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山道は険しく身体は重い
暗闇の獣
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冷ややかな月光のしたに現れたのは、黒い獣。四つ脚に尻尾を持ち、けれど狼よりは短い鼻づらをした異相の獣だった。大きな耳も金色の目も狼によく似ているのに、がぱりと開いた口はせいぜい人間のおとなが大口を開けたほど。
よく見れば、その瞳は横についた獣のそれではない、正面を向いて並ぶふたつの瞳はまるで人間のそれで、毛むくじゃらだけれどへしゃげたような鼻には、斜めに横切る真新しい切り傷があった。
獣の体に人間の顔を張り付けたような姿をしていたけれど、人間のような口のなかには鋭くとがった肉食獣の歯がずらりとならんで、獲物を食らう喜びにぬらりと濡れていた。
―――暗いのに、なんでこんなによく見えるんだろう。
恐怖に固まった頭の片隅でリッテルは考える。ひどくゆっくり降ってくる黒い獣を見つめながら、リッテルは気が付いた。
―――そっか、目の前にいるんだ。
大きく開かれた獣の口から出る熱い呼気がほほを湿らせるほど、黒い獣はリッテルのすぐそばまで迫っていた。
「あ……」
食われる。そう思いながらも、情けない声をもらすことしかできないリッテルの目の前で突然、獣が横に吹き飛んだ。
「ぎゃんっ!」
短い悲鳴とともに、獣の黒い影が木立ちのなかへと叩きつけられる。それをぼんやりと目で追っていたリッテルは、いつの間にか自分の前に立つ誰かの背中に気が付いた。
「けがないよね? 大丈夫、ライゼってば強いから。きみにけがさせない。なにに誓う? そうだね、この名に誓うよ。ライゼの約束」
こんな場面でもライゼはやっぱりいつもどおり、明るい声で妙なことをしゃべる。けれどその変わらないおかしな物言いは、リッテルの気持ちをすこしだけ落ち着けてくれた。
「……ねえ、いまの」
あの獣はなに。そう聞くよりも早く、木立ちのなかからうなり声が聞こえてくる。はっとして体を固くするリッテルに、ライゼは彼の少ない荷物を気軽に預けてきた。
「できたら、そこでしゃがんでて。暗くて見えないから、動かれるとうっかりきみを蹴飛ばしちゃうかも……」
「うるぁああうっ!」
「もう、まだ話し中!」
ことばの途中で獣が飛び出してきて、怒りながらライゼが動く。リッテルを狙って跳躍した獣に拳をふるうライゼだが、獣は器用に空中で体をひねってそれを避けて着地し、即座にリッテル目がけて地を蹴った。
―――今度こそ噛みつかれる!
ぐんっと近づいた獣の両目に見据えられてそう思ったリッテルだったが、ライゼは避けられたのとは違う手を伸ばして獣の腹のあたりをわしづかみ引き倒す。相当強く握ったのか、あるいは叩きつけられたのか、地に落ちた獣が悲鳴を上げた。
「だーめ! この子はおれが見つけたの。おまえなんかにあげないよ。欲しいならほかを探して」
リッテルを背にかばったライゼがそう言うと、四つ脚をついて体を低くした獣がうなる。じりり、と後ずさりしながらも、その目は油断なくライゼとリッテルを見据えている。
わずかに腰を落としたライゼもまた、その目を見つめ返しているのだろう。一頭とひとりのあいだでにらみ合いの緊迫感がただよう。
ぴりりとした空気のなか、ライゼに渡された荷物を抱きしめて縮こまっていたリッテルは、暗闇に光る金の目を見るのが怖くて、けれど目をそらすのはもっと怖くて震えていた。
ゆらり。立ち尽くしてにらみ合っていた獣が、不意に動く。
「ひっ」
ふたたび跳びかかって来るのではないか。そんな恐怖に突き動かされたリッテルは、思わず息をのみ逃げ出そうとして、無様に転ぶ。
「あうっ」
「リッテル!」
震える足では体を支えられなくて地面に転がったリッテルに、ライゼが名を呼んで振り向いた。
獣はその隙を逃さない。
ライゼが振り向いたその瞬間に地を蹴った。飛び上がりはせず、低く遠くへ駆けた獣はひと蹴りでライゼの元へと到達し、地に足を付けたときにはすでに大きく開いた口がライゼの足に食いついていた。
「っぐぅ!」
くぐもった悲鳴と同時に聞こえたのは、獣の口とライゼの足の肉がぶつかる鈍い音。
「こんのっ!」
けれどライゼは恐怖ではなく怒りを込めた声をあげて、自身の足に食いついた獣の口に両手をねじ込んだ。
肉に食い込んだ牙がじりじりと見えてくる。獣も歯茎をむき出しにして食らいついているが、ライゼの力のほうが勝ったらしい。
「おおぅっ」
苦痛のこもる鳴き声とともに獣の口ががぱりと開ききるが早いか、ライゼは口をこじあけた手で獣を地面に叩きつけた。
「ぎゃう!」
叫んだ獣の体は地面の上ではずみ、二度三度と転がってすこし離れたところでようやく止まった。
こちらに背を向けて倒れた獣はぐったりと地面に伸びて動かない。
―――死んだ、の?
リッテルが息をつめて見つめるなか、ライゼが獣に向かってゆっくりと足を踏み出した。
するとその足音を聞きつけたのか、獣の耳がぴくりと動く。ライゼもそれに気が付いたのだろうか、その場で足を止めた。
一度、二度と地面を足で掻いた獣は、三度めにしてようやく足を踏みしめて、よろよろと体を起こす。ぜっ、ぜっと嫌な音をさせながら荒い息を吐き、立ち上がった獣はライゼをにらんだ。土にまみれて薄汚れた毛皮が、呼吸に合わせてざわざわと揺れる。閉じきれない口の横でだらりと垂れた舌から、赤く濁って泡立ったよだれがぼたりぼたりと落ちる。あれはライゼの血だろうか、それとも、無理に開かれすぎて切れた口のはしから流れた獣の血だろうか。
「ううぅぅぅ……」
うなり声をあげ金色の瞳でライゼをにらみつけながら、獣はじりじりと後退していく。ライゼも腰の短剣を抜き油断なく構えて、獣の動きをじっと見ていた。
じりじり、じりじりと下がる獣の姿がしだいに木立ちの影にまぎれていく。低い鼻づらまでもすっかり木立ちの入りこんだところで獣はくるりと尾を向けて、足を引きずりながらも暗がりの奥へと消えていった。
「…………行った、みたいだね」
耳をすませて遠ざかる足音を聞いていたライゼがぽつりと言う。そのことばでリッテルもようやくほっと息をつけた。
「リッテル、けがしてない?」
くるりと振り向いたライゼが、首をかしげながらリッテルのそばへやってくる。目の前にしゃがみこんだ彼は、リッテルがしがみつくようにして持っていたライゼの布袋に手を伸ばした。それを見たリッテルは、彼に返すために布袋を抱えた手の力を抜こうとして、失敗した。
「あ……」
意思にしたがわず布袋を握りしめたままの手を見下ろせば、リッテルの手は関節が白くなるほど力が込められていて、どの指も小刻みに震えている。爪が割れて、血がにじんでいる指もあった。
「ああ、手が痛んじゃうから、ゆっくり外そう、ね。落ち着いて、一本ずつ」
なだめるようにライゼが言って、固まってしまったリッテルの指をなでるようにしながら、一本一本やさしく布袋から外していく。
すっかり外し終えて布袋がどかされても、リッテルの指はまだ袋をつかんでいたときのように曲がったまま戻らず、わずかに震えている。
―――どうしよう……。
リッテルが震える自分の手を見下ろして戸惑っていると、そこにライゼの手が重ねられた。右手は手のひらのうえに、左手は手の甲側に、ライゼが両手を使ってリッテルの手をやさしくはさむ。並べたリッテルの手は、ライゼの大きな片手ですっぽりと包み込まれた。
「怖かったね。もう大丈夫。ライゼが、いるよ。そばにいる。きみを守るよ。ライゼは、うそつかない」
顔をあげれば、やわらかな笑顔で見つめてくるライゼがいた。包まれた手にライゼのぬくもりが移って、じんわりと暖まっていく。それにつれて、リッテルの手は氷が溶けるようにゆっくりとほぐれていった。
よく見れば、その瞳は横についた獣のそれではない、正面を向いて並ぶふたつの瞳はまるで人間のそれで、毛むくじゃらだけれどへしゃげたような鼻には、斜めに横切る真新しい切り傷があった。
獣の体に人間の顔を張り付けたような姿をしていたけれど、人間のような口のなかには鋭くとがった肉食獣の歯がずらりとならんで、獲物を食らう喜びにぬらりと濡れていた。
―――暗いのに、なんでこんなによく見えるんだろう。
恐怖に固まった頭の片隅でリッテルは考える。ひどくゆっくり降ってくる黒い獣を見つめながら、リッテルは気が付いた。
―――そっか、目の前にいるんだ。
大きく開かれた獣の口から出る熱い呼気がほほを湿らせるほど、黒い獣はリッテルのすぐそばまで迫っていた。
「あ……」
食われる。そう思いながらも、情けない声をもらすことしかできないリッテルの目の前で突然、獣が横に吹き飛んだ。
「ぎゃんっ!」
短い悲鳴とともに、獣の黒い影が木立ちのなかへと叩きつけられる。それをぼんやりと目で追っていたリッテルは、いつの間にか自分の前に立つ誰かの背中に気が付いた。
「けがないよね? 大丈夫、ライゼってば強いから。きみにけがさせない。なにに誓う? そうだね、この名に誓うよ。ライゼの約束」
こんな場面でもライゼはやっぱりいつもどおり、明るい声で妙なことをしゃべる。けれどその変わらないおかしな物言いは、リッテルの気持ちをすこしだけ落ち着けてくれた。
「……ねえ、いまの」
あの獣はなに。そう聞くよりも早く、木立ちのなかからうなり声が聞こえてくる。はっとして体を固くするリッテルに、ライゼは彼の少ない荷物を気軽に預けてきた。
「できたら、そこでしゃがんでて。暗くて見えないから、動かれるとうっかりきみを蹴飛ばしちゃうかも……」
「うるぁああうっ!」
「もう、まだ話し中!」
ことばの途中で獣が飛び出してきて、怒りながらライゼが動く。リッテルを狙って跳躍した獣に拳をふるうライゼだが、獣は器用に空中で体をひねってそれを避けて着地し、即座にリッテル目がけて地を蹴った。
―――今度こそ噛みつかれる!
ぐんっと近づいた獣の両目に見据えられてそう思ったリッテルだったが、ライゼは避けられたのとは違う手を伸ばして獣の腹のあたりをわしづかみ引き倒す。相当強く握ったのか、あるいは叩きつけられたのか、地に落ちた獣が悲鳴を上げた。
「だーめ! この子はおれが見つけたの。おまえなんかにあげないよ。欲しいならほかを探して」
リッテルを背にかばったライゼがそう言うと、四つ脚をついて体を低くした獣がうなる。じりり、と後ずさりしながらも、その目は油断なくライゼとリッテルを見据えている。
わずかに腰を落としたライゼもまた、その目を見つめ返しているのだろう。一頭とひとりのあいだでにらみ合いの緊迫感がただよう。
ぴりりとした空気のなか、ライゼに渡された荷物を抱きしめて縮こまっていたリッテルは、暗闇に光る金の目を見るのが怖くて、けれど目をそらすのはもっと怖くて震えていた。
ゆらり。立ち尽くしてにらみ合っていた獣が、不意に動く。
「ひっ」
ふたたび跳びかかって来るのではないか。そんな恐怖に突き動かされたリッテルは、思わず息をのみ逃げ出そうとして、無様に転ぶ。
「あうっ」
「リッテル!」
震える足では体を支えられなくて地面に転がったリッテルに、ライゼが名を呼んで振り向いた。
獣はその隙を逃さない。
ライゼが振り向いたその瞬間に地を蹴った。飛び上がりはせず、低く遠くへ駆けた獣はひと蹴りでライゼの元へと到達し、地に足を付けたときにはすでに大きく開いた口がライゼの足に食いついていた。
「っぐぅ!」
くぐもった悲鳴と同時に聞こえたのは、獣の口とライゼの足の肉がぶつかる鈍い音。
「こんのっ!」
けれどライゼは恐怖ではなく怒りを込めた声をあげて、自身の足に食いついた獣の口に両手をねじ込んだ。
肉に食い込んだ牙がじりじりと見えてくる。獣も歯茎をむき出しにして食らいついているが、ライゼの力のほうが勝ったらしい。
「おおぅっ」
苦痛のこもる鳴き声とともに獣の口ががぱりと開ききるが早いか、ライゼは口をこじあけた手で獣を地面に叩きつけた。
「ぎゃう!」
叫んだ獣の体は地面の上ではずみ、二度三度と転がってすこし離れたところでようやく止まった。
こちらに背を向けて倒れた獣はぐったりと地面に伸びて動かない。
―――死んだ、の?
リッテルが息をつめて見つめるなか、ライゼが獣に向かってゆっくりと足を踏み出した。
するとその足音を聞きつけたのか、獣の耳がぴくりと動く。ライゼもそれに気が付いたのだろうか、その場で足を止めた。
一度、二度と地面を足で掻いた獣は、三度めにしてようやく足を踏みしめて、よろよろと体を起こす。ぜっ、ぜっと嫌な音をさせながら荒い息を吐き、立ち上がった獣はライゼをにらんだ。土にまみれて薄汚れた毛皮が、呼吸に合わせてざわざわと揺れる。閉じきれない口の横でだらりと垂れた舌から、赤く濁って泡立ったよだれがぼたりぼたりと落ちる。あれはライゼの血だろうか、それとも、無理に開かれすぎて切れた口のはしから流れた獣の血だろうか。
「ううぅぅぅ……」
うなり声をあげ金色の瞳でライゼをにらみつけながら、獣はじりじりと後退していく。ライゼも腰の短剣を抜き油断なく構えて、獣の動きをじっと見ていた。
じりじり、じりじりと下がる獣の姿がしだいに木立ちの影にまぎれていく。低い鼻づらまでもすっかり木立ちの入りこんだところで獣はくるりと尾を向けて、足を引きずりながらも暗がりの奥へと消えていった。
「…………行った、みたいだね」
耳をすませて遠ざかる足音を聞いていたライゼがぽつりと言う。そのことばでリッテルもようやくほっと息をつけた。
「リッテル、けがしてない?」
くるりと振り向いたライゼが、首をかしげながらリッテルのそばへやってくる。目の前にしゃがみこんだ彼は、リッテルがしがみつくようにして持っていたライゼの布袋に手を伸ばした。それを見たリッテルは、彼に返すために布袋を抱えた手の力を抜こうとして、失敗した。
「あ……」
意思にしたがわず布袋を握りしめたままの手を見下ろせば、リッテルの手は関節が白くなるほど力が込められていて、どの指も小刻みに震えている。爪が割れて、血がにじんでいる指もあった。
「ああ、手が痛んじゃうから、ゆっくり外そう、ね。落ち着いて、一本ずつ」
なだめるようにライゼが言って、固まってしまったリッテルの指をなでるようにしながら、一本一本やさしく布袋から外していく。
すっかり外し終えて布袋がどかされても、リッテルの指はまだ袋をつかんでいたときのように曲がったまま戻らず、わずかに震えている。
―――どうしよう……。
リッテルが震える自分の手を見下ろして戸惑っていると、そこにライゼの手が重ねられた。右手は手のひらのうえに、左手は手の甲側に、ライゼが両手を使ってリッテルの手をやさしくはさむ。並べたリッテルの手は、ライゼの大きな片手ですっぽりと包み込まれた。
「怖かったね。もう大丈夫。ライゼが、いるよ。そばにいる。きみを守るよ。ライゼは、うそつかない」
顔をあげれば、やわらかな笑顔で見つめてくるライゼがいた。包まれた手にライゼのぬくもりが移って、じんわりと暖まっていく。それにつれて、リッテルの手は氷が溶けるようにゆっくりとほぐれていった。
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