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第18話:素材の選別
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数日が過ぎ、カイザとアイリの関係はさらに深みを増していた。
毎夜、月明かりが寝室を照らす中、カイザはアイリを自分のそばに引き寄せ、彼女の心と体を完全に掌握するかのように振る舞った。
アイリは最初、わずかな戸惑いを見せていたが、カイザの言葉と触れる手に導かれるたび、その抵抗は溶けるように消えていった。
彼の低く響く声、鋭い視線、そして時折見せる意外な優しさが、彼女を彼の存在に縛り付けていた。
カイザにとって、この数日間は彼の支配力を試す時間だった。
アイリの従順さは彼の自尊心を満たし、彼女が自分に依存する姿は彼の内なる炎をさらに煽った。夜ごと、アイリが彼の腕の中で小さく震え、彼の名を呼ぶたびに、カイザの胸には征服の快感が広がった。
彼は彼女の全てを理解し、彼女の心の奥底にまで手を伸ばし、自分のものとして刻み込む。
「私の剣だ」と囁くたび、アイリの瞳に宿る信頼と服従が、彼の心を絶頂の満足で満たした。
一方、アイリはカイザとの夜を重ねるごとに、彼の存在が自分の世界の中心になっていくのを感じていた。
彼の腕の中で過ごす時間は、彼女に安心と居場所を与えた。
だが、同時に、彼女の心のどこかでは微かな疑問が芽生えつつあった――この関係は、彼女自身の意志なのか、それともカイザの力に飲み込まれた結果なのか。
その疑問は、しかし、カイザの熱に触れるたびに霧散し、彼女はただ彼に身を委ねることを選んだ。
昼間、カイザはアイリに剣の稽古を課し、彼女の動きを厳しく、しかし的確に指導した。
「もっと鋭く、アイリ。お前の刃は私そのものだ。」
彼の言葉は、稽古場でも寝室でも変わらず、彼女を彼の延長として鍛え上げた。
アイリは懸命にその期待に応えようとし、汗と努力で自分を証明しようとした。
その姿を見て、カイザは内心で満足げに微笑む。
彼女は彼の剣であり、彼の意志を体現する存在――その確信が、彼の欲望をさらに掻き立てた。
数日目の夜、カイザはいつものようにアイリを寝室に導き、彼女を抱き寄せる。
「よくやった、アイリ。お前は私の期待を超えている。」
彼の声は柔らかく、しかしどこか絶対的な力を帯びていた。
アイリは彼の胸に顔を埋め、小さく頷く。
「カイザ様のために……私は、なんでもします。」
その言葉に、カイザの唇に勝利の笑みが浮かぶ。
彼は彼女の髪を撫で、耳元で囁く。
「それでいい。ずっと私のそばにいろ。」
この数日間、二人の関係はまるで剣と鞘のように一体化し、互いを補完し合うものとなっていた。
だが、カイザの心の奥では、新たな野望がすでに芽生えつつあった。
アイリは彼のものだが、彼の欲望は決して止まることを知らない。
彼女を完全に掌握した今、彼の目はすでに次の標的を見据え始めていた。
「これでこの道場に用はない。全員連れて中央に戻るとするか。だがその前に最後の獲物だ」
私の任務は、中央にとって有益となる戦士の選別と育成だ。
その目的のために、各地から“使えそうな人材”を集めては、段階的にふるいにかけている。
現在、進行している実験は二種。
ひとつは、異能強化薬による潜在能力の覚醒。
これにより既存の異能素質を引き出すことが可能だが、薬剤は希少で、選ばれた適合者にしか投与できない。
過去におけるデータでは、女性の方が明らかに適合率が高い。
女性は、“変化を受け入れる能力”に長けている。
それは迷いや不安ではなく、進化の可能性だ。
ゆえに、
私は強化薬の投与対象を原則として“女性”に限定している。
使えるものは、効率的に使うべきだ。
そして何より、
強化された彼女たちは──戦力である以上に私の異能に支配されやすい
外から強制するのではなく、
“内から強くなった者たち”こそが、もっとも支配に適している。
ゆえに、もうひとつの手段が必要になる。
それが、新薬による異能覚醒の試験投与だ。
未知の異能を人為的に発現させる可能性を持つが、これはあくまで“確率の賭け”でしかない。実際、私自身はその投与を経て力を得た成功例だが――
成功率は、現時点でほぼゼロに等しい。
だが失うものはない。
素材とは、そういう存在だ。
ユウだけが違う。
彼だけは、“選んで残した”。
無能ではない。
だが、才能が突出しているわけでもない。
支配に屈しやすい性格でも、操りやすい資質でもない。
他の男たちは、比較対象として機能しない。
彼らはすでに使い捨てる側として分類された。
だがユウは違う、
この秩序が完成する最後の「検証対象」なのだ。
だから私はユウを、あえて残した。
私にすべてを奪われ絶望した心を持ったまま実験体とする。
強靭なる精神は新たな異能を呼び起こすかもしれない。
その時こそ私の異能で操り人形とする。
覚醒に失敗すれば廃棄してまた別の獲物を探しに行くまでのこと
それでも構わない。
素材が“壊れる”のは、選別の一環に過ぎないのだから。
毎夜、月明かりが寝室を照らす中、カイザはアイリを自分のそばに引き寄せ、彼女の心と体を完全に掌握するかのように振る舞った。
アイリは最初、わずかな戸惑いを見せていたが、カイザの言葉と触れる手に導かれるたび、その抵抗は溶けるように消えていった。
彼の低く響く声、鋭い視線、そして時折見せる意外な優しさが、彼女を彼の存在に縛り付けていた。
カイザにとって、この数日間は彼の支配力を試す時間だった。
アイリの従順さは彼の自尊心を満たし、彼女が自分に依存する姿は彼の内なる炎をさらに煽った。夜ごと、アイリが彼の腕の中で小さく震え、彼の名を呼ぶたびに、カイザの胸には征服の快感が広がった。
彼は彼女の全てを理解し、彼女の心の奥底にまで手を伸ばし、自分のものとして刻み込む。
「私の剣だ」と囁くたび、アイリの瞳に宿る信頼と服従が、彼の心を絶頂の満足で満たした。
一方、アイリはカイザとの夜を重ねるごとに、彼の存在が自分の世界の中心になっていくのを感じていた。
彼の腕の中で過ごす時間は、彼女に安心と居場所を与えた。
だが、同時に、彼女の心のどこかでは微かな疑問が芽生えつつあった――この関係は、彼女自身の意志なのか、それともカイザの力に飲み込まれた結果なのか。
その疑問は、しかし、カイザの熱に触れるたびに霧散し、彼女はただ彼に身を委ねることを選んだ。
昼間、カイザはアイリに剣の稽古を課し、彼女の動きを厳しく、しかし的確に指導した。
「もっと鋭く、アイリ。お前の刃は私そのものだ。」
彼の言葉は、稽古場でも寝室でも変わらず、彼女を彼の延長として鍛え上げた。
アイリは懸命にその期待に応えようとし、汗と努力で自分を証明しようとした。
その姿を見て、カイザは内心で満足げに微笑む。
彼女は彼の剣であり、彼の意志を体現する存在――その確信が、彼の欲望をさらに掻き立てた。
数日目の夜、カイザはいつものようにアイリを寝室に導き、彼女を抱き寄せる。
「よくやった、アイリ。お前は私の期待を超えている。」
彼の声は柔らかく、しかしどこか絶対的な力を帯びていた。
アイリは彼の胸に顔を埋め、小さく頷く。
「カイザ様のために……私は、なんでもします。」
その言葉に、カイザの唇に勝利の笑みが浮かぶ。
彼は彼女の髪を撫で、耳元で囁く。
「それでいい。ずっと私のそばにいろ。」
この数日間、二人の関係はまるで剣と鞘のように一体化し、互いを補完し合うものとなっていた。
だが、カイザの心の奥では、新たな野望がすでに芽生えつつあった。
アイリは彼のものだが、彼の欲望は決して止まることを知らない。
彼女を完全に掌握した今、彼の目はすでに次の標的を見据え始めていた。
「これでこの道場に用はない。全員連れて中央に戻るとするか。だがその前に最後の獲物だ」
私の任務は、中央にとって有益となる戦士の選別と育成だ。
その目的のために、各地から“使えそうな人材”を集めては、段階的にふるいにかけている。
現在、進行している実験は二種。
ひとつは、異能強化薬による潜在能力の覚醒。
これにより既存の異能素質を引き出すことが可能だが、薬剤は希少で、選ばれた適合者にしか投与できない。
過去におけるデータでは、女性の方が明らかに適合率が高い。
女性は、“変化を受け入れる能力”に長けている。
それは迷いや不安ではなく、進化の可能性だ。
ゆえに、
私は強化薬の投与対象を原則として“女性”に限定している。
使えるものは、効率的に使うべきだ。
そして何より、
強化された彼女たちは──戦力である以上に私の異能に支配されやすい
外から強制するのではなく、
“内から強くなった者たち”こそが、もっとも支配に適している。
ゆえに、もうひとつの手段が必要になる。
それが、新薬による異能覚醒の試験投与だ。
未知の異能を人為的に発現させる可能性を持つが、これはあくまで“確率の賭け”でしかない。実際、私自身はその投与を経て力を得た成功例だが――
成功率は、現時点でほぼゼロに等しい。
だが失うものはない。
素材とは、そういう存在だ。
ユウだけが違う。
彼だけは、“選んで残した”。
無能ではない。
だが、才能が突出しているわけでもない。
支配に屈しやすい性格でも、操りやすい資質でもない。
他の男たちは、比較対象として機能しない。
彼らはすでに使い捨てる側として分類された。
だがユウは違う、
この秩序が完成する最後の「検証対象」なのだ。
だから私はユウを、あえて残した。
私にすべてを奪われ絶望した心を持ったまま実験体とする。
強靭なる精神は新たな異能を呼び起こすかもしれない。
その時こそ私の異能で操り人形とする。
覚醒に失敗すれば廃棄してまた別の獲物を探しに行くまでのこと
それでも構わない。
素材が“壊れる”のは、選別の一環に過ぎないのだから。
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