15 / 28
蒸気煙る歯車の森
暗影と囀る風切
しおりを挟む
ガンヴェルク公国領海 上空
「ガンヴェルクには入ったよ!このまま西のアリジゴクまで...」
アサギが操縦桿を握りながら勢いよく声を掛けると夜潮が険しい顔で指を口に当て「静かに」というジェスチャーを送る。
「2人もやはり違和感を感じるか。」
「ですね。殺気?いえ、それとも違う...?
ともかく私達にとって良いものではないのは間違いないですが。」
隣に座っている雷雅、トフェニスもイヌ科由来の嗅覚や聴覚を活かして異変に気付く。
「ちょっと!怖い事言ってないでよ!こんな上空に現れるなんて昇陽の人でもない限り有り得ないでしょ!?」
不意に明確になる気配。
飛空艇に並走するかのように俊敏な飛行を以て彼らにとっての不吉の使者がその空気に不釣り合いな明るい声で話しかける。
「やっぱりバレちゃうかー。それもそうですよね、先代さんとイヌが2匹ですもんね。」
桜色の浴衣、顔には花札「桜に幕」を模した面布に素顔を隠し異常とも言える速度で羽ばたかせる翼と瞬間移動のような飛行を見せる少女がそこに居た。
「花札...御庭番衆!!」
雷雅が拙いといった様子で苦い表情を浮かべ札を懐から取り出して構える。
「そうですそうです!雷雅様、初めまして!
私は桜ニ幕と申します!
そこに居る腑抜けな先代の後任、ですよ!」
一瞬夜潮の眉間に皺が寄りイラつきを隠せず桜ニ幕を睨み付けて低い声で返す。
「黙れ。帝なんかに従ってられるか。
昇陽はあのままじゃダメなんだよ。」
夜潮の言葉を聞くと暫く沈黙した後にはぁ、と桜ニ幕溜め息を吐くとつまらない話は止めだとばかりに話題を変える。
「まぁそんな事は今はどうでもいいんですけど皆さん、今の状況分かってます?
この飛空艇...爆発するんですよ?」
その発言を聞いたアサギは先程の夜潮以上の怒りを見せて桜ニ幕に掴み掛かるような勢いで「ふざけんな!!何私の飛空艇まで巻き込んでるの!?
爆発なんてさせない...皆、振り切るよ!!しっかり掴まって...」と、勢い任せにその場から逃げようとするも雷雅はアサギの肩に手を置き真剣な眼差しを向けて言う。
「待って頂きたい。恐らく彼奴の口ぶり、態度から察するにこの飛空艇の動力部分に爆弾が設置されている可能性は高い。」
その推察を耳にすると桜ニ幕はにんまりと笑みを浮かべ楽しそうな声で反応を示す。
「さっすがは雷雅様~!大正解です!
あ、因みにこの爆弾は私が改良に改良を重ねた代物で爆発すると刃が散らばりまーす!お楽しみに!」
「...!?じょ、冗談じゃない!取り外して!今すぐに!!」
アサギが怒りとも焦りとも取れる表情で訴えるも桜ニ幕はけらけらと笑いながら首を横に振る。
~♫
~~♪
不意に聴こえる横笛の音。
その音に底知れぬ殺気を感じた桜ニ幕は咄嗟に移動をするが顔を覆う面布の一部が切り裂かれる。
「チッ、避けてんじゃねぇよクソガキ!」
横笛を吹き鳴らし音による斬撃を夜潮が放つが横笛の性質上、三味線程の攻撃のリーチは無い。
それを機に飛空艇を足場としてトフェニスは居合の構え、そして桜ニ幕に悟られぬよう雷雅は式神を使役して爆弾の位置を探ろうとする。
「簡単にはいかないと分かってたけどなぁ。
帝、桃ちゃんを貴方達から離したがってる....だから少し強引な手段取っちゃうよ?」
単騎である以上油断は出来ない、そう判断すると桜ニ幕は菓子袋のような袋から小型の炸裂弾をばら撒くように飛空艇に投げ付ける。
「あははは!斬れば爆発、そして爆発したら動力装置の爆弾も誘爆するよー!?
躱せる!?爆死する!?どうしちゃう!?」
「うるさい後任だな、オイ!!
んな物は全部、蹴り出すに決まってんだろ!!!!」
投げ出された炸裂弾を一つ残らず蹴り払い飛空艇の圏外で爆発させる。
「仲間の飛空艇だぞ?壊させるわけないだろうがよ....ほら、来いよ後任。
俺がお前の実力ってやつを審査してやるよ、先輩としてな。」
三味線、横笛を置いて夜潮は飛空艇の外に出て桜ニ幕と向かい合う。
桜ニ幕の前任者・夜潮。
かつて花札御庭番衆として蹴り技による暗殺を得意としていた男。
そして三味線や横笛は御庭番衆を抜ける際に得た技術である。
「どこまでも馬鹿にしていますね....許さない!
大人しく皆で爆死してれば良かったのに、つまらない人だなぁ!」
菓子袋から大量の爆弾を夜潮に投げるもそれによる爆発は回避するも夜潮の背中、翼に無数の棒状手裏剣が突き刺さる。
「....っ!?な、何だこりゃ!?
クソ、爆発によるパワーで中々深いじゃねぇか、シンプルに痛ぇ!」
翼の負傷で一瞬バランスを崩しそうになるが更にそれを見逃さずに桜ニ幕は手裏剣を投げる。
「あなたが此処でダウンすれば後は紙人形と砂漠の将軍だけですもんねぇ?だから確実に仕留めちゃいますね!」
夜潮は紙一重で手裏剣を回避して少しずつ桜ニ幕との距離を詰めていく。
自身の周りには爆弾や炸裂弾は投げない、爆弾使いの基本を予想しながら。
その頃飛空艇ではトフェニスのイヌ科故に発達した嗅覚と雷雅の式神により桜ニ幕が仕掛けた爆弾を探す。
「火薬の匂いはします...しかし、先程の炸裂弾から散った火薬の匂いも含まれたり、この高度の風からなかなか特定できません!」
トフェニスが困ったようにそう言いながら雷雅に伝えるが雷雅も雷雅で紙の式神を動かせる高度ではないため動力装置の場所や爆弾をなかなか発見できない。
「トフェニスさん、雷雅さん...見つからなかったらマジで怨みますよ?」
「だ、大丈夫だ...心配はしなくていい、必ず貴女もこの飛空艇も無事を約束しよう。」
遠くから聞こえる爆発の応酬は止まずに昇陽の最強戦闘機関の対決が肌で感じられるその時、トフェニスが歓喜の声を上げる。
「見つけた!!動力装置の下、多分これで合ってるみたいです!」
「感謝する。よし、これより爆弾を取り外す!」
式神に指示を出しつつも桜ニ幕の察知圏外から正確な場所へと式神を飛ばして爆弾を解除して飛空艇の外に広がる空へと投げ捨てる。
ドッッカーーーン!!
遠く離れゆく中でもその音は大きく聴こえて桜ニ幕は夜潮を精神的に煽る。
「ほらほら!聴こえましたか!?最高の爆弾花火~!
いやぁ、全員臓物を撒き散らしながら花火のように儚く消えちゃったんじゃないですか?」
「テメェ...マジで許さねぇぞ!!」
桜ニ幕に向けた渾身の蹴りは外す事になり代わりに先程の爆弾入りの菓子袋がふわふわと浮かんでおり本人は既に逃げた後のようで爆弾入り菓子袋は相手の迂闊な攻撃への牽制として使用される。
そう、まさにこのような状況が使いどきだったのだろう。
夜潮はすぐさま飛空艇を追って行った。
アリジゴクはあともうすぐ...。
そんな中、夜潮は一言どうしても気になった事を呟く。
「お嬢...あんたに眠る力、一体なんなんだよ?
帝が手元に置こうとする、その力は...」
「ガンヴェルクには入ったよ!このまま西のアリジゴクまで...」
アサギが操縦桿を握りながら勢いよく声を掛けると夜潮が険しい顔で指を口に当て「静かに」というジェスチャーを送る。
「2人もやはり違和感を感じるか。」
「ですね。殺気?いえ、それとも違う...?
ともかく私達にとって良いものではないのは間違いないですが。」
隣に座っている雷雅、トフェニスもイヌ科由来の嗅覚や聴覚を活かして異変に気付く。
「ちょっと!怖い事言ってないでよ!こんな上空に現れるなんて昇陽の人でもない限り有り得ないでしょ!?」
不意に明確になる気配。
飛空艇に並走するかのように俊敏な飛行を以て彼らにとっての不吉の使者がその空気に不釣り合いな明るい声で話しかける。
「やっぱりバレちゃうかー。それもそうですよね、先代さんとイヌが2匹ですもんね。」
桜色の浴衣、顔には花札「桜に幕」を模した面布に素顔を隠し異常とも言える速度で羽ばたかせる翼と瞬間移動のような飛行を見せる少女がそこに居た。
「花札...御庭番衆!!」
雷雅が拙いといった様子で苦い表情を浮かべ札を懐から取り出して構える。
「そうですそうです!雷雅様、初めまして!
私は桜ニ幕と申します!
そこに居る腑抜けな先代の後任、ですよ!」
一瞬夜潮の眉間に皺が寄りイラつきを隠せず桜ニ幕を睨み付けて低い声で返す。
「黙れ。帝なんかに従ってられるか。
昇陽はあのままじゃダメなんだよ。」
夜潮の言葉を聞くと暫く沈黙した後にはぁ、と桜ニ幕溜め息を吐くとつまらない話は止めだとばかりに話題を変える。
「まぁそんな事は今はどうでもいいんですけど皆さん、今の状況分かってます?
この飛空艇...爆発するんですよ?」
その発言を聞いたアサギは先程の夜潮以上の怒りを見せて桜ニ幕に掴み掛かるような勢いで「ふざけんな!!何私の飛空艇まで巻き込んでるの!?
爆発なんてさせない...皆、振り切るよ!!しっかり掴まって...」と、勢い任せにその場から逃げようとするも雷雅はアサギの肩に手を置き真剣な眼差しを向けて言う。
「待って頂きたい。恐らく彼奴の口ぶり、態度から察するにこの飛空艇の動力部分に爆弾が設置されている可能性は高い。」
その推察を耳にすると桜ニ幕はにんまりと笑みを浮かべ楽しそうな声で反応を示す。
「さっすがは雷雅様~!大正解です!
あ、因みにこの爆弾は私が改良に改良を重ねた代物で爆発すると刃が散らばりまーす!お楽しみに!」
「...!?じょ、冗談じゃない!取り外して!今すぐに!!」
アサギが怒りとも焦りとも取れる表情で訴えるも桜ニ幕はけらけらと笑いながら首を横に振る。
~♫
~~♪
不意に聴こえる横笛の音。
その音に底知れぬ殺気を感じた桜ニ幕は咄嗟に移動をするが顔を覆う面布の一部が切り裂かれる。
「チッ、避けてんじゃねぇよクソガキ!」
横笛を吹き鳴らし音による斬撃を夜潮が放つが横笛の性質上、三味線程の攻撃のリーチは無い。
それを機に飛空艇を足場としてトフェニスは居合の構え、そして桜ニ幕に悟られぬよう雷雅は式神を使役して爆弾の位置を探ろうとする。
「簡単にはいかないと分かってたけどなぁ。
帝、桃ちゃんを貴方達から離したがってる....だから少し強引な手段取っちゃうよ?」
単騎である以上油断は出来ない、そう判断すると桜ニ幕は菓子袋のような袋から小型の炸裂弾をばら撒くように飛空艇に投げ付ける。
「あははは!斬れば爆発、そして爆発したら動力装置の爆弾も誘爆するよー!?
躱せる!?爆死する!?どうしちゃう!?」
「うるさい後任だな、オイ!!
んな物は全部、蹴り出すに決まってんだろ!!!!」
投げ出された炸裂弾を一つ残らず蹴り払い飛空艇の圏外で爆発させる。
「仲間の飛空艇だぞ?壊させるわけないだろうがよ....ほら、来いよ後任。
俺がお前の実力ってやつを審査してやるよ、先輩としてな。」
三味線、横笛を置いて夜潮は飛空艇の外に出て桜ニ幕と向かい合う。
桜ニ幕の前任者・夜潮。
かつて花札御庭番衆として蹴り技による暗殺を得意としていた男。
そして三味線や横笛は御庭番衆を抜ける際に得た技術である。
「どこまでも馬鹿にしていますね....許さない!
大人しく皆で爆死してれば良かったのに、つまらない人だなぁ!」
菓子袋から大量の爆弾を夜潮に投げるもそれによる爆発は回避するも夜潮の背中、翼に無数の棒状手裏剣が突き刺さる。
「....っ!?な、何だこりゃ!?
クソ、爆発によるパワーで中々深いじゃねぇか、シンプルに痛ぇ!」
翼の負傷で一瞬バランスを崩しそうになるが更にそれを見逃さずに桜ニ幕は手裏剣を投げる。
「あなたが此処でダウンすれば後は紙人形と砂漠の将軍だけですもんねぇ?だから確実に仕留めちゃいますね!」
夜潮は紙一重で手裏剣を回避して少しずつ桜ニ幕との距離を詰めていく。
自身の周りには爆弾や炸裂弾は投げない、爆弾使いの基本を予想しながら。
その頃飛空艇ではトフェニスのイヌ科故に発達した嗅覚と雷雅の式神により桜ニ幕が仕掛けた爆弾を探す。
「火薬の匂いはします...しかし、先程の炸裂弾から散った火薬の匂いも含まれたり、この高度の風からなかなか特定できません!」
トフェニスが困ったようにそう言いながら雷雅に伝えるが雷雅も雷雅で紙の式神を動かせる高度ではないため動力装置の場所や爆弾をなかなか発見できない。
「トフェニスさん、雷雅さん...見つからなかったらマジで怨みますよ?」
「だ、大丈夫だ...心配はしなくていい、必ず貴女もこの飛空艇も無事を約束しよう。」
遠くから聞こえる爆発の応酬は止まずに昇陽の最強戦闘機関の対決が肌で感じられるその時、トフェニスが歓喜の声を上げる。
「見つけた!!動力装置の下、多分これで合ってるみたいです!」
「感謝する。よし、これより爆弾を取り外す!」
式神に指示を出しつつも桜ニ幕の察知圏外から正確な場所へと式神を飛ばして爆弾を解除して飛空艇の外に広がる空へと投げ捨てる。
ドッッカーーーン!!
遠く離れゆく中でもその音は大きく聴こえて桜ニ幕は夜潮を精神的に煽る。
「ほらほら!聴こえましたか!?最高の爆弾花火~!
いやぁ、全員臓物を撒き散らしながら花火のように儚く消えちゃったんじゃないですか?」
「テメェ...マジで許さねぇぞ!!」
桜ニ幕に向けた渾身の蹴りは外す事になり代わりに先程の爆弾入りの菓子袋がふわふわと浮かんでおり本人は既に逃げた後のようで爆弾入り菓子袋は相手の迂闊な攻撃への牽制として使用される。
そう、まさにこのような状況が使いどきだったのだろう。
夜潮はすぐさま飛空艇を追って行った。
アリジゴクはあともうすぐ...。
そんな中、夜潮は一言どうしても気になった事を呟く。
「お嬢...あんたに眠る力、一体なんなんだよ?
帝が手元に置こうとする、その力は...」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる