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3章
英雄の力
しおりを挟む「うぐっ・・・ぐぁ・・・っ・・・!」
ユークリウッドの異形の腕から成る黒い刃は、式利の腹部を貫通していた。
「アリアxxにx、食わxxxせxろ・・・!」
「ぐぎぃ・・・! ぃぃ・・・!!!」
黒い刃が、式利の身体を更に深く突き刺さっていく。
式利は魔法で反撃しようとしたが、身体は震え出し、力が入らない。
その時。
ユークリウッドの顔に、一匹の羽虫が留まる。
「なんxxx、虫・・・?」
ユークリウッドが羽虫を払いのけようとした瞬間。
羽虫が自爆し、虹色の衝撃波がユークリウッドの頭部を吹き飛ばす。
「xxx!!!」
その羽虫は、コハクの使い魔だ。
「式利さんから、離れろ・・・! 化け物がぁぁぁ!!!」
そして、駆けつけたコハクが、ユークリウッドへ向かい駆ける。
ユークリウッドは、式利の身体から黒い刃となっている左腕を引き抜くと、
肩の腕を構えて、向かって来るコハクへ向け振り下ろした。
頭部がなくてもコハクの位置を把握しているのか、それは確かにコハクを狙って振り下ろされた。
「・・・ッ!!!」
コハクの肩を保護している鎧を、ユークリウッドの腕が掠め、火花が散る。
「グxxxァxxx!!!」
ユークリウッドが続けて黒い刃を振るったが、コハクの身体を覆う鎧がそれを弾く。
そして、コハクの放つ至近距離からの魔法が、ユークリウッドの異形の左腕を散らせる。
だが、ユークリウッドは今度こそコハクを仕留めようと、肩の腕を振り上げた。
「そうは、させ、ません・・・!!!」
だが、ユークリウッドの腕は魔法の鎖に絡め取られた。
「さっきの、お返しです!!!」
そして放たれた虹色の衝撃波が、ユークリウッドの右腕を吹き飛ばす。
式利が、震える身体で必死に絞り出した魔法だ。
「くらえ、化け物・・・!!!」
コハクの腕がユークリウッドを捕らえ"インベイジョン"でユークリウッドの魔力に喰らい付く。
ユークリウッドの身体を構成している黒い霧が"インヴェイジョン"によって削ぎ取られていく。
「ぐォ、xxxあaaxxxア!!!」
しかし、トドメを刺すには時間が足りない。
ユークリウッドの肩の腕が魔法の鎖を引きちぎり、コハクを叩き潰そうと、禍々しい異形の腕を振り上げる。
あの腕の一撃は、盾や鎧では防ぎきれない威力だろう。
「ッ・・・!!!」
コハクはその腕から逃れようとしたが、腕が鉄槌の如く振り下ろされた。
その時、民家に突風が吹く。
神速で振るわれた剣の一閃が、ユークリウッドの肩の腕を斬りつける。
現れたのは、センリだ。
ユークリウッドが反応する間も与えず、センリは魔力を込めた一撃をユークリウッドの肩に突き刺した。
虹色の魔力が炸裂し、肩ごと禍々しい腕を斬り落とす。
「今だ!!! コハク!!!」
「うらああああああああ!!!」
コハクは盾を投げ捨て、ユークリウッドを捕えようと両手を伸ばした。
もう盾は要らないと、盾が無くても、センリが攻撃を全て斬り落としてくれると判断したからだ。
ユークリウッドは魔法を放とうと、再生しかかった腕を動かしたが。
コハクの信じた通り、センリの剣戟がユークリウッドの腕を削りとる。
コハクはユークリウッドの首元に掴み掛り、全身の力を絞り出して魔力に喰らい付いた。
「消えろ、消えろぉぉぉぉぉぉ!!!」
コハクの指がユークリウッドの身体を霧散させ、突き刺さっていく。
ユークリウッドは、まだ再生途中の顔を動かし、憎悪に満ちた眼光でコハクを威圧するが。
コハクは奪った力を自身の力に変換し、更に勢いを増して魔力を喰らう。
・・・そして。
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