ANIMA

kenharu

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新たなる世界との融合

光の矢

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「くっ…サタン…」

サタンの攻撃は重くミカエルの剣にのしかかる。

「こんな所に天界人が現れるなんてな,実に幸運だ」

サタンは笑みを浮かべながらそう言う。

「久々に殺しがしたかったんだ。お前ら俺を警戒してなかなかここに来ないだろ?」

サタンはミカエルを弾き飛ばす。

「貴方には死んでもらいます」

ミカエルは剣を構えそう言う。

ミカエルが斬りかかるがその攻撃はサタンの長い爪のような武器に防がれてしまう。

何度も斬りかかるがことごとく防がれる。


「粋がっておいてこんなものか?」

サタンは余裕の表情でそう言う。

(こいつ…隙がない…攻撃が当たらない)

サタンはミカエルに斬りかかる。
目にも追えない速度の斬撃はミカエルの腹に刺さる。

「ぐっ…」

斬り返すも,また防がれてしまう。



エースは蹲っていた。
腹に刺さった剣が抜けないからだ。
上空ではミカエルが戦っている。

(くそ…抜けない)

抜こうとするたびに内臓に剣が当たるのは耐え難い痛みだった。

その時,サタンの斬撃がミカエルに直撃する。

この距離からでも見えるほど血飛沫が立った。


「ミカエル!」

エースは叫ぶ。


「ぐぅ…はっ!」

ミカエルの腹をサタンが裂いた。

下からはエースの叫び声がする。

「…ん?待てよ…お前の名前ミカエルなのか?ということはもしかしてお前の母親は…」

サタンは少し考え込む。

「ルイーゼか?」

サタンはそう聞く。

「…なぜ母上の名前を…」

それを聞いた途端,サタンは笑い出す。
腕を広げて大声で言う。













「そうか,そうなのか!お前がミカエルか!」

サタンは大声で笑う。

「だから…何なのですか」

ミカエルはサタンを睨み,そう聞く。


「お前の両親を殺したのは俺だよ」

サタンが唾を飛ばしながら言う。

ミカエルの目が焦点を失う。

「お前の両親はこの魔界に迷い込んだんだ。そこで殺してやったのさ!」

こいつは何を言っているのだろうか。理解できない。

「ルイーゼの目の前でお前の父親の内臓を抉り取って殺してやったのさ!」

サタンは饒舌にそう言う。
その顔は狂気に満ちていた。

「そしたらあの女,泣きじゃくって夫の死体に縋りやがったんだ」

「その時あの女なんて言ったと思う?」

サタンは私の方を指差して言う。

「ごめんねごめんねミカエル,だとよ」

サタンは声を上げて笑う。

「その後に首を刎ねて殺してやったんだよ!今でも覚えてる。本当に馬鹿な奴らだったな!」

私にはその時,この男が奇妙な音を出す玩具の様に見えた。

その音は脳に響き渡る。あまりの不快感に私はその玩具を壊そうとした。


「それで?何が言いたい?」

何故かわからないがそんな言葉が口から漏れる。




戦うんだ




誰かの声が頭に響いた。
次の瞬間,体の底から力が湧いてきた。

私はその時,力を覚醒させた。

大地が揺れ,裂け始める。

その裂け目から大地の魔神が姿を現す。

「殺れ」

私のその言葉に従い魔神はサタンに攻撃をしだす。

魔神の一撃にサタンは怯む。


エースは目の前で繰り広げられる光景に絶句する。

(な…なんだこれは…)

ミカエルの頭には天使の輪というのだろうか。そんなものが浮かんでいる。

魔神は攻撃を続ける。

サタンの怯んだ所をミカエルが斬りかかる。

「くそ…力を覚醒させやがったのか⁈」

サタンはミカエルの攻撃を喰らうも,一瞬の隙をつきミカエルの腹を刺す。

「ぐぅ…はっ…!」

ミカエルは魂を引き抜かれそうになる。

「やめろ…!クズが…」


(何をしているんだ…俺は,ミカエルが殺される…!)

地面を腹ごと貫いた剣は一向に抜けない。

(こうなったら…)

エースは剣を地面から抜くのではなく,身体を剣から抜こうとする。

内臓に刃が擦れ,激痛が襲う。

剣の柄が背中に当たる。

力を振り絞り,柄を体内まで入れる。

「ぐっ…」

やっとのことで剣が抜けた。

エースは身体を再生させ,空を飛ぶ。

「ミカエル!」

サタンは俺の接近に気付き,ミカエルを手から離す。

ミカエルは地面に落下する少し前に羽を開き,着地する。

「身体を再生させたのか?」

サタンは攻撃を受け止めながらそう聞く。

「まさか,あの女の力か」

(こいつメアリーを知っているのか?)

サタンの顔を見て俺はあることに気がつく。

こいつは昨日の夢に出てきたガブリエルと戦っていた男だ。
それによく見れば夢に出てきたあの紅い世界,それはここだ。

俺は何かが繋がった感覚に襲われた。

「雑魚が,調子に乗るな!」

俺は押し返され,斬撃を喰らう。




戦え




あの時頭に流れた声が再び頭に響く。

次の瞬間,視界が真っ白になった。

(なんだ,これは…)

俺は夢で見たメアリーの様に,光の柱に打たれた。

「なんだ…お前もか…」

サタンは光に包まれる俺を見てそう言う。

俺は無意識にメアリーの様に弓を引くポーズをとった。

すると光に包まれた神々しい弓が現れる。


一撃


サタンの胸を貫いた矢は奴の身体を焼き切った。

奴の断末魔と共に。

俺は残されたサタンの魂を吸収した。

(一体何が起こったんだ?)

(自分で動いた様な,違うような…)

俺はそんな感覚に包まれた。












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