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漬物と日本酒02
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二人は大学を出ると、最寄りのバス停に向かった。
「どうする?北古都シティ駅に行くか、江原街に行くか」
そうねぇ……と、撫子は暫く考えた後、前に遊びに行った時のことを思い出した。
「この間は江原街だったし、久しぶりに北古都シティ駅に行きましょ」
「そういえばそうだっけ……お、ちょうどバス来たね。乗っちゃおうか」
二人が乗り込んだバスは、北古都シティ駅まで向かう路線の一つ。普段利用するものより本数が少なく、学生が多い。
バスの中は、講義終わりの学生達で賑わっていた。
「今日はどこに行くの?」
「んー……久しぶりに北古都シティ駅の地下とか見に行かない?」
「あら!いいじゃない!私お酒飲みたい」
「撫子ちゃんそればっかじゃん……でも、そうだなぁ、あたしも飲もうかな」
バスの中は暖房がよく効き、人で密集しているため、目的地に到着すると、ようやくひと息つけたと二人は深呼吸した。
北古都シティ駅の地下街には、様々な飲食店が入っている。ひとまず何があるか見て回ろうということで、二人は地下街を端から一周した。しかし、二人の好みの店は、全て混んでいた。
「あちゃー……」
「並んでるわね……」
二人は肩を落として、地下街の中央にあるベンチに座った。長蛇の列は、人が減る気配がなかった。
「……お腹減ってきたわね」
「分かる~」
「うーん……もうデパートで何か買って、うちの寮で食べて行かない?」
「いいの?」
「勿論よ。あやめちゃんが来るかもって思って、部屋を片付けていたもの」
撫子が微笑むと、あやめは少し恥ずかしそうな表情を浮かべたあと、「ありがとう」と笑みを返した。
撫子が住む寮は、北古都シティ駅から歩いて十数分の距離にあり、この辺りでは規模の大きい寮である。
「そうと決まれば、デパートに行きましょ!私日本酒が飲みたいわ!」
「日本酒か~。いいねいいね。あたしは美味しいパンが食べたいかな。瓶は重いし、先にパン屋寄ってもいい?」
「そうね。私も何食べたいか考えておこうっと」
二人は下に向かうエスカレーターに乗った。
あやめはぼんやりと、上ってくるエスカレーターの人びとを見た。
(なんか、カップル多いな)
地下街の通路を歩く人々は、男女二人組が殆どで、中には男一人に女二人で歩いているグループもあった。大学生らしき集団の中には、手を繋いでいる者もあり、あやめは思わず苦笑いをした。
(……彼氏欲しいなぁ。……いや、別に今すぐ欲しくないけどさ?)
「あやめちゃん、どうかした?」
「へっ!?」
前に立っていたはずの撫子があやめの顔を覗き込んでいた。
「ぼーっとしてたみたいだけど、大丈夫?疲れてるんじゃないの?」
「ぜ、全然!!元気だよ!!それより撫子ちゃんこそ、本当に体調悪くなってたら言ってよね!!」
あやめが慌てて返すと、撫子はきょとんとした顔になった後、くすりと笑って「心配性ねぇ」と言った。
「どうする?北古都シティ駅に行くか、江原街に行くか」
そうねぇ……と、撫子は暫く考えた後、前に遊びに行った時のことを思い出した。
「この間は江原街だったし、久しぶりに北古都シティ駅に行きましょ」
「そういえばそうだっけ……お、ちょうどバス来たね。乗っちゃおうか」
二人が乗り込んだバスは、北古都シティ駅まで向かう路線の一つ。普段利用するものより本数が少なく、学生が多い。
バスの中は、講義終わりの学生達で賑わっていた。
「今日はどこに行くの?」
「んー……久しぶりに北古都シティ駅の地下とか見に行かない?」
「あら!いいじゃない!私お酒飲みたい」
「撫子ちゃんそればっかじゃん……でも、そうだなぁ、あたしも飲もうかな」
バスの中は暖房がよく効き、人で密集しているため、目的地に到着すると、ようやくひと息つけたと二人は深呼吸した。
北古都シティ駅の地下街には、様々な飲食店が入っている。ひとまず何があるか見て回ろうということで、二人は地下街を端から一周した。しかし、二人の好みの店は、全て混んでいた。
「あちゃー……」
「並んでるわね……」
二人は肩を落として、地下街の中央にあるベンチに座った。長蛇の列は、人が減る気配がなかった。
「……お腹減ってきたわね」
「分かる~」
「うーん……もうデパートで何か買って、うちの寮で食べて行かない?」
「いいの?」
「勿論よ。あやめちゃんが来るかもって思って、部屋を片付けていたもの」
撫子が微笑むと、あやめは少し恥ずかしそうな表情を浮かべたあと、「ありがとう」と笑みを返した。
撫子が住む寮は、北古都シティ駅から歩いて十数分の距離にあり、この辺りでは規模の大きい寮である。
「そうと決まれば、デパートに行きましょ!私日本酒が飲みたいわ!」
「日本酒か~。いいねいいね。あたしは美味しいパンが食べたいかな。瓶は重いし、先にパン屋寄ってもいい?」
「そうね。私も何食べたいか考えておこうっと」
二人は下に向かうエスカレーターに乗った。
あやめはぼんやりと、上ってくるエスカレーターの人びとを見た。
(なんか、カップル多いな)
地下街の通路を歩く人々は、男女二人組が殆どで、中には男一人に女二人で歩いているグループもあった。大学生らしき集団の中には、手を繋いでいる者もあり、あやめは思わず苦笑いをした。
(……彼氏欲しいなぁ。……いや、別に今すぐ欲しくないけどさ?)
「あやめちゃん、どうかした?」
「へっ!?」
前に立っていたはずの撫子があやめの顔を覗き込んでいた。
「ぼーっとしてたみたいだけど、大丈夫?疲れてるんじゃないの?」
「ぜ、全然!!元気だよ!!それより撫子ちゃんこそ、本当に体調悪くなってたら言ってよね!!」
あやめが慌てて返すと、撫子はきょとんとした顔になった後、くすりと笑って「心配性ねぇ」と言った。
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