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マリョクガクエンニュウガク
ハハノネガイ
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「ただいま」
いつものように返事は帰ってこない。
気にせず、鍵を閉め、靴を脱ぎ、2階にある自室へと向かう。
自室の戸を開き、窓を少しだけ開ける。
明るい日差しとともに、少し肌寒い澄んだ空気が部屋の中を通り抜け、留守の間の空気の淀みを流していく。
私服へと着替えようと、学ランのボタンにかけた手は、カサっという乾いた音といつもはない感触に動きが止まる。
学ランの胸あたりにピンクの造花が付いていた。
今日は中学校の卒業式があった。
日の高いうちに終わり、友人たちは各々、この日を一緒に過ごしたい相手と共に別れていった。
俺の相手はとうとう来てくれず、1人で虚しく帰ってきたところだ。
願った相手にはもう何年も会えていないのだから、今日に限って来てくれるとは思っていないが、それでも少しだけ期待していた分、いつもより寂しさを感じた。
制服に何か意味があるとは思っていないけれど、なんとなく一度でいいから、あの人に中学校の制服姿を見て欲しかった。
それももう叶うことはなくなってしまった。
大きくなってきた寂しさを忘れるために、制服を少し乱暴に脱ぐ。
どうせもう着ないのだ。あとでゴミ袋に入れておこう。
机の上に置きっぱなしになっていた鞄と黒い筒と一緒に全て捨ててしまおう。
今日はもう特にやることはない。
いつもなら帰宅後すぐに日課の夕方の散歩に行くけれど、今日は卒業式。
まだ日は高く、夕方とは到底呼べない。部屋の壁掛け時計は13時を指している。
そういえば、まだ昼食もとっていなかった。
どうにもいつもとは違う帰宅時間で調子が狂っているみたいだ。
特にお腹が空いているわけじゃないけれど、夕食まではもたないだろうから、軽くパスタでも作ろうか。
ピンポン
呼び鈴がなった。配達が届く予定はない。誰だろうか。
続いて、ドアを開けるようなガチャガチャと音が聞こえた。
ずいぶん無作法な客だ。
とにかく玄関に向かおうと、軽く開けていた部屋の戸から出て、階段を降りる。
鍵を差し込み、回す音が聞こえた。
ガチャリ
解錠された音だ。
これはおかしい。だって、この家の鍵を持っているのは、俺の他にはあと1人しかいない。
まさか。
階段を降りる足は駆け足になる。
ちょうど玄関に着いたと同時に、扉が開かれた。
そこにいたのは大きなスーツケースを持った、黒い長髪の小柄な女性。
いつまで経っても変わらない俺のずっと待っていたあの人だ。
「ただいま、ヒナカ」
鍵を持つ人、それは俺のただ1人の家族、母さんだ。
海外で仕事をしているのか、単に放浪癖があるのかはわからないが、昔からよく定期的に帰ってこない期間があり、今回は実に3年と数ヶ月ぶりの帰宅だ。
母さんの背後で玄関の扉が閉まる音がする。
本当に帰ってきたんだ。
ずっと、ずっと待っていたこの時。まだ見捨てられていないんだと、会ってくれるんだと思えるこの時間、小さい頃からいつも幸せに感じる瞬間だ。
本当に帰ってきた。
涙が出てしまいそうになるが、母さんはあまり感動ものが好きではないみたいだからじっと堪える。
母さんには悪いが、この人ちょっと変なところがある。
一、定期的に帰ってこない期間がある。
俺がまだ小さい頃はまだ3日に1回帰ってこない時がある程度だったが、小学校3年生あたりから急激に帰ってこないことが増え、とうとう6年生の夏以降から今までとうとう一度も帰ってこなかった。携帯電話を持っていないのか、連絡先が分からなく、連絡もできないため、毎月通帳の入金だけが母さんの安否を知らせてくれた。
二、母さんと呼んではいけない。
これは小さい頃に言われたことだ。母と扱われるのが好きではないみたいで、母さんも俺のことを1人の人間として扱うし、俺も母さんを1人の人間として接するように言われた。母さんの言うことだから、しっかり守っているけど、ひっそり心の中では「母さん」と呼んでる。
三、母さんを好きなことを伝えてはいけない。
これは俺が母さんと過ごしている中で発見したことだ。あまり好意的な感情を向けられるのは得意じゃないみたいで、俺が母さんを大事に思う気持ちは伝わらないようにしている。母さんを大事に思う気持ちが母さんを傷つけてしまうなんて本末転倒だから、これは絶対に守らなければならない。
他にも変なところはまだまだあるが、こういうわけで、俺は母さんが帰ってきたことをあまり喜んではいけない。
あくまで落ち着いて、少しだけ驚いている風に。
「おかえり、暁」
母は少しだけ安心したように笑った。
「久しぶり」
と一言。母さんも俺のことを覚えていてくれたのだと安心する。
やはり、母さんはすごい。一言で俺を安心させてくれる。
「そうだね。玄関でもなんだし、リビングに行こう。スーツケース貸して。あ、雑巾持ってこないといけないか。」
嬉しい感情を母さんに見せないように、少し早口で家の中へ促す。
「あ、いや、ごめんね。またすぐ出なくちゃいけないから。」
母さんは俺の少し慌てた行動を止め、困ったように言った。
心の隅でやっぱりと思いつつ、それでも母さんはすぐに出かけたりなんてしないという諦められなかった大きな期待が寂しさに変わる。
母さんを困らせてしまった。よくない。早く切り替えないと。
「いや、そうなんだ。こっちこそごめんね。」
自分でも少しなぜ謝っているのか分からない。
母さんはいいのいいの、と明るく笑って、空気を入れ替えてくれた。
「うん、えっと、それで、まずは、中学卒業おめでとう。」
思いがけない言葉だ。小学校の卒業式には会えなかったから、まさかこんな夢のようなことが起きるとは思わなかった。
母さんが卒業を祝ってくれるなんて、本当に幸せなことだ。
さっき着替えなければよかったなと今更ながら後悔する。
「え、ありがとう。」
これであっているだろうか、嬉しすぎる出来事に自分の感情を抑制できない。
嬉しさが滲みすぎていないだろうか。今母さんにはどう映っているんだろう。
「うん。そのことでちょっと頼みがあるんだけど、ヒナカ。お願い聞いてくれる?」
その言葉で、俺の湧き上がった感情は急降下する。
お願い。
ある時から母さんは帰宅するたびに、俺に一つ頼みごとをするようになった。
それが「お願い」。
お願いは、単なるおつかいのときもあれば、英語を覚えてというような長期間かかるようなこともある。
帰宅するたびに一つだけ。
それが終わったら、母さんは少し満足そうな顔をしてまたどこかへ出掛けていくのだ。
このお願いを今まで断ったことは一度もない。
母さんの悲しい顔は見たくないし、もしこれを断ってしまったら、母さんは俺に失望して2度と帰ってこないかもしれないから。
だから今回も、どんなものであっても、絶対に引き受ける。
だけど、やっぱり少しだけ残念だ。特に関係なくても、卒業を祝って欲しかったと、欲張りだけどそう思ってしまう。
祝ってくれただけ嬉しかったというのに。
「いいよ。どんな頼み?」
なんでもないフリをして、快諾する。こうすれば、そう。母さんはちょっと安心した顔をして、お願い事を口にするのだ。
「ありがとう。異世界の高校に入学して欲しいんだ。」
「うん、わかった。…ん?」
異世界の高校?
異世界?
一体どういうことだ?異世界?どうやって入学するんだ?いやどうやって行けばいいんだ?
「ちょ、ちょっと待って、異世界?本当に?」
母さんは俺のあからさまな動揺に少し驚いているようだ。
いや、これは誰だって、動揺すると思うんだ。
「うん、やっぱり高校が急に変わるのは嫌かな?」
母さんが的外れなことを聞いてくる。
高校が変わるのは別に構わない。一緒に通う予定だった友人もいるけれど、俺の中では母さんが最優先だ。
問題は異世界が本当にあるのかどうか。
でも、こんな的外れなことを聞いてくるってことは、きっと母さんの中で異世界は大したことではないのだろう。
ごく自然に、異世界の存在を認めている。
ということは、異世界はあるし、ちゃんと行く方法もあるってことだ。
「いや、高校が変わるのは別に気にしていないんだけど、急に異世界っていうから驚いた。」
「言ってなかったかな?そうか、そうか。それはごめんね。異世界はちゃんとあって、そこの学校に通って欲しいんだけど、お願いできる?」
母さんは、軽く言ったけれど、母さんじゃなかったら絶対信じてないからな、と口には出さずに毒づく。
とはいえ、異世界は本当にあるんだろう。
母さんが言うのだから間違いない。
残る問題は、行き方だけか。
「異世界の学校に通うのはいいよ。大丈夫。でも俺は行き方が分からないんだけど、教えてくれる?」
そう言えば、母さんはいつものあの少し満足そうな表情を浮かべて、こう言った。
「ありがとう。じゃあ、近くまで送るから、お願いね。」
その言葉を合図に、急に俺の立っていた床が消え、下に下に落ちていく。
真っ黒い空間に落ちていく俺を見て、母さんはいつもとは違って少しだけ申し訳なさそうな顔をしていたような、そんな気がした。
いつものように返事は帰ってこない。
気にせず、鍵を閉め、靴を脱ぎ、2階にある自室へと向かう。
自室の戸を開き、窓を少しだけ開ける。
明るい日差しとともに、少し肌寒い澄んだ空気が部屋の中を通り抜け、留守の間の空気の淀みを流していく。
私服へと着替えようと、学ランのボタンにかけた手は、カサっという乾いた音といつもはない感触に動きが止まる。
学ランの胸あたりにピンクの造花が付いていた。
今日は中学校の卒業式があった。
日の高いうちに終わり、友人たちは各々、この日を一緒に過ごしたい相手と共に別れていった。
俺の相手はとうとう来てくれず、1人で虚しく帰ってきたところだ。
願った相手にはもう何年も会えていないのだから、今日に限って来てくれるとは思っていないが、それでも少しだけ期待していた分、いつもより寂しさを感じた。
制服に何か意味があるとは思っていないけれど、なんとなく一度でいいから、あの人に中学校の制服姿を見て欲しかった。
それももう叶うことはなくなってしまった。
大きくなってきた寂しさを忘れるために、制服を少し乱暴に脱ぐ。
どうせもう着ないのだ。あとでゴミ袋に入れておこう。
机の上に置きっぱなしになっていた鞄と黒い筒と一緒に全て捨ててしまおう。
今日はもう特にやることはない。
いつもなら帰宅後すぐに日課の夕方の散歩に行くけれど、今日は卒業式。
まだ日は高く、夕方とは到底呼べない。部屋の壁掛け時計は13時を指している。
そういえば、まだ昼食もとっていなかった。
どうにもいつもとは違う帰宅時間で調子が狂っているみたいだ。
特にお腹が空いているわけじゃないけれど、夕食まではもたないだろうから、軽くパスタでも作ろうか。
ピンポン
呼び鈴がなった。配達が届く予定はない。誰だろうか。
続いて、ドアを開けるようなガチャガチャと音が聞こえた。
ずいぶん無作法な客だ。
とにかく玄関に向かおうと、軽く開けていた部屋の戸から出て、階段を降りる。
鍵を差し込み、回す音が聞こえた。
ガチャリ
解錠された音だ。
これはおかしい。だって、この家の鍵を持っているのは、俺の他にはあと1人しかいない。
まさか。
階段を降りる足は駆け足になる。
ちょうど玄関に着いたと同時に、扉が開かれた。
そこにいたのは大きなスーツケースを持った、黒い長髪の小柄な女性。
いつまで経っても変わらない俺のずっと待っていたあの人だ。
「ただいま、ヒナカ」
鍵を持つ人、それは俺のただ1人の家族、母さんだ。
海外で仕事をしているのか、単に放浪癖があるのかはわからないが、昔からよく定期的に帰ってこない期間があり、今回は実に3年と数ヶ月ぶりの帰宅だ。
母さんの背後で玄関の扉が閉まる音がする。
本当に帰ってきたんだ。
ずっと、ずっと待っていたこの時。まだ見捨てられていないんだと、会ってくれるんだと思えるこの時間、小さい頃からいつも幸せに感じる瞬間だ。
本当に帰ってきた。
涙が出てしまいそうになるが、母さんはあまり感動ものが好きではないみたいだからじっと堪える。
母さんには悪いが、この人ちょっと変なところがある。
一、定期的に帰ってこない期間がある。
俺がまだ小さい頃はまだ3日に1回帰ってこない時がある程度だったが、小学校3年生あたりから急激に帰ってこないことが増え、とうとう6年生の夏以降から今までとうとう一度も帰ってこなかった。携帯電話を持っていないのか、連絡先が分からなく、連絡もできないため、毎月通帳の入金だけが母さんの安否を知らせてくれた。
二、母さんと呼んではいけない。
これは小さい頃に言われたことだ。母と扱われるのが好きではないみたいで、母さんも俺のことを1人の人間として扱うし、俺も母さんを1人の人間として接するように言われた。母さんの言うことだから、しっかり守っているけど、ひっそり心の中では「母さん」と呼んでる。
三、母さんを好きなことを伝えてはいけない。
これは俺が母さんと過ごしている中で発見したことだ。あまり好意的な感情を向けられるのは得意じゃないみたいで、俺が母さんを大事に思う気持ちは伝わらないようにしている。母さんを大事に思う気持ちが母さんを傷つけてしまうなんて本末転倒だから、これは絶対に守らなければならない。
他にも変なところはまだまだあるが、こういうわけで、俺は母さんが帰ってきたことをあまり喜んではいけない。
あくまで落ち着いて、少しだけ驚いている風に。
「おかえり、暁」
母は少しだけ安心したように笑った。
「久しぶり」
と一言。母さんも俺のことを覚えていてくれたのだと安心する。
やはり、母さんはすごい。一言で俺を安心させてくれる。
「そうだね。玄関でもなんだし、リビングに行こう。スーツケース貸して。あ、雑巾持ってこないといけないか。」
嬉しい感情を母さんに見せないように、少し早口で家の中へ促す。
「あ、いや、ごめんね。またすぐ出なくちゃいけないから。」
母さんは俺の少し慌てた行動を止め、困ったように言った。
心の隅でやっぱりと思いつつ、それでも母さんはすぐに出かけたりなんてしないという諦められなかった大きな期待が寂しさに変わる。
母さんを困らせてしまった。よくない。早く切り替えないと。
「いや、そうなんだ。こっちこそごめんね。」
自分でも少しなぜ謝っているのか分からない。
母さんはいいのいいの、と明るく笑って、空気を入れ替えてくれた。
「うん、えっと、それで、まずは、中学卒業おめでとう。」
思いがけない言葉だ。小学校の卒業式には会えなかったから、まさかこんな夢のようなことが起きるとは思わなかった。
母さんが卒業を祝ってくれるなんて、本当に幸せなことだ。
さっき着替えなければよかったなと今更ながら後悔する。
「え、ありがとう。」
これであっているだろうか、嬉しすぎる出来事に自分の感情を抑制できない。
嬉しさが滲みすぎていないだろうか。今母さんにはどう映っているんだろう。
「うん。そのことでちょっと頼みがあるんだけど、ヒナカ。お願い聞いてくれる?」
その言葉で、俺の湧き上がった感情は急降下する。
お願い。
ある時から母さんは帰宅するたびに、俺に一つ頼みごとをするようになった。
それが「お願い」。
お願いは、単なるおつかいのときもあれば、英語を覚えてというような長期間かかるようなこともある。
帰宅するたびに一つだけ。
それが終わったら、母さんは少し満足そうな顔をしてまたどこかへ出掛けていくのだ。
このお願いを今まで断ったことは一度もない。
母さんの悲しい顔は見たくないし、もしこれを断ってしまったら、母さんは俺に失望して2度と帰ってこないかもしれないから。
だから今回も、どんなものであっても、絶対に引き受ける。
だけど、やっぱり少しだけ残念だ。特に関係なくても、卒業を祝って欲しかったと、欲張りだけどそう思ってしまう。
祝ってくれただけ嬉しかったというのに。
「いいよ。どんな頼み?」
なんでもないフリをして、快諾する。こうすれば、そう。母さんはちょっと安心した顔をして、お願い事を口にするのだ。
「ありがとう。異世界の高校に入学して欲しいんだ。」
「うん、わかった。…ん?」
異世界の高校?
異世界?
一体どういうことだ?異世界?どうやって入学するんだ?いやどうやって行けばいいんだ?
「ちょ、ちょっと待って、異世界?本当に?」
母さんは俺のあからさまな動揺に少し驚いているようだ。
いや、これは誰だって、動揺すると思うんだ。
「うん、やっぱり高校が急に変わるのは嫌かな?」
母さんが的外れなことを聞いてくる。
高校が変わるのは別に構わない。一緒に通う予定だった友人もいるけれど、俺の中では母さんが最優先だ。
問題は異世界が本当にあるのかどうか。
でも、こんな的外れなことを聞いてくるってことは、きっと母さんの中で異世界は大したことではないのだろう。
ごく自然に、異世界の存在を認めている。
ということは、異世界はあるし、ちゃんと行く方法もあるってことだ。
「いや、高校が変わるのは別に気にしていないんだけど、急に異世界っていうから驚いた。」
「言ってなかったかな?そうか、そうか。それはごめんね。異世界はちゃんとあって、そこの学校に通って欲しいんだけど、お願いできる?」
母さんは、軽く言ったけれど、母さんじゃなかったら絶対信じてないからな、と口には出さずに毒づく。
とはいえ、異世界は本当にあるんだろう。
母さんが言うのだから間違いない。
残る問題は、行き方だけか。
「異世界の学校に通うのはいいよ。大丈夫。でも俺は行き方が分からないんだけど、教えてくれる?」
そう言えば、母さんはいつものあの少し満足そうな表情を浮かべて、こう言った。
「ありがとう。じゃあ、近くまで送るから、お願いね。」
その言葉を合図に、急に俺の立っていた床が消え、下に下に落ちていく。
真っ黒い空間に落ちていく俺を見て、母さんはいつもとは違って少しだけ申し訳なさそうな顔をしていたような、そんな気がした。
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