外れスキル【無限再生】が覚醒して世界最強になった ~最強の力を手にした俺は、敵対するその全てを蹂躙する~

八又ナガト

文字の大きさ
22 / 87

022 圧倒

 ――約2年前、俺は無知だった。
 周りにいる人間が自分に対して何を思っているかも知らず、ただ無邪気に笑い続けていた。

 そんな当時の俺は、この場所――ダンジョン【黒きアビス】に存在する罠部屋トラップ・ルームで全ての真実を知り、そして絶望することとなった。

 俺が何に絶望したのか。
 アルトたちの裏切り?
 確かにショックは受けたが、それは絶望と少し違う。
 俺が本当の意味で恐怖を抱いた対象は、たった一つ――――



「グルゥゥゥアァアァァァァァッ!!!」
 


 ――――咆哮が、罠部屋トラップ・ルームいっぱいに響き渡る。
 ダンジョンそのものを揺らしているのではないかと錯覚させるほどの威圧感を放ちながら、とうとうは現れた。

 高さはあの時よりも大きく、6メートルには達するだろうか。
 全身が漆黒の靄に包まれており、右手には一振りの大剣が握られていた。
 もっとも、魔物のサイズが大きすぎるせいで相変わらず短剣にしか見えないが。

 禍々しい気配。
 そして圧倒的な重圧感。
 醸し出す魔力オーラは、かつての記憶を塗り替えるほどに絶大だった。

 俺はのステータスを確認する。


 ――――――――――――――

【ネクロ・デモン】
 ・レベル:10000(MAX)
 ・エクストラボス:【黒きアビス】

 ――――――――――――――


 結果はなんと、レベル10000。
 2年前とは比べ物にならないほどの強さを誇っていた。
 レベルが前回と異なっているのは見た目から予想した通りだが、その上り幅はさすがに想定外だった。

 だけど俺はその結果を見ても取り乱すことはなく、冷静に分析を続ける。

「なるほどな。ここのエクストラボスは挑戦者を確実にほふるために存在する。だからこそ、挑戦者に合わせたレベルの個体が出現するようになっているのか。そしてその上限が10000レベルだったと……」

 俺がレベル1000に匹敵するステータスを手に入れた時、その拍子で挑戦しなかったのは今思えば正解だった。
 この様子を見るに10000とはいかずとも、かなり高レベルの個体が出現していたはずだ。
 そうなった場合、間違いなく俺は死に絶えていただろう。

 そこまでの分析を終え、小さく首を振った。

「まあいい。この程度、これまでの地獄に比べたら大したことじゃない」

 そんな俺の呟きが癇に障ったのか。
 ネクロ・デモンが纏う漆黒のオーラが激しく揺れた。

 そして、

「グルォォォオォォォォォ!!!」

 裂帛の気合いとともに、ネクロ・デモンは大剣を高く振り上げた。
 ゴウッと、馬鹿げた膂力で大気を押し分けながら、漆黒の刃が勢いよく俺に向かって振り下ろされる。

 だが、その刃が俺に届くことはない。

「――――遅いな」

 鋭い剣閃が瞬いた直後、

「――ッッッ!?!?!?!?!?」

 ネクロ・デモンは右腕を振り切った後、ようやくその先に手応えが存在しないことを気付いたみたいだ。
 動揺の素振りを見せながら、必死に痛みを堪えている。
 どうやら何をされたかは未だに分かっていないようだが、俺がしたのは極めて単純なことだった。

 まず、俺はネクロ・デモンの振り下ろしからコンマ数秒遅れで骨短剣を軽く振り上げた。
 行動の早さも、武器の質も、俺が勝っている点は一切ない。
 それでも、この攻防で優ったのは俺だった。
 この2年間で鍛え上げられた俺のステータスが、その一切合切を軽々と凌駕してみせたからだ。

 それに今の俺は、ステータスだけじゃなく優秀なスキルを幾つも所有している。


 ――――――――――――――

 【自傷セルフ・の契約サクリファイス
 ・エクストラスキル
 ・自傷を行い、減少したHPの%分だけ全パラメータが一時的に上昇する。

 ――――――――――――――

 【飢餓の忘心ハングリー・バーサク
 ・エクストラスキル
 ・空腹時、防御力を大きく減少させ、その代わり攻撃力を大きく上昇させる。

 ――――――――――――――


 自傷を行うことで全パラメータを上昇させるエクストラスキル【自傷セルフ・の契約サクリファイス】。
 この罠部屋に足を踏み入れる直前、もしもの時を考えて50%ほどHPを削っておいたのだ。
 そのおかげで俺は今、通常の1.5倍の攻撃力と速度を発揮できる。

 加え、この半年で新しく獲得した【飢餓の忘心ハングリー・バーサク】。
 空腹時、攻撃力を大幅に上げることができるエクストラスキルだ。こちらの倍率は最大で50%。
 代償として防御力は減少するが、そもそも敵との力量差があり攻撃を喰らわない状況なら何のデメリットにもならない。
 

 俺は右腕を失い狼狽えるネクロ・デモンを見ながら小さく笑った。
感想 1

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

俺のレベルが常人では到達不可の領域にある件について ~全ユーザーレベル上限999の中俺だけレベル100億いった~

仮実谷 望
ファンタジー
ダンジョンが当たり前のようにある世界になって3年の月日が流れてずっとダンジョンに入りたいと願っていた青年が自宅にダンジョンが出現する。自宅の押し入れにダンジョンが出現する中、冷静に青年はダンジョンを攻略する。そして自分だけがレベル上限を突破してレベルが無尽蔵に上がり続けてしまう。そうしていづれは最強への探索者として覚醒する青年なのであった。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。

桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

【完結】異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』 見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装… 俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。 突然の事で戸惑うクラスメート達… だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。 「またか…」 王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。 そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。 そして俺はというと…? 『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』 「それよりも不知火君は何を得たんだ?」 イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。 俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。 その場にいた者達は、俺の加護を見ると… 「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。 『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』 王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。 まぁ、その方が気楽で良い。 そして正義は、リーダーとして皆に言った。 「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」 正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。 「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」 「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」 「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」 「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」 「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」 「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」 「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」 俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。 「その…鎧と剣は?」 「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」 「今迄って…今回が2回目では無いのか?」 「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」 俺はうんざりしながら答えた。 そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。 いずれの世界も救って来た。 そして今度の世界は…? 6月22日 HOTランキングで6位になりました! 6月23日 HOTランキングで4位になりました! 昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°. 6月24日 HOTランキングで2位になりました! 皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m