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020 謎の声
ダンジョンの最奥で、自死とボス討伐を繰り返すこと数年。
ここにきて初めてとなる想定外の出来事に遭遇した俺は、思わず眉を潜めた。
「ダンジョンエラーが、発生しました……?」
それが何を指しているのか分からず困惑していると、突如して警告音が収まる。
そして、まるでその代わりかのように――
『――エラーの修復が完了しました』
『60分後、ダンジョン【黒きアビス】は完全に消滅します』
続けて、そんなシステム音が響き渡った。
ダンジョンエラーとは異なり、この現象に関しては俺に心当たりがあった。
「ダンジョンの消滅か。そっちなら聞いたことがあるぞ」
世界中に点在する、様々なダンジョン。
それらに共通している現象が、発生から一定期間が経過した後、突如として消滅するというもの。
発生から消滅までにかかる期間はかなり幅があるが、人気なダンジョンほどそのペースは速いと言われている。
高名な学者いわく、どうやらダンジョンごとに攻略報酬の限界回数が決まっており、そこに達したものから消滅していくのではないか――そう推測されていた。
もっとも、ダンジョンのほとんどは消滅まで10年以上の期間を要する。
早いものでも、まず5年はかかるのが常識だ。
その点、この【黒きアビス】は発生からまだ2年しか経っていないわけだが……
その理由は、考えるまでもなかった。
「俺が無限再生を使って、それこそ無限に報酬を獲得してたからな。そのせいで消滅までのペースが格段に早まったんだろう」
まあ、ダンジョンに仕組みはどうでもいい。
いま大切なのは、これ以上このダンジョンには留まれないという事実のみ。
ダンジョンが消滅した際、内部にいる人間も一緒に消滅してしまうのだが、その後どうなるかは誰も知らない。
「……どうやら、ここから出る時が来たみたいだな」
俺が小さくそう呟きながら、現在のステータスを確認しようとした――その時。
『――――裁き――要』
――突然、どこかからそんな声が聞こえた気がした。
まるで妨害魔法でもかけられているかのように、不明瞭な声。
「なんだ?」
疑問に首を傾げる俺に応じるように、それは続く。
『想定外』『有り得ぬ事態が起きた』『このようなことは許されない』『ただ一人で寵愛を独占するとは』『汝は咎人』『罪を背負うべき存在』『許せない』『世界への冒涜』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない――――
――――必要』
『――――神の裁きが、必要である』
そこまでを言い切ったかと思えば、音声はブツリと途切れた。
ここにきて初めてとなる想定外の出来事に遭遇した俺は、思わず眉を潜めた。
「ダンジョンエラーが、発生しました……?」
それが何を指しているのか分からず困惑していると、突如して警告音が収まる。
そして、まるでその代わりかのように――
『――エラーの修復が完了しました』
『60分後、ダンジョン【黒きアビス】は完全に消滅します』
続けて、そんなシステム音が響き渡った。
ダンジョンエラーとは異なり、この現象に関しては俺に心当たりがあった。
「ダンジョンの消滅か。そっちなら聞いたことがあるぞ」
世界中に点在する、様々なダンジョン。
それらに共通している現象が、発生から一定期間が経過した後、突如として消滅するというもの。
発生から消滅までにかかる期間はかなり幅があるが、人気なダンジョンほどそのペースは速いと言われている。
高名な学者いわく、どうやらダンジョンごとに攻略報酬の限界回数が決まっており、そこに達したものから消滅していくのではないか――そう推測されていた。
もっとも、ダンジョンのほとんどは消滅まで10年以上の期間を要する。
早いものでも、まず5年はかかるのが常識だ。
その点、この【黒きアビス】は発生からまだ2年しか経っていないわけだが……
その理由は、考えるまでもなかった。
「俺が無限再生を使って、それこそ無限に報酬を獲得してたからな。そのせいで消滅までのペースが格段に早まったんだろう」
まあ、ダンジョンに仕組みはどうでもいい。
いま大切なのは、これ以上このダンジョンには留まれないという事実のみ。
ダンジョンが消滅した際、内部にいる人間も一緒に消滅してしまうのだが、その後どうなるかは誰も知らない。
「……どうやら、ここから出る時が来たみたいだな」
俺が小さくそう呟きながら、現在のステータスを確認しようとした――その時。
『――――裁き――要』
――突然、どこかからそんな声が聞こえた気がした。
まるで妨害魔法でもかけられているかのように、不明瞭な声。
「なんだ?」
疑問に首を傾げる俺に応じるように、それは続く。
『想定外』『有り得ぬ事態が起きた』『このようなことは許されない』『ただ一人で寵愛を独占するとは』『汝は咎人』『罪を背負うべき存在』『許せない』『世界への冒涜』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない』『許せない――――
――――必要』
『――――神の裁きが、必要である』
そこまでを言い切ったかと思えば、音声はブツリと途切れた。
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