二十日過ぎの思いやり

未知之みちる

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《 序 》

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「貴方の剣と成り合う盾となりましょう」

 そう言った後、彼女は、はにかんだ。

 まるで男側が告げるべき言葉だと彼は思いながらも、言葉のいさぎよさに目を見開き、そして目を細めた。恥らしく微笑んだ姿はまるで可愛らしいのに、うるわしさの中に潜むつつましさに心を惹きつけられた。

 この国では伴侶とする男性を立てることこそ女性の妙とされている。





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