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1章
異世界 01
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「はっ!?」
木々の間から差込む日光が、地面に横たわる少年の顔を照らした。
「なんだ、ここ?」
少年・コハクは、起き上がり周囲を見渡す。
そこは見知らぬ森の中であった。
「森? なんで僕は森なんかにいるんだ?」
思考を巡らし、記憶を辿るコハク。
しかし、自分が何故森に居るのか見当もつかない。
コハクの住んでいる家は都会に近く、近場に森等はない。
「あぁ、もう。どうなってるんだ・・・?」
服装は学校指定の黒い制服であった。
コハクは持ち物を確認するが、持ち歩いていた鞄はなく、ポケットには充電の切れかけたスマートフォンが入っていた。
コハクはスマートフォンで現在位置を探ろうと試みたが、スマートフォンは「圏外」と表示されていた。
その時、遠くで轟、と音が響く。
「・・・なんだろう?」
道路を走る車の音か何かだろうかと考えたコハクは、音の聞こえた方へと歩き始めた。
***
「なんだ、あれ・・・」
そこには、道路も車もない。
その代わりそこに居たのは。
見た事もない、巨大な生物。
巨大な蛇か、トカゲの様にも見えるが、しかしその身体からは昆虫の様な脚が生えている。
目にするだけで恐怖を覚える姿の生物が、森の中を暴れまわっていた。
一言で表すなら、その生物は化け物。
そしてその怪物の周囲には、剣や杖を手にした数人の人間が囲い込んでいる。
彼らは狂った様に暴れまわる生物の攻撃を避け、手にしている武器を振るい、化け物に立ち向かう。
「あ・・・」
(ありえない。現実じゃない)
木の蔭からその様子を伺っていたコハクは、その非現実な光景に目を奪われた。
(ま、まずい。ここにいるのはまずい。逃げないと)
ふと我に返ったコハクは、早くこの化け物と戦士達の戦場から離れようと、恐怖で震える手足を動かして、静かにゆっくりと立ち上がる。
その時。
「おい、そこの奴」
「・・・っ!」
突然、背後から女性の声で呼びかけられる。
「ゆっくりこっちを向け」
言われる通りに、コハクは恐る恐る後ろを振り返る。
そこに立っているのは鎧に身を包んだ女性だった。
手にしている剣や、その様子から、恐らく向こうで戦闘を行っている戦士の仲間だと見える。
「少年、名前は?」
「え、ええっと。コハクと申します」
コハクは困惑しながら名前を告げる
「何処の国から来た?」
「え、えっと。日本、ですけど」
「日本か。詳しい話はヴァーリアに戻ってからする。ついてこい」
「え、ヴぁー、りあ? 異界人って?」
「説明は後だ。死にたくないなら、私についてこい」
状況を理解出来ないコハクだが、今はこの女性の戦士の言う通りついていくことにした。
もしあのデカイ化け物に襲われれば、一人では何もできずにエサとなる事は容易に想像出来たからだ。
(もしかして、だけど。ここって)
異世界。
コハクの頭に、異世界という単語が浮かんだ。
女性戦士の後を追って、少し見晴しの良い道に出る。
すると、前方の道脇に、ローブに身を包んだ人影がうずくまっている姿が見える。
「待て。あのローブ・・・我々の仲間の魔術士だ」
女性の戦士はコハクに留まっているよう指示を出すと、うずくまっている人影へ近付く。
「おい、どうした? 怪我をしたのか?」
女性の戦士はうずくまっている人物へ呼びかける。
すると、まるで魔法使いの様なローブに身を包んでいるその人物がゆっくり立ち上がりこちらを向く。
「・・・うっ!?」
女性戦士から、驚愕の声が漏れる。
何故なら。
振り向いた人物の顔には目や鼻はなく、付いているのは大きな口に、
そして甲殻類の脚を思わせる何かが無数に生えていたからだ。
女性の戦士は剣を抜くが、しかし。
化け物と距離が近過ぎる。
剣が振るわれるより先に、化け物は女性戦士の首へ喰らい付く。
そして女性戦士が悲鳴を上げる間もなく、化け物は彼女の頭部を引きちぎる。
「あ、あ、ぁ、ぁぁぁぁ・・・!」
コハクは、化け物が女性戦士に喰らい付く光景を、震えながら眺めていた。
「ひっ・・・!? 何? 何が・・・!?」
コハクは冷静さを保とうと、起きた出来事をひとつひとつ思い出す。
突然森の中に放り出され、そこでは化け物と戦士が戦っていて、女の戦士に出会って。
そして彼女は、怪物に頭部を引きちぎられ、死んだ。
コハクにはそれ以上思考することが出来なかった。
「・・・ひっ!?」
いつの間にか、コハクの周囲には化け物が集まってきている。
人の姿をしているようだが、先程の化け物と同様、頭部は人間のものではなく化け物であった。
(死ぬ)
唯一、この状況でコハクが理解出来たのは、死であった。
(喰われる)
コハクは、なんてあっけない最期だろう。と感じた。
(殺される)
きっと、物語の主人公になれなかった者は、こんな情けない最期を迎えるのだろうなと。
その時、風が吹いた。
木々が大きく揺れる程の突風。
コハクには、そう感じられたが、しかしそれは。
突風などではない。
木々の間から差込む日光が、地面に横たわる少年の顔を照らした。
「なんだ、ここ?」
少年・コハクは、起き上がり周囲を見渡す。
そこは見知らぬ森の中であった。
「森? なんで僕は森なんかにいるんだ?」
思考を巡らし、記憶を辿るコハク。
しかし、自分が何故森に居るのか見当もつかない。
コハクの住んでいる家は都会に近く、近場に森等はない。
「あぁ、もう。どうなってるんだ・・・?」
服装は学校指定の黒い制服であった。
コハクは持ち物を確認するが、持ち歩いていた鞄はなく、ポケットには充電の切れかけたスマートフォンが入っていた。
コハクはスマートフォンで現在位置を探ろうと試みたが、スマートフォンは「圏外」と表示されていた。
その時、遠くで轟、と音が響く。
「・・・なんだろう?」
道路を走る車の音か何かだろうかと考えたコハクは、音の聞こえた方へと歩き始めた。
***
「なんだ、あれ・・・」
そこには、道路も車もない。
その代わりそこに居たのは。
見た事もない、巨大な生物。
巨大な蛇か、トカゲの様にも見えるが、しかしその身体からは昆虫の様な脚が生えている。
目にするだけで恐怖を覚える姿の生物が、森の中を暴れまわっていた。
一言で表すなら、その生物は化け物。
そしてその怪物の周囲には、剣や杖を手にした数人の人間が囲い込んでいる。
彼らは狂った様に暴れまわる生物の攻撃を避け、手にしている武器を振るい、化け物に立ち向かう。
「あ・・・」
(ありえない。現実じゃない)
木の蔭からその様子を伺っていたコハクは、その非現実な光景に目を奪われた。
(ま、まずい。ここにいるのはまずい。逃げないと)
ふと我に返ったコハクは、早くこの化け物と戦士達の戦場から離れようと、恐怖で震える手足を動かして、静かにゆっくりと立ち上がる。
その時。
「おい、そこの奴」
「・・・っ!」
突然、背後から女性の声で呼びかけられる。
「ゆっくりこっちを向け」
言われる通りに、コハクは恐る恐る後ろを振り返る。
そこに立っているのは鎧に身を包んだ女性だった。
手にしている剣や、その様子から、恐らく向こうで戦闘を行っている戦士の仲間だと見える。
「少年、名前は?」
「え、ええっと。コハクと申します」
コハクは困惑しながら名前を告げる
「何処の国から来た?」
「え、えっと。日本、ですけど」
「日本か。詳しい話はヴァーリアに戻ってからする。ついてこい」
「え、ヴぁー、りあ? 異界人って?」
「説明は後だ。死にたくないなら、私についてこい」
状況を理解出来ないコハクだが、今はこの女性の戦士の言う通りついていくことにした。
もしあのデカイ化け物に襲われれば、一人では何もできずにエサとなる事は容易に想像出来たからだ。
(もしかして、だけど。ここって)
異世界。
コハクの頭に、異世界という単語が浮かんだ。
女性戦士の後を追って、少し見晴しの良い道に出る。
すると、前方の道脇に、ローブに身を包んだ人影がうずくまっている姿が見える。
「待て。あのローブ・・・我々の仲間の魔術士だ」
女性の戦士はコハクに留まっているよう指示を出すと、うずくまっている人影へ近付く。
「おい、どうした? 怪我をしたのか?」
女性の戦士はうずくまっている人物へ呼びかける。
すると、まるで魔法使いの様なローブに身を包んでいるその人物がゆっくり立ち上がりこちらを向く。
「・・・うっ!?」
女性戦士から、驚愕の声が漏れる。
何故なら。
振り向いた人物の顔には目や鼻はなく、付いているのは大きな口に、
そして甲殻類の脚を思わせる何かが無数に生えていたからだ。
女性の戦士は剣を抜くが、しかし。
化け物と距離が近過ぎる。
剣が振るわれるより先に、化け物は女性戦士の首へ喰らい付く。
そして女性戦士が悲鳴を上げる間もなく、化け物は彼女の頭部を引きちぎる。
「あ、あ、ぁ、ぁぁぁぁ・・・!」
コハクは、化け物が女性戦士に喰らい付く光景を、震えながら眺めていた。
「ひっ・・・!? 何? 何が・・・!?」
コハクは冷静さを保とうと、起きた出来事をひとつひとつ思い出す。
突然森の中に放り出され、そこでは化け物と戦士が戦っていて、女の戦士に出会って。
そして彼女は、怪物に頭部を引きちぎられ、死んだ。
コハクにはそれ以上思考することが出来なかった。
「・・・ひっ!?」
いつの間にか、コハクの周囲には化け物が集まってきている。
人の姿をしているようだが、先程の化け物と同様、頭部は人間のものではなく化け物であった。
(死ぬ)
唯一、この状況でコハクが理解出来たのは、死であった。
(喰われる)
コハクは、なんてあっけない最期だろう。と感じた。
(殺される)
きっと、物語の主人公になれなかった者は、こんな情けない最期を迎えるのだろうなと。
その時、風が吹いた。
木々が大きく揺れる程の突風。
コハクには、そう感じられたが、しかしそれは。
突風などではない。
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