに元気を与えるような善い人だった。
兄を見ていると、外見は全く似ていないのに、その一挙一動が彼そのもののように似ている気がして、
まるで自分が彼と兄を重ねて見ているような気がして、とても気持ち悪かった。
普段、兄とはできるだけ会わないようにしている。
だが、今回は無理な話だろう。
あからさまに苦手な態度を表せば、
兄に不快に思われるだろうし、両親にだって疑念を持たれるだろう。
「奈緒」
食べ終わった食器を洗いながら悶々と考えていると、母が声を掛けてきた。
母に顔を向けると、母は薄手のコートを纏い、肩にはショルダーバッグを掛けていた。
時間を見れば7時半。出勤する時間だ。
「さっきの話の続きだけれど、18時半には帰るから、用意しておいてね」
「うん、わかった。」
「じゃあ私そろそろ行くわね。いってきます。」
「はい、いってらっしゃい。」
玄関のドアを開けて、母が出て行く。
僕も学校へ向かう用意をしよう。
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