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【3】名もなき朝のアカウント《篠田の日課、いいね》
2.北海道 大沼の父娘
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店の誰もが沈んだ顔をしている。
彼にやさしく厳しく仕事を教えてもらった若者も、意思疎通が抜群だったというシェフもだった。突然の訃報に店内の空気が暗く重い。
みなで香典を出し合う。社長が代表で持って行ってくれることになった。
「では、行ってくる。留守の間、頼んだぞ。篠田」
「はい。お任せください、社長――」
神戸は春だというのに、彼の小脇には膨れているダウンコート。社長が篠田を見つめている。
「篠田がいちばん行きたいだろうな。次の休暇にでも行ってみるといい」
まだ姿なきあの人を見たくなんてない。
どこかでまだいるんだと思っていたい。
北海道など行くもんか。篠田はそう思っていた。
留守をすること三日。社長が帰ってきた。
神戸空港からすぐに店へと帰ってくると、篠田を呼んだのだ。
「三月の北海道はまだ雪もちらついて寒かったよ」
でかける時より表情が明るくなっていると感じるのは気のせいかと、篠田は社長を見てそう思っていた。
ランチタイムが終わり、ディナータイムまでの準備中閉店時間。厨房から暖かい紅茶を持ってきたので、社長室にあるソファーでふたり向き合った。
「いやあ、行って良かった。いいレストランだったよ」
弔問報告の第一声がそれだった。まるで北海道旅行を楽しんできたかのような笑顔だったのだ。
一瞬、篠田は心の奥で『なにをしに行ったんだよ』となじりたくなった。だがここで『君はすぐ感情的になる。それで失敗しないように』という、クールな秀星さんの声が聞こえてくるので、ぐっと堪えた。
篠田が丁寧に入れてきた紅茶を、社長がこれまた美味しそうに微笑を湛えながら味わっている。
「あちらのレストランのオーナシェフが最後にコース料理をご馳走してくれてね。素晴らしかった」
このシビアな社長がここまで褒めるのは珍しいことだった。
なにせこの神戸で名の知れたフレンチレストランを持つ男なのだ。舌も肥えていれば、審美眼もある。その社長がここまで嬉しそうにいうのだから、確かなのだろう。
「秀星がここで働こうと決めただけあったよ。しかも……、あっちでも育てていたな」
そう聞いて、篠田ははたと気がつく。
「もしかして。あちらのオーナーシェフのお嬢様のことですか」
社長がそれを聞いて、眼を見開いた顔を篠田に見せる。
「なんだ。秀星から聞いたことがあるのか」
「あります。いま大事に育てたいと思っているセルヴーズだと言っていました。ですから……、その子を中途半端に放って、写真に……なんて、思えなくて……」
それは社長も同じだったのか、また哀しげな眼差しになり視線を落としてティーカップをソーサーに戻した。
「お嬢さんがお父さんの店を手伝うようになったのは三年前。秀星が預かって、きっちり教育してくれていたようだよ。見たんだ……、その子から、秀星を……」
笑顔で帰ってきたのに。そこで社長が目元を覆ってしまった。
しかも涙声で話し出す。
「その子が、給仕についてくれたんだが。仕草も姿も……、秀星から学んだもので、秀星がそこにいるかのような錯覚に陥ったんだ……。シェフもだ。秀星とよく食材を吟味する遠出もしていたようで。秀星を語ってくれる、感じさせてくれるコース料理だったんだ。それをまた、そのお嬢さんが……。心を込めて、秀星の、あそこでの、生活を伝えてくれるような、説明をしてくれて……、いい給仕だった」
覆った手の下から、やり手の社長の涙が一筋流れ落ちてきた。
「ひさしぶりに、いい料理を、時間を感じた。完璧さばかり追求していたかもしれない。そうじゃないんだな。『伝わる』仕事も必要だと思わせてくれるいいレストランだった。秀星が選んだだけあったよ」
あちらに移住して四年。先輩が神戸にいるより生き生きと生活をしていたことは、篠田のほうがよく知っている。
いつだったか、DMで仕事の相談をしていた時に、『僕もこっちで、またギャルソンを指導することになったよ。シェフのお嬢さんなんだけれど、筋がありそうなのできちんと育てたいと思ってるんだ。その子ね、歌手になりたくて東京にいたんだけど夢破れて帰ってきて。僕、なんとなくわかるんだ。その子がどんなことを感じているか。その子ね、……』。いつしか、彼女のことを気にしているような返信がくるようになった。
だがあまりにも年の差があるので、篠田は内心ハラハラしていたのだ。でも先輩は兄なのか父親なのか、そういうおおらかな大人の視線でしか見ていないようだったので、からかってやろうなんて冗談でも篠田はやらないようにしていた。
仕事はきちんとする人だった。だから写真を続けられ、こうと決めた時に行動が出来る人だった。北海道へさっと移住したのも行動力の賜だと篠田は思っている。
お嬢さんを育てると決めたのも、彼にとって譲れない信条があったからなのだろう。恋でもない愛でもない……なにかだ。
それにしても。この社長に『いいレストランだった』と泣かせるとは……。しかも『伝わる大事さを思い知った』と言わせるとは。
北海道なんて行くものかと思っていた篠田だったが、大沼のそのレストランが非常に気になるようになった。
「あとは秀星の縁者を、あちらのシェフと共同で探すことにしたよ」
「どうしても探さないといけないのですか。たとえば、遺品や遺産の相続ということですか」
「まあ、それもあるようだが。あちらのシェフとお嬢さんがこだわっているのは、秀星が残した写真のデータだったよ」
「写真の? ですか?」
「著作権というのかな。それを秀星のために曖昧にせずにきちんとしておきたいんだそうだ。その上で血縁者じゃない自分たちが引き継ぎたい。秀星が毎日、厨房にカメラを持ち込んでシェフの料理を撮影していたそうだ。WEBサイトにアップしてお客を呼び込んでいたらしい。シェフはそれだけでも引き取りたいと言っている。あと……」
そこで社長が口ごもった。また紅茶をひとくち、含んでから篠田に教えてくれる。
「お嬢さんは、秀星が湖畔で撮影していた写真のデータを自分が管理したいと言っている。あの……凍死した場所が、秀星の毎朝の撮影ポイントだったそうだ。彼女が毎朝ジョギングをしていた時に見せてもらっていたらしい。あの人の毎日の記録だから大事に保管しておきたいと、強い眼差しで言っていた……」
篠田は驚く――。
俺が毎日見ていた写真を撮った場所が……、先輩の死場所?
しかもそこで吹雪の中、写真を撮影して凍死?
その場所にどんなこだわりがあったのだろう??
そこで撮影をしていたものを、大沼の父娘が引き取ろうとしている。
話には聞いていた。とてもアットホームなレストランだと教えてもらっていた。それは店の雰囲気だと思っていたが、先輩にとって、シェフとお嬢さんと、まるで家族のようにしてすごしていたから出た言葉だったんだと初めて知る。
そうでなければ。縁者でもない彼等が『プロでもない写真家の作品』なのに、その権利を踏みにじらず『大事に正式にひきとりたい』なんて言うはずがないのだ。
「大事にされていたことがわかるよ。だが秀星は家族がどうとか縁者とどうということは詳しくは話していなかったようだよ。シェフも言いたくないのだろうとそっとしていたらしい。なにも知らなかったよ」
「では。その縁者を探すのですね」
「ああ。縁者が少しでもいると法的に勝手に引き取れないらしいんだ。シェフはすでに弁護士と相談をしているようだが、こちらもできうる限りの手伝いをさせてほしいと伝えてきた。秀星を失ってシェフも忙しいだろうからね。私もこれで秀星への弔いとするよ――」
先輩の縁者を探す手続きがそのあと行われたようだった。
だが、先輩にはもう縁者はいなかった。
法的な段階の一つ、官報に縁者がいれば名乗るようにという掲載申請もしたが、規定の期限が来ても、桐生秀星の縁者だと名乗る者は現れなかったようだった。
さまざまな手続きを経て、一年も経とうかというころ。あちらのシェフが『特別縁故者』として法的に認められ、北星秀の写真の権利を引き継ぐことができたとの報告を社長から聞かされる。
彼にやさしく厳しく仕事を教えてもらった若者も、意思疎通が抜群だったというシェフもだった。突然の訃報に店内の空気が暗く重い。
みなで香典を出し合う。社長が代表で持って行ってくれることになった。
「では、行ってくる。留守の間、頼んだぞ。篠田」
「はい。お任せください、社長――」
神戸は春だというのに、彼の小脇には膨れているダウンコート。社長が篠田を見つめている。
「篠田がいちばん行きたいだろうな。次の休暇にでも行ってみるといい」
まだ姿なきあの人を見たくなんてない。
どこかでまだいるんだと思っていたい。
北海道など行くもんか。篠田はそう思っていた。
留守をすること三日。社長が帰ってきた。
神戸空港からすぐに店へと帰ってくると、篠田を呼んだのだ。
「三月の北海道はまだ雪もちらついて寒かったよ」
でかける時より表情が明るくなっていると感じるのは気のせいかと、篠田は社長を見てそう思っていた。
ランチタイムが終わり、ディナータイムまでの準備中閉店時間。厨房から暖かい紅茶を持ってきたので、社長室にあるソファーでふたり向き合った。
「いやあ、行って良かった。いいレストランだったよ」
弔問報告の第一声がそれだった。まるで北海道旅行を楽しんできたかのような笑顔だったのだ。
一瞬、篠田は心の奥で『なにをしに行ったんだよ』となじりたくなった。だがここで『君はすぐ感情的になる。それで失敗しないように』という、クールな秀星さんの声が聞こえてくるので、ぐっと堪えた。
篠田が丁寧に入れてきた紅茶を、社長がこれまた美味しそうに微笑を湛えながら味わっている。
「あちらのレストランのオーナシェフが最後にコース料理をご馳走してくれてね。素晴らしかった」
このシビアな社長がここまで褒めるのは珍しいことだった。
なにせこの神戸で名の知れたフレンチレストランを持つ男なのだ。舌も肥えていれば、審美眼もある。その社長がここまで嬉しそうにいうのだから、確かなのだろう。
「秀星がここで働こうと決めただけあったよ。しかも……、あっちでも育てていたな」
そう聞いて、篠田ははたと気がつく。
「もしかして。あちらのオーナーシェフのお嬢様のことですか」
社長がそれを聞いて、眼を見開いた顔を篠田に見せる。
「なんだ。秀星から聞いたことがあるのか」
「あります。いま大事に育てたいと思っているセルヴーズだと言っていました。ですから……、その子を中途半端に放って、写真に……なんて、思えなくて……」
それは社長も同じだったのか、また哀しげな眼差しになり視線を落としてティーカップをソーサーに戻した。
「お嬢さんがお父さんの店を手伝うようになったのは三年前。秀星が預かって、きっちり教育してくれていたようだよ。見たんだ……、その子から、秀星を……」
笑顔で帰ってきたのに。そこで社長が目元を覆ってしまった。
しかも涙声で話し出す。
「その子が、給仕についてくれたんだが。仕草も姿も……、秀星から学んだもので、秀星がそこにいるかのような錯覚に陥ったんだ……。シェフもだ。秀星とよく食材を吟味する遠出もしていたようで。秀星を語ってくれる、感じさせてくれるコース料理だったんだ。それをまた、そのお嬢さんが……。心を込めて、秀星の、あそこでの、生活を伝えてくれるような、説明をしてくれて……、いい給仕だった」
覆った手の下から、やり手の社長の涙が一筋流れ落ちてきた。
「ひさしぶりに、いい料理を、時間を感じた。完璧さばかり追求していたかもしれない。そうじゃないんだな。『伝わる』仕事も必要だと思わせてくれるいいレストランだった。秀星が選んだだけあったよ」
あちらに移住して四年。先輩が神戸にいるより生き生きと生活をしていたことは、篠田のほうがよく知っている。
いつだったか、DMで仕事の相談をしていた時に、『僕もこっちで、またギャルソンを指導することになったよ。シェフのお嬢さんなんだけれど、筋がありそうなのできちんと育てたいと思ってるんだ。その子ね、歌手になりたくて東京にいたんだけど夢破れて帰ってきて。僕、なんとなくわかるんだ。その子がどんなことを感じているか。その子ね、……』。いつしか、彼女のことを気にしているような返信がくるようになった。
だがあまりにも年の差があるので、篠田は内心ハラハラしていたのだ。でも先輩は兄なのか父親なのか、そういうおおらかな大人の視線でしか見ていないようだったので、からかってやろうなんて冗談でも篠田はやらないようにしていた。
仕事はきちんとする人だった。だから写真を続けられ、こうと決めた時に行動が出来る人だった。北海道へさっと移住したのも行動力の賜だと篠田は思っている。
お嬢さんを育てると決めたのも、彼にとって譲れない信条があったからなのだろう。恋でもない愛でもない……なにかだ。
それにしても。この社長に『いいレストランだった』と泣かせるとは……。しかも『伝わる大事さを思い知った』と言わせるとは。
北海道なんて行くものかと思っていた篠田だったが、大沼のそのレストランが非常に気になるようになった。
「あとは秀星の縁者を、あちらのシェフと共同で探すことにしたよ」
「どうしても探さないといけないのですか。たとえば、遺品や遺産の相続ということですか」
「まあ、それもあるようだが。あちらのシェフとお嬢さんがこだわっているのは、秀星が残した写真のデータだったよ」
「写真の? ですか?」
「著作権というのかな。それを秀星のために曖昧にせずにきちんとしておきたいんだそうだ。その上で血縁者じゃない自分たちが引き継ぎたい。秀星が毎日、厨房にカメラを持ち込んでシェフの料理を撮影していたそうだ。WEBサイトにアップしてお客を呼び込んでいたらしい。シェフはそれだけでも引き取りたいと言っている。あと……」
そこで社長が口ごもった。また紅茶をひとくち、含んでから篠田に教えてくれる。
「お嬢さんは、秀星が湖畔で撮影していた写真のデータを自分が管理したいと言っている。あの……凍死した場所が、秀星の毎朝の撮影ポイントだったそうだ。彼女が毎朝ジョギングをしていた時に見せてもらっていたらしい。あの人の毎日の記録だから大事に保管しておきたいと、強い眼差しで言っていた……」
篠田は驚く――。
俺が毎日見ていた写真を撮った場所が……、先輩の死場所?
しかもそこで吹雪の中、写真を撮影して凍死?
その場所にどんなこだわりがあったのだろう??
そこで撮影をしていたものを、大沼の父娘が引き取ろうとしている。
話には聞いていた。とてもアットホームなレストランだと教えてもらっていた。それは店の雰囲気だと思っていたが、先輩にとって、シェフとお嬢さんと、まるで家族のようにしてすごしていたから出た言葉だったんだと初めて知る。
そうでなければ。縁者でもない彼等が『プロでもない写真家の作品』なのに、その権利を踏みにじらず『大事に正式にひきとりたい』なんて言うはずがないのだ。
「大事にされていたことがわかるよ。だが秀星は家族がどうとか縁者とどうということは詳しくは話していなかったようだよ。シェフも言いたくないのだろうとそっとしていたらしい。なにも知らなかったよ」
「では。その縁者を探すのですね」
「ああ。縁者が少しでもいると法的に勝手に引き取れないらしいんだ。シェフはすでに弁護士と相談をしているようだが、こちらもできうる限りの手伝いをさせてほしいと伝えてきた。秀星を失ってシェフも忙しいだろうからね。私もこれで秀星への弔いとするよ――」
先輩の縁者を探す手続きがそのあと行われたようだった。
だが、先輩にはもう縁者はいなかった。
法的な段階の一つ、官報に縁者がいれば名乗るようにという掲載申請もしたが、規定の期限が来ても、桐生秀星の縁者だと名乗る者は現れなかったようだった。
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