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帝国海軍の猫大佐 裏話
一般公開に行くよ! in 帝国海軍の猫大佐 9
帝国海軍の猫大佐の裏話的エピソードです
+++++
艦長室に招待されたご家族の皆さんは、それぞれの場所に座った。
「本日はお忙しい中。お越しいただきありがとうございます。初めてのかたもいらっしゃいますので、あらためて御挨拶させていただきます。現在、当艦の艦長をつとめる大友と申します。こちらは副長の藤原です。そしてこちらが、副長の奥様の藤原さん、それから当艦の先任伍長の奥様の清原さんです」
艦長の紹介が終わると、それぞれのご家族の自己紹介が始まった。全員が、みむろで訓練をしている海士長君達の親御さんだ。そしてその自己紹介が終わるタイミングで、艦長のお世話係の当番をしている隊員さんが、お茶とお菓子を運んできた。
―― あれ? 全員がコーヒーじゃない? ――
いつものように、部屋に漂うはずのコーヒーの匂いがしない。心の中で首をかしげていると、艦長さんが口を開いた。
「いつもですと、コーヒーか紅茶か、どちらかを選んでいただくのですが、実はコーヒー豆をきらしておりまして。今日は紅茶をお出ししています。紅茶が苦手な方がいらっしゃいましたら、別の飲み物をご用意しますので、遠慮なくおっしゃってください」
―― あれ? 伊勢さん、艦長が気合をいれてゴリゴリしてるって、言ってなかったっけ? ――
それとなく修ちゃんに目を向ける。あの顔つきからして、修ちゃんも事情を知らないみたいだ。
―― 私は紅茶が好きだからありがたいけど ――
お菓子は有名どころの焼き菓子だし、ちょっと幸せ♪
それから一時間半ほど、艦長さんを含め皆さんと歓談をしていると、ドアがノックされる音がした。顔を出したのは、ここにいるご家族の息子さん達だ。
「さて。ではそろそろ、お茶会をおひらきにしたいと思います。残りの時間は、久し振りの水入らずの時間をおすごしください。艦内の案内は彼らがします。一般の見学者の皆さんが入れない場所も案内するように言ってありますので、楽しみながら回ってください」
その言葉に、家族の皆さんがお茶のお礼を言いながら出ていった。その場に残ったのは、艦長さんと修ちゃん。そして清原さんの奥さんと私の四人だ。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ、ごちそうさまでした。清原さんにおんぶにだっこで申し訳ないぐらい」
「良いんですよ、そんなこと気にしなくても。艦長も副長も単身赴任組なんです。先任伍長の妻として、こういう時に役立たなくてどうするんですかって話なので」
清原さんはニコニコしながら言った。
「あと藤原さん、紅茶のアドバイスをありがとうございます。あれがなかったら、今日は皆さん、ティーバッグの紅茶でしたよ」
「コーヒーはどうされたんですか? いつも艦長さんがひいていらっしゃるんですよね?」
コーヒーミルを回すしぐさをしてみせた。
「いやあ、とても美味しいコーヒー豆でね。うっかり総監に話したらここに押しかけてきましてね。あっという間になくなっていまいました。いやあ、おはずかしい」
アハハハハと豪快に笑う。その場にいた三人は思わず「マジか」とつぶやいた。
「ところで藤原さん、息子さんは? 一緒に来たって聞いてましたが」
「トレーニングルームで伊勢さん達と遊んでもらってます」
「ああ、なるほどね。彼らに任せておけば問題ないでしょう。さて、お二人とも今日はご苦労様でした。あとは時間までゆっくりすごしてください。清原さん、旦那さんは単装砲近くにいるはずです。そろそろ……」
腕時計を見る。
「交代の時間かな。藤原もご苦労。時間までは自由にやってくれ」
そんなわけで艦長さんは自分の仕事に、清原さんは甲板のご主人のところに、そして私達はトレーニングルームへと向かった。廊下を歩いていると、おちびさんのはしゃぐ声が聞こえてくる。伊勢さんのガンバレコールも聞こえてくるってことは、やっていることは絶対にトレーニングだ。
「ねえ、あれ以上、かず君が元気になっちゃったら、私とてもついていけないんだけど」
「まこっちゃん、ちょっと体力なさすぎじゃね?」
「そんなことないよ。普通だよ普通。修ちゃんやかず君が元気ありすぎなんだって」
男の子って本当におかしい。私には理解できない。
「最近の海自隊員は体力が下降気味らしくてさ。伊勢はそれを危惧してる。だからみむろにも、本格的なトレーニングルームの導入を求めたんだ」
かなり科学的なデータも添付してのレポート提出だったとか。そのお陰で予算が認められ、立派なトレーニングルームができあがったらしい。
「それもあって、伊勢は率先してトレーニングしてるんだ。今の伊勢はちょっとした体力オタクだよ」
「伊勢さんが体力オタクになるのは良いけど、うちの息子までオタクになったら困るー」
廊下を歩いていき、トレーニングルームをのぞいた。するとそこでは、若い隊員さんがおちびさんを背中に乗せて、ものすごい早さで腕立て伏せをしているところだった。かず君は上下に揺れながら、超ご機嫌だ。
「かず君、重石にされてる……」
めちゃくちゃ楽しそうで、ちょっと呆れてしまった。
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艦長室に招待されたご家族の皆さんは、それぞれの場所に座った。
「本日はお忙しい中。お越しいただきありがとうございます。初めてのかたもいらっしゃいますので、あらためて御挨拶させていただきます。現在、当艦の艦長をつとめる大友と申します。こちらは副長の藤原です。そしてこちらが、副長の奥様の藤原さん、それから当艦の先任伍長の奥様の清原さんです」
艦長の紹介が終わると、それぞれのご家族の自己紹介が始まった。全員が、みむろで訓練をしている海士長君達の親御さんだ。そしてその自己紹介が終わるタイミングで、艦長のお世話係の当番をしている隊員さんが、お茶とお菓子を運んできた。
―― あれ? 全員がコーヒーじゃない? ――
いつものように、部屋に漂うはずのコーヒーの匂いがしない。心の中で首をかしげていると、艦長さんが口を開いた。
「いつもですと、コーヒーか紅茶か、どちらかを選んでいただくのですが、実はコーヒー豆をきらしておりまして。今日は紅茶をお出ししています。紅茶が苦手な方がいらっしゃいましたら、別の飲み物をご用意しますので、遠慮なくおっしゃってください」
―― あれ? 伊勢さん、艦長が気合をいれてゴリゴリしてるって、言ってなかったっけ? ――
それとなく修ちゃんに目を向ける。あの顔つきからして、修ちゃんも事情を知らないみたいだ。
―― 私は紅茶が好きだからありがたいけど ――
お菓子は有名どころの焼き菓子だし、ちょっと幸せ♪
それから一時間半ほど、艦長さんを含め皆さんと歓談をしていると、ドアがノックされる音がした。顔を出したのは、ここにいるご家族の息子さん達だ。
「さて。ではそろそろ、お茶会をおひらきにしたいと思います。残りの時間は、久し振りの水入らずの時間をおすごしください。艦内の案内は彼らがします。一般の見学者の皆さんが入れない場所も案内するように言ってありますので、楽しみながら回ってください」
その言葉に、家族の皆さんがお茶のお礼を言いながら出ていった。その場に残ったのは、艦長さんと修ちゃん。そして清原さんの奥さんと私の四人だ。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ、ごちそうさまでした。清原さんにおんぶにだっこで申し訳ないぐらい」
「良いんですよ、そんなこと気にしなくても。艦長も副長も単身赴任組なんです。先任伍長の妻として、こういう時に役立たなくてどうするんですかって話なので」
清原さんはニコニコしながら言った。
「あと藤原さん、紅茶のアドバイスをありがとうございます。あれがなかったら、今日は皆さん、ティーバッグの紅茶でしたよ」
「コーヒーはどうされたんですか? いつも艦長さんがひいていらっしゃるんですよね?」
コーヒーミルを回すしぐさをしてみせた。
「いやあ、とても美味しいコーヒー豆でね。うっかり総監に話したらここに押しかけてきましてね。あっという間になくなっていまいました。いやあ、おはずかしい」
アハハハハと豪快に笑う。その場にいた三人は思わず「マジか」とつぶやいた。
「ところで藤原さん、息子さんは? 一緒に来たって聞いてましたが」
「トレーニングルームで伊勢さん達と遊んでもらってます」
「ああ、なるほどね。彼らに任せておけば問題ないでしょう。さて、お二人とも今日はご苦労様でした。あとは時間までゆっくりすごしてください。清原さん、旦那さんは単装砲近くにいるはずです。そろそろ……」
腕時計を見る。
「交代の時間かな。藤原もご苦労。時間までは自由にやってくれ」
そんなわけで艦長さんは自分の仕事に、清原さんは甲板のご主人のところに、そして私達はトレーニングルームへと向かった。廊下を歩いていると、おちびさんのはしゃぐ声が聞こえてくる。伊勢さんのガンバレコールも聞こえてくるってことは、やっていることは絶対にトレーニングだ。
「ねえ、あれ以上、かず君が元気になっちゃったら、私とてもついていけないんだけど」
「まこっちゃん、ちょっと体力なさすぎじゃね?」
「そんなことないよ。普通だよ普通。修ちゃんやかず君が元気ありすぎなんだって」
男の子って本当におかしい。私には理解できない。
「最近の海自隊員は体力が下降気味らしくてさ。伊勢はそれを危惧してる。だからみむろにも、本格的なトレーニングルームの導入を求めたんだ」
かなり科学的なデータも添付してのレポート提出だったとか。そのお陰で予算が認められ、立派なトレーニングルームができあがったらしい。
「それもあって、伊勢は率先してトレーニングしてるんだ。今の伊勢はちょっとした体力オタクだよ」
「伊勢さんが体力オタクになるのは良いけど、うちの息子までオタクになったら困るー」
廊下を歩いていき、トレーニングルームをのぞいた。するとそこでは、若い隊員さんがおちびさんを背中に乗せて、ものすごい早さで腕立て伏せをしているところだった。かず君は上下に揺れながら、超ご機嫌だ。
「かず君、重石にされてる……」
めちゃくちゃ楽しそうで、ちょっと呆れてしまった。
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