私は夢を診る

にゃんこ缶

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夢と現実4

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校内では今朝のニュースで持ちきりだった。同年代の不可解な死は非日常で魅力的な話だろう。

「その報道があった家、この学校の近くらしいよ。」

「集会なんて開かないでさっさと帰ろうよ。せっかく早起きしたのに意味ないし。」

今朝の事件のせいか、クラスの半数がいない。学校の近くでの事件ということで、警戒した親が登校させなかったのだろう。
8時30分。普段は担任の事務連絡の時間に割り当てられているが、皆体育館に集合する。以前はグラウンドで集会を行っていたらしいが、貧血で倒れる生徒が続出していたため、空調設備の整った室内での集会が義務付けられている。

全生徒が着席したことを確認し、校長が壇上に上がる。

「皆さんの貴重な学習時間を割いて集会を開いたことをお詫び申し上げます。
本日集まっていただいたのは、今朝のニュースについてお話があるからです。すでに気付いている方もおられるでしょう。我が校の3年生が亡くなりました。非常に残念なことです。犯人がいると明言されておりませんが、当校は本日を含めた4日間学校を閉鎖します。」

周囲のざわつきに校長は言葉を止めた。泣き声や怒りの叫び。受験や部活など、様々なことを気にする声が飛び交う。

「これは、警察の方と話し合った結果です。部活動の試合や大会がある場合は担当の先生の指示にしたがってください。このようなことになり、不自由をかけますがご協力のほどお願いします。」

集会のあと、大急ぎで作ったに違いない宿題の内容が書かれたプリントを受け取り、クラス順に下校が開始された。門の外にはすでにパトカーが数台止まっていた。

「3日間早起きしなくてすむのはいいが、これはちとヤバイね。」

パトカーの台数が多いのは、たぶん学校中を見回るためだろう。想像以上の規模だ。不可解な死と報じられるほど、不審者の姿を見たものも見つかっていないとなると、学校側も疑われて当然だろう。
自転車置き場から自転車を発進させると、目の前に警官が現れた。思わずブレーキを掛け、警官を見た。下から見上げる形となり、警官からは睨み付けるように見えたかも知れない。
失礼なやつだと思われる前に一言「すみません。」と謝罪した。

「こちらも考え事をしていて気づけなかった。すまない。」

警官は慌てて校内へ入っていった。挙動不審な動きをしており、少し不審にも思えた。

帰宅した時刻は9時40分頃。すぐに家の電話がなった。公衆電話からのようで番号は表示されていなかった。

「もしもし、格清です。」

「あ、もしもし?南です。よかったー、家にいて。大した用事じゃないんだけど、次の登校日田渕さん日直だから早起きしなさいって伝えておいてくれるかな?
それじゃあ、よろしくね?」

一方的に電話を切られ、用件をメモに残す。
しかし、なぜ私に伝えたのだろうか。幼馴染であれば連絡先くらい知っているだろう。それに、大河は携帯電話を持っていたはずだ。
謎が深まる一方なので、頼まれた用件を知代に送る。





また真っ暗だ。
どこまでも闇。
一転の光すらささない完全なる孤独。

(的場静枝。生きてて楽しいか?)

声が聞こえる。今度は途切れていない。

(辛い。部活ではレギュラーに選ばれない。いくら練習しても報われない...こんなの嫌だ!)

少女の声が続けて聞こえてきた。近くにいるようだ。自分の夢なのに自由に動くことができない。やっとの思いで踏み出した一歩。しかし、体は進むことを躊躇っているのか、緊張してこわばっていた。

(では、私の手を取れ。夢を叶えてやる。)

真っ暗な空間に光が指し、中学生くらいの背格好の少女が幸せそうな顔をしているのが見えた。同時に涙を流し光を失った。



気がつくと朝になっていた。学校はないが、体が早起きになれてしまっているようだ。
テレビをつけると、ニュースが流れていた。それは、私にとって驚愕であった。昨日に引き続き死者が出た。驚いたのはその事ではない。犠牲となったのは中学生の女の子。名前は的場静枝。



昨晩見た、夢に出てきた女の子だった。
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