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第二章
50 薬屋・黒猫へ 1
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リュカとリリーがカミーユの店を訪れたのは、『こういう事は、きちんと準備をしてからでなくては』という考えのリュカが時間をかけて計画を立て、事件から十日後の事となった。
当日の朝、まずリュカは「今日は帰ったらすぐ出かける。場合によっては戻らない」とロイドに伝えた。
「かしこまりました、旦那様。ですが……お屋敷に、お連れになってはいかがですか? 詮索はいたしませんので。なんでしたら、使用人全て、自室に戻らせますし」
リリーに逢いに行くと勘違いしたロイドにはそう言われてしまったが、『まあ、勘違いされていた方が都合がいい』とリュカは否定しないでおいた。
一方リリーは、暗くなってから猫の姿のままそっと屋敷を脱出。
さりげなく、リリーの着替え一式を持って馬で出かけるリュカと合流し、街へ向かう。
猫の姿ではリュカと話しはできないが、事前に店の大体の位置は説明してあるので、リリーが猫のうちに店を目指す。
リリーはリュカの腕に抱かれ、上からマントで隠され、時々顔を出して『ニャッ』と道を指示し……、
(つ、着いた~)
久しぶりに、カミーユの店にやって来た。
『薬・茶 黒猫』という看板を確かめ、リュカが扉をノックすると、『閉店』の札が掛けられているにもかかわらず、すぐに扉が開かれた。
「お待ちしてましたよ。さあ、どうぞ」
真っ黒の飾り気のないドレスに真っ赤な口紅で、黒猫を抱いたカミーユが店の中に促した。
「初めまして。リュカ・べルナルドです。遅い時間に申し訳ない」
「いいんですよ。リリーが猫のままじゃあ、話せないですからね。わたしはカミーユ。こちらはパートナーのルウ」
「こんばんは、伯爵様。娘がお世話になっております」
当たり前のように人の言葉を話すルウに、リュカは内心驚いたが、リリーから予備知識として聞いていたので、
「とんでもない。こちらこそ彼女には色々と助けてもらっています」と丁寧に挨拶をし、
「ニャーン」
まだ猫のままのリリーも、リュカのマントから顔を出して挨拶をした。
「リリー! この間は大変だったわね」
『ルウお母さん! それにカミーユさん! この間は助けてくれてありがとうございました!』
「いいんだよ。さあ、狭い所で申し訳ないけれど奥へどうぞ」
店舗を通り、奥の部屋に進み、椅子を勧められたリュカは軽く会釈をして座った。
そのリュカの前に赤ワインの入ったグラスを置いてから、カミーユが手を伸ばす。
「早速で悪いが、ちょっとリリーを見せてもらえるかい?」
「ニャー」
リリーが『大丈夫です』というように鳴いたので、リュカはリリーを手渡した。
「ありがとう。……うん、毛並みもいいし、肉付きもちょうどいい。大切にしてもらってるようだね」
「ニャーン」
「さて、リリーが人間の姿になるまで少し時間があるから、それまでは貴方の疑問に答えましょうか、ベルナルド伯爵様」
カミーユも向かいの椅子に腰かけ、ワインを一口飲む。
リリーはテーブルの上に置かれ、すぐにルウがやってきて嬉しそうに鼻をくっつけた。
「リリー、大きくなったわね」
『ルウお母さん、元気そうで良かった』
「あなたもね。楽しくやっているようじゃない」
『はい、おかげさまで』
「伯爵様が恋人だなんて、なかなかやるわね」
『ちょーっ! お母さん!』
「え? だってそうなんでしょう? ねえ、伯爵様」
「私がリリーの恋人か、ということでしたら、ええ、そうです。私はリリーを愛しています。それで、早速なのですが、貴女方は、猫のリリーと会話する事が出来るのですか?」
リュカの言葉に、カミーユは「ああ、そうだった」とすまなそうな顔をした。
「うっかりしていた。そう、わたし達は頭の中で猫のリリーと話す事ができるのさ」
「私もそのうちできるようになるでしょうか」
「それは無理だね。わたしと、このルウが特別なんだよ。リリーからはわたし達の事、何か聞いているかい?」
「カミーユ殿については、『わたしを猫として生き返らせてくれた人』ルウ殿は『言葉が話せる猫で、わたしのお母さん』とだけ。『何が話していい事なのか、自分では判断できない』と言っていました」
「そうかい……うん、その通りだね、リリーは賢い子だよ。では、少し説明させてもらおう。見た目はこうだが、実際はかなりの年齢でね。伯爵様に対してこんな言葉遣いで悪いが、年長者という事で大目に見ておくれ。貴方も、気軽に話してくれればいい。……さて、わたしだが」
カミーユは一度言葉を切り、ワインで喉を湿らせてから言った。
「わたしは、『識る者』。なんでもできる存在ではない。ただ、他の者より多くの事を『識る者』。その知識をもって、体が死んだリリーの魂を、魂の死んだ子猫の体に入れ、再びこの世に復活させた」
「その子猫というのは、わたしの子です。馬車に轢かれて死んでしまった子から離れられず、わたしまで轢かれそうになっていたところを、リリーに救われました」
ルウが申し訳なさそうに補足をした。
「さあ、伯爵様、何か聞きたい事は?」
「……リリーが人間の姿になる時間ですが、少しずつ長くなっているようなのです。今後、リリーが完全に人間となる事はあるのでしょうか」
『えっ?』
何も自覚がなかったリリーは、驚いてカミーユを見たが、
「……それは無いだろうね。というか、人間の姿になったのも驚きでね」
渋い表情でグラスのワインを飲み干し、すぐにまた、なみなみと注ぐ。
「これはものすごく古い術でね、わたしは初めて行ったし、話でも文献でも、姿が変わったというのは聞いた事が無い」
「そうですか……」
『リュカ様ぁ……』
リュカの表情が沈んでいるように見え、リリーは不安になりながら側へ行き、腕に頭をこすりつけた。
「悪いね、こんな無責任な回答しかできなくて。理解しているつもりで術をかけてしまったわたしの失態だ」
「いえ。貴女が術をかけてくれおかげで、リリーと出会えたのですから」
リリーをテーブルから自分の腕の中へと抱き上げ、リュカは微笑んだ。
「ところで、亡くなった妻のオリヴィアですが、生前どこからか猫を譲り受ける約束をしていました。それは、貴女ですか?」
「ええ、そう。ルウの子が生まれたら、あげる事になっていた」
「オリヴィアとは、どうやって知り合ったのでしょうか」
「彼女の乳母だった者がここの常連で、その紹介さ。ほら、ここは薬屋だから」
「そうですか……彼女は」
その時、腕の中のリリーがグネグネ動き出し、
「ああ、リリーが人間に変わるようです」
そう言って、リュカはリリーを床に降ろした。
「おっと、それじゃあどんなもんか見させてもらおう」
いそいそと立ち上がるカミーユに、リュカが布袋を差し出す。
「この中に彼女の着替えが入っていますので、渡してやってくれますか」
「ん? ああ、預かりましょう」
笑顔で受け取ると、
「リリー、寝室を使うといい。扉は開いているから先に行って」
そう声をかけ、後からルウと一緒に部屋を出て行き……しばらくすると、カミーユだけ先に戻って来た。
「今着替えているところだよ。いやー、驚くね、目の前で見ると。伯爵様はよく受け入れられたね」
「驚きましたよ。剣まで突き付けましたからね。最終的には、猫のリリーにしかわからない事を言われて、納得するしかなく」
「なるほどね。いや、本当に貴方のような方で良かった。魔物として殺されてもおかしくないからね。さっきも、リリーの裸は見慣れているだろうに、見ないように気を遣っていたね。わたしは貴族や王族にはあまり良い印象を持っていないけれど、貴方のおかげで考えが変わったよ」
「……見慣れては、いませんよ、まだ」
少し赤くなりながら否定をしたリュカだったが、すぐに真剣な表情となり、小さな声で尋ねる。
「リリーの事ですが、寿命はどうなのでしょうか」
「すまないね、それもわからないよ。文献によれば、魂を移した生き物の寿命くらいは生きるはずだが」
「貴女は見た目よりかなりの年齢を言っていましたが、そういう、何か寿命を延ばす方法を知っているのでしょうか?」
「いや、それについても申し訳ないが、これ、というものは無い。ちょっと事情があってね、わたしはたまたま長生きなんだよ。まあ、今後のリリーの健康については出来る限りの事をすると約束しよう」
「ありがとうございます。それと……」
リリーがまだ戻ってこないのをチラリと確認し、「オリヴィアの事ですが……」と言葉を続ける。
「彼女は、乳母の紹介でこちらに来たのですね?」
「ああ、そうだよ」
「彼女は、どうしてこちらに?」
「そりゃあもちろん薬を買いにだよ。うちは薬屋だからね」
「どんな薬を求めに来たのでしょうか」
「女性だもの、欲しい物は色々あるさ。薬だけじゃなく、肌をきめ細やかに整えるクリームや、髪に艶を与えるオイル、いい香りの石鹸……そうだ、リリーも欲しいんじゃないかい? ねえ、リリー!」
「え? はい! なんですか?」
ちょうど着替えを済ませて戻ってきたリリーが尋ねる。
「いい香りの石鹸とかクリームとか、レースや絹を傷めず洗える洗剤とか、欲しくないかい?」
「えっ! 欲しいです! すっごく!」
「ほらね、女性が欲しい物が、ここには沢山あるのさ。おや、リリー、良く似合ってるじゃないか」
「そうですか? メイドさんの制服なんです」
リリーはニコニコとワンピースのスカートを摘まんでみせた。
「さあ! それじゃあ、今日きてもらった理由を話そうか。リリーも座っておくれ」
そう言われ、リリーはリュカの横に座わり、リリーと一緒に部屋に戻ってきたルウは、テーブルの上、カミーユの前に座った。
当日の朝、まずリュカは「今日は帰ったらすぐ出かける。場合によっては戻らない」とロイドに伝えた。
「かしこまりました、旦那様。ですが……お屋敷に、お連れになってはいかがですか? 詮索はいたしませんので。なんでしたら、使用人全て、自室に戻らせますし」
リリーに逢いに行くと勘違いしたロイドにはそう言われてしまったが、『まあ、勘違いされていた方が都合がいい』とリュカは否定しないでおいた。
一方リリーは、暗くなってから猫の姿のままそっと屋敷を脱出。
さりげなく、リリーの着替え一式を持って馬で出かけるリュカと合流し、街へ向かう。
猫の姿ではリュカと話しはできないが、事前に店の大体の位置は説明してあるので、リリーが猫のうちに店を目指す。
リリーはリュカの腕に抱かれ、上からマントで隠され、時々顔を出して『ニャッ』と道を指示し……、
(つ、着いた~)
久しぶりに、カミーユの店にやって来た。
『薬・茶 黒猫』という看板を確かめ、リュカが扉をノックすると、『閉店』の札が掛けられているにもかかわらず、すぐに扉が開かれた。
「お待ちしてましたよ。さあ、どうぞ」
真っ黒の飾り気のないドレスに真っ赤な口紅で、黒猫を抱いたカミーユが店の中に促した。
「初めまして。リュカ・べルナルドです。遅い時間に申し訳ない」
「いいんですよ。リリーが猫のままじゃあ、話せないですからね。わたしはカミーユ。こちらはパートナーのルウ」
「こんばんは、伯爵様。娘がお世話になっております」
当たり前のように人の言葉を話すルウに、リュカは内心驚いたが、リリーから予備知識として聞いていたので、
「とんでもない。こちらこそ彼女には色々と助けてもらっています」と丁寧に挨拶をし、
「ニャーン」
まだ猫のままのリリーも、リュカのマントから顔を出して挨拶をした。
「リリー! この間は大変だったわね」
『ルウお母さん! それにカミーユさん! この間は助けてくれてありがとうございました!』
「いいんだよ。さあ、狭い所で申し訳ないけれど奥へどうぞ」
店舗を通り、奥の部屋に進み、椅子を勧められたリュカは軽く会釈をして座った。
そのリュカの前に赤ワインの入ったグラスを置いてから、カミーユが手を伸ばす。
「早速で悪いが、ちょっとリリーを見せてもらえるかい?」
「ニャー」
リリーが『大丈夫です』というように鳴いたので、リュカはリリーを手渡した。
「ありがとう。……うん、毛並みもいいし、肉付きもちょうどいい。大切にしてもらってるようだね」
「ニャーン」
「さて、リリーが人間の姿になるまで少し時間があるから、それまでは貴方の疑問に答えましょうか、ベルナルド伯爵様」
カミーユも向かいの椅子に腰かけ、ワインを一口飲む。
リリーはテーブルの上に置かれ、すぐにルウがやってきて嬉しそうに鼻をくっつけた。
「リリー、大きくなったわね」
『ルウお母さん、元気そうで良かった』
「あなたもね。楽しくやっているようじゃない」
『はい、おかげさまで』
「伯爵様が恋人だなんて、なかなかやるわね」
『ちょーっ! お母さん!』
「え? だってそうなんでしょう? ねえ、伯爵様」
「私がリリーの恋人か、ということでしたら、ええ、そうです。私はリリーを愛しています。それで、早速なのですが、貴女方は、猫のリリーと会話する事が出来るのですか?」
リュカの言葉に、カミーユは「ああ、そうだった」とすまなそうな顔をした。
「うっかりしていた。そう、わたし達は頭の中で猫のリリーと話す事ができるのさ」
「私もそのうちできるようになるでしょうか」
「それは無理だね。わたしと、このルウが特別なんだよ。リリーからはわたし達の事、何か聞いているかい?」
「カミーユ殿については、『わたしを猫として生き返らせてくれた人』ルウ殿は『言葉が話せる猫で、わたしのお母さん』とだけ。『何が話していい事なのか、自分では判断できない』と言っていました」
「そうかい……うん、その通りだね、リリーは賢い子だよ。では、少し説明させてもらおう。見た目はこうだが、実際はかなりの年齢でね。伯爵様に対してこんな言葉遣いで悪いが、年長者という事で大目に見ておくれ。貴方も、気軽に話してくれればいい。……さて、わたしだが」
カミーユは一度言葉を切り、ワインで喉を湿らせてから言った。
「わたしは、『識る者』。なんでもできる存在ではない。ただ、他の者より多くの事を『識る者』。その知識をもって、体が死んだリリーの魂を、魂の死んだ子猫の体に入れ、再びこの世に復活させた」
「その子猫というのは、わたしの子です。馬車に轢かれて死んでしまった子から離れられず、わたしまで轢かれそうになっていたところを、リリーに救われました」
ルウが申し訳なさそうに補足をした。
「さあ、伯爵様、何か聞きたい事は?」
「……リリーが人間の姿になる時間ですが、少しずつ長くなっているようなのです。今後、リリーが完全に人間となる事はあるのでしょうか」
『えっ?』
何も自覚がなかったリリーは、驚いてカミーユを見たが、
「……それは無いだろうね。というか、人間の姿になったのも驚きでね」
渋い表情でグラスのワインを飲み干し、すぐにまた、なみなみと注ぐ。
「これはものすごく古い術でね、わたしは初めて行ったし、話でも文献でも、姿が変わったというのは聞いた事が無い」
「そうですか……」
『リュカ様ぁ……』
リュカの表情が沈んでいるように見え、リリーは不安になりながら側へ行き、腕に頭をこすりつけた。
「悪いね、こんな無責任な回答しかできなくて。理解しているつもりで術をかけてしまったわたしの失態だ」
「いえ。貴女が術をかけてくれおかげで、リリーと出会えたのですから」
リリーをテーブルから自分の腕の中へと抱き上げ、リュカは微笑んだ。
「ところで、亡くなった妻のオリヴィアですが、生前どこからか猫を譲り受ける約束をしていました。それは、貴女ですか?」
「ええ、そう。ルウの子が生まれたら、あげる事になっていた」
「オリヴィアとは、どうやって知り合ったのでしょうか」
「彼女の乳母だった者がここの常連で、その紹介さ。ほら、ここは薬屋だから」
「そうですか……彼女は」
その時、腕の中のリリーがグネグネ動き出し、
「ああ、リリーが人間に変わるようです」
そう言って、リュカはリリーを床に降ろした。
「おっと、それじゃあどんなもんか見させてもらおう」
いそいそと立ち上がるカミーユに、リュカが布袋を差し出す。
「この中に彼女の着替えが入っていますので、渡してやってくれますか」
「ん? ああ、預かりましょう」
笑顔で受け取ると、
「リリー、寝室を使うといい。扉は開いているから先に行って」
そう声をかけ、後からルウと一緒に部屋を出て行き……しばらくすると、カミーユだけ先に戻って来た。
「今着替えているところだよ。いやー、驚くね、目の前で見ると。伯爵様はよく受け入れられたね」
「驚きましたよ。剣まで突き付けましたからね。最終的には、猫のリリーにしかわからない事を言われて、納得するしかなく」
「なるほどね。いや、本当に貴方のような方で良かった。魔物として殺されてもおかしくないからね。さっきも、リリーの裸は見慣れているだろうに、見ないように気を遣っていたね。わたしは貴族や王族にはあまり良い印象を持っていないけれど、貴方のおかげで考えが変わったよ」
「……見慣れては、いませんよ、まだ」
少し赤くなりながら否定をしたリュカだったが、すぐに真剣な表情となり、小さな声で尋ねる。
「リリーの事ですが、寿命はどうなのでしょうか」
「すまないね、それもわからないよ。文献によれば、魂を移した生き物の寿命くらいは生きるはずだが」
「貴女は見た目よりかなりの年齢を言っていましたが、そういう、何か寿命を延ばす方法を知っているのでしょうか?」
「いや、それについても申し訳ないが、これ、というものは無い。ちょっと事情があってね、わたしはたまたま長生きなんだよ。まあ、今後のリリーの健康については出来る限りの事をすると約束しよう」
「ありがとうございます。それと……」
リリーがまだ戻ってこないのをチラリと確認し、「オリヴィアの事ですが……」と言葉を続ける。
「彼女は、乳母の紹介でこちらに来たのですね?」
「ああ、そうだよ」
「彼女は、どうしてこちらに?」
「そりゃあもちろん薬を買いにだよ。うちは薬屋だからね」
「どんな薬を求めに来たのでしょうか」
「女性だもの、欲しい物は色々あるさ。薬だけじゃなく、肌をきめ細やかに整えるクリームや、髪に艶を与えるオイル、いい香りの石鹸……そうだ、リリーも欲しいんじゃないかい? ねえ、リリー!」
「え? はい! なんですか?」
ちょうど着替えを済ませて戻ってきたリリーが尋ねる。
「いい香りの石鹸とかクリームとか、レースや絹を傷めず洗える洗剤とか、欲しくないかい?」
「えっ! 欲しいです! すっごく!」
「ほらね、女性が欲しい物が、ここには沢山あるのさ。おや、リリー、良く似合ってるじゃないか」
「そうですか? メイドさんの制服なんです」
リリーはニコニコとワンピースのスカートを摘まんでみせた。
「さあ! それじゃあ、今日きてもらった理由を話そうか。リリーも座っておくれ」
そう言われ、リリーはリュカの横に座わり、リリーと一緒に部屋に戻ってきたルウは、テーブルの上、カミーユの前に座った。
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