桜は君の無邪気な笑顔を思い出させるけれど、君は今も僕を覚えていますか?

星村桃摩

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第24話〜目覚め〜

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  何度もあなたを追って死のうと思ったけれど、私にはそれがどうしても出来なかった。


 あなたが命をかけて守ってくれたからーー。


 あなたが守ってくれたこの命を大切にして、私はこの生涯を生き抜きます。


だから約束の場所に行くのには少し時間がかかるけれど、いいよね……?


湊尹――……。













桜は何度も咲いては散る。

千年の時が流れても


 廻り廻る時の中で

 世界は少しずつ色を変え、
 歴史は積み重ねられて行くーー。


 一歩先の未来さえ見えないそんな闇に襲われても……。


私は絶対にあなたを見失わない。




時空を越えて今……



 私は再びあなたと廻り合う為に――……










「―……ま……ちゃん…!」

「舞桜ちゃん…!」


 私はうっすらと目を開けた。

 蛍光灯の光が眩しくて何度も目をしばたたかせる。


 三人の友達が布団に横になった私を囲んで見下ろしている。皆泣きそうな顔をしていた。


「舞桜ちゃん良かった……!心配したんだよ……」


 由利の目が赤い。里奈が私のおでこを触って「熱は引いたね」と春ちゃんに言った。


「……私、どうしたの……?」

 体を起こそうとした私はあまりのダルさに目眩を覚えた。由利が手を貸してくれる。


「おお、目を覚まされましたな」


 突然男の人の声が聞こえて私たちは振り返った。


「はい……!ありがとうございます!」


 里奈たちが頭を下げたその男性は、初老の僧侶だった。

「……!」


 私の心臓が乱れた。

 ハッとして辺りを見渡す。

 この空気

 この建物

 この……気配!


ここは、あの寺だ……!
長い夢の……

(夢―ー……?)

 私は拳を握りしめた。
夢などではないはずなのに……!


「―ーえ?ちょ……っ舞桜!?」

 居てもたってもいられずに無理やり立ち上がった私を里奈と由利が止めた。


「―ー……湊尹……」


「ちょっと!どこに行く気なの!?あんた倒れたんだよっ!」
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