【現代もの】鏡野ゆう短編集

鏡野ゆう

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その他

常連さんのお気に入り

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「ふわぁ……」

 商品棚にある、賞味期限切れのパスタを回収をしているバイトの相方が、大きなあくびをした。ただいまの時間は深夜三時。

「それが終わったら、バックヤードで仮眠とってもいいぞ。この時間なら、俺だけで大丈夫だし」
「お前、眠くないのかよ」
「俺はバイトに入る夕方まで寝てた」
「それは頭いいな」

 なるほどとうなづく相方。

「頭の善し悪しじゃなくて、夜勤が入ると分かっていて、昼間に寝ておかないお前が悪いんだろ?」
「しかたないだろ? 昼間は彼女とデートだったんだから」
「そのデート代を稼ぐのに、深夜のシフトに入ったんだろ? もう少し頑張れよ、彼女のためにもさ」

 同じゼミのこいつが、来年の彼女の誕生日のために、頑張って金を貯めているのは知っていた。だから応援してやりたい気持ちは山々なんだが、組まされるこっちの身にもなってみろってやつなんだな。

「悪い、限界だわ、ちょっと寝てくる。なにかあったら起こしてくれよな」
「おう」

 商品の入ったコンテナを引き摺りながら、奥の倉庫へと消えていく相方を見送りながら溜め息をつく。あいつ、ああは言ったものの、一度寝ちまうと頭を踏んでも蹴っても起きやしないんだよなぁ……。

「ま、こんな時間だ、大した人数は押し掛けてこないだろ」

 それから一時間。

「本当にヒマだな今夜は。……ああ、そうか、クリスマスだもんな」

 店内に飾ってあった、金色のモールに埋もれて揺れている、サンタのパネルを眺めながらつぶやく。考えてみたら今日は、世間ではクリスマス。きっと今頃は、あちらこちらで恋人達がよろしくやっていて、寒い中コンビニに来ようなんて奇特きとくなやヤツはいないんだろう。

 そんな恋人たちのハッピーな聖夜も、苦学生の俺はバイトだ。とは言え、俺がバイトとしてここに雇われるまでは、深夜帯は普段からこんな調子だったらしい。


『俺君がこの時間に入るようになって、深夜の客入りが良くなったよ。もしかして俺君、招き猫の生まれ変わりかもね』


 そう言って喜んだ店長は、皆には内緒だよと言いながら、他の深夜帯バイト達より、時給を上乗せしてくれた。

 普段この時間は、流しのタクシーの運ちゃん達か、深夜まで遊びほうけているガキどもがたまにやってくる程度で、他の連中が言うには、それが普通の深夜のコンビニなんだとか。

 だが、俺が入る時は何故かにぎやかだ。

 タクシーの運ちゃん、遊びほうけているガキどもに、そいつらを見つけようとしている警察官や夜回りの先生。それから、高速道路のジャンクションが近いわけでもないのにな走るトラックの運ちゃんと、残業で行き倒れそうになっているサラリーマン。さらには、店帰りであろう派手なお水のお姉ちゃん、いきなり便意をもよおしてしまった新聞配達のお兄ちゃんなどなど。とにかく、ありとあらゆる職種の人間がやってくる。

 地方から出てきた俺にとっては、都会っていうのは、夜も昼も無いのかと驚かされっぱなしの半年間だった。しかしそんな招き猫な商売運も、さすがにクリスマスには勝てなかったらしい。

「まったく爆ぜろリア充達めってやつだなあ。……ま、いいけどね」

 そんな独り言をつぶやくと、お客さんには見えない場所に置いてあった、少年雑誌の最新号を引っ張り出した。


+++


『お前、東京の大学に行け』
『は?!』


 いきなり両親にそんなことを言われたのは、たしか高校一年の終わりかけの頃だった。

 最初は実家の酒屋を継ぐつもりでいたから、そっち方面で役立ちそうな学科がある、関西の大学を目指そうとしていたのに、急にお前は東京の国立大学に行けと言われたのだ。

 いきなりの軌道修正に戸惑いはしたものの、その時は上京できることと、都会のキャンパスライフとやらを思い描いて、少しばかり浮ついた気持ちになったのは否めない。

 だが、その点でうちの両親に抜かりはなかった。

 四年間の学費は出すが、自分の衣食住ぐらいは自分で稼げという方針だったらしく、半年分の家賃と当座の生活費だけを口座に振り込んだ後は、自力で何とかしろと俺に言い渡した。しかも五年目の大学生活は認めんということで、バイト三昧ざんまいをするわけにもいかず、こうやって時給の高い、深夜帯のバイトに勤しんでいるというわけだ。

 まあ、そのせいで遊ぶ時間はほとんどなく、思い描いていた東京暮らしとは少しばかり勝手が違っていた。だが、そんな生活パターンにも慣れてきたし、招き猫スキルのお蔭でか、時給は他のバイト達よりかなり高いようだし、悪いことばかりじゃない。


+++


「あ、そうだ、忘れるところだった」

 店内の壁にかかっている時計を見て、そうだったと思い出す。

 いつもこの時間になると、決まって店にやってくるオネーチャンがいるのだ。派手なメイクからして、恐らく近所に住む、お水なオネーチャン達の一人なんだろう。俺が夏休みのバイトに入るようになった直後に時にふらりとやってきて、それ以後は暑いさなかでも、きつねうどんを買っていくという、ちょっと変わったオネーチャンだった。

 おでんが店頭に出るようになってからは、餅きんちゃくとごぼてん、ゆでたまごを買っていくのが定番になっている。そうだ、さっきのタクシーの運ちゃんが、最後の餅きんを買っていったはず。急いで補充しておかなくては。

 だしの中に餅きんちゃくを沈めたところで、来店を知らせるチャイムがなった。ああ、ちょっと遅かった。

「いらっしゃいませ。すみません、餅きんちゃく、いま補充したばかりで、もう少し待ってもらわないとダメなんですけど」
「あら、今日は人気者だったのね。いつも残ってるのに」

 金髪に近い立て巻きカールの茶髪に派手なメイク、そして着ているのはキラキラしたワンピースにモコモコフワフワの毛皮のコート、そしてアスファルトに刺さりそうなピンヒールと、見るからにお水なオネーチャンだ。だが不思議と、その手のオネーチャンにありがちなどぎつい香水の匂いがしないので、香水の匂いを嗅ぐとくしゃみ連発な俺でも、安心して応対できる数少ないお客だった。

「だったら餅きんちゃくが温まるまで、ここでゆっくりさせてもらおうかしら」

 そう言ってニッコリすると、最近できたカフェコーナーに行き、高そうなバッグをデンッとカウンターテーブルに置いて、レジに戻ってきた。

「他のは全部あるの?」
「他のは大丈夫ですよ。はんぺんと大根も人気ですけど、たまにはどうですか?」
「はんぺんは、あのヌラヌラした白っぽいのが苦手なの。あと大根も、においがちょっとね」

 そう言えばうちの婆ちゃんも、大根がくさいと言ってたなあと思い出す。たしか曽爺ひいじいちゃんの代から商売の神様である聖天しょうでんを信仰していたから、シンボルである大根を一家総出で絶っていたせいで、食わず嫌いなんだとかなんとか言っていたっけ。だからなのか、我が家のおでんには、いまだに大根ではなくカブラが入っている。

「そうなんですか」
「待っている間、こっちのをいただくわ」

 普段は弁当が置かれているコーナーから持ってきたのは、おでんが出るまでよく買っていた、きつねうどんだった。

「チンしてくれる?」
「あ、はい。えっと450円になります」

 支払いを済ませ、レンジで温めたうどんと割り箸を手に、いそいそとカウンター席に戻っていく。普段は食べないうどんを買って待つほど、餅きんちゃくが買いたかったのかと思うと、うっかり補充するのを忘れていたのが申し訳なくなった。

「ねえ、聞いて良い?」

 揚げをつまみながら、オネーチャンがこっちを振り返った。

「なんでしょうか」
「あなた、言葉のなまり具合からして、この辺の子じゃないわよね」

 接客を始めてからは、できるだけ標準語で喋るようにしていたのだが、分かる人には分かるものなのだろうか。それともこのオネーチャンが、商売柄、相手のことを観察するのが得意なだけなのか。

「分かりますか?」
「何となくね。当ててみようか? うーんと、関西っぽいのよね、だけどいわゆる、こてこてな感じでもないし……あ、もしかして神戸こうべ京都きょうと?」
「当たりです。実家は京都なんですよ」
「当たった♪ どの辺なの? 私も京都に行ったことあるから、知ってるかも」

 あら、嬉しいと笑いながら、オネーチャンは質問をしてきた。

「市内の真ん中の方じゃなくて、伏見ふしみの方なんです。えーっと、伏見稲荷ふしみいなりって言えば分かりますか?」
「ああ、千本鳥居がある神社よね? あと、伏見と言えば、美味しい蔵元さんがあるところ」
「そうです。うちも酒屋なんですよ、そんなに大きな蔵元じゃないですけどね」
「へえ。酒屋さんは継がずに、こっちに出てきたんだ」
「最初は、長男の俺が継ぐつもりでいたんですよ。だけど何故だか、経済を勉強して銀行に行けとか言われまして」

 考えてみたら、農業系を目指して勉強していたのに、よくすんなりと進路変更ができたよなと、今でも自分の頭に感心している。

「……それって、大きな銀行に勤めて、御実家に融資しろってことかしら?」
「どうなんでょうかね。まあ数字は嫌いじゃないので、こっちの大学で経営学を勉強してますけど」
「今の世の中じゃあ、酒を造るだけじゃ生き残れないってことかしらね」

 世知辛せちがらい世の中よねとつぶやいた。

「まあ酒造りは弟に任せておいて、俺はソロバンで家業の手助けをするつもりです」
「へえ、偉いんだ。そういうの聞くと、応援したくなっちゃうな」
「ありがとうございます。だけどその前に、ちゃんと生活費を稼いで卒業しないと」
「そう言えば、この時間帯のバイトが多いわよね?」
「深夜帯は時給が良いですしね。昼間は講義もありますし」
「ますます大変ね。この時間帯の売り上げに貢献したら、少しは貴方の時給、あがるかしら?」

 どのぐらいおでんを買わなくちゃいけないかしら?と、真面目な顔をして首をかしげている。

「お蔭様で、何故か俺がシフトに入る深夜帯も繁盛しているようです。これからも御贔屓ごひいきに」
「そう? だったら知り合いの子も連れてくるようにするわね。その子、おだしの味にうるさくてね。だけどここのコンビニのおだしは美味しいって、言っていたわよ」
「そうなんですか? どこも同じだと思うんですけど」

 コンビニで売られているものは、味が均一になるようにと、東西の仕様の違い以外は、本社系列のセントラルキッチンで、管理されているものばかりのはずだった。

「あら。そこは、うちはお客様への愛情をこめてますからって、言うところよ?」
「え、そうなんですか? だったらこれからは、そう答えることにします」

 他の客も来なかったこともあって、オネーチャンのお喋りの相手をしているうちに、いつの間にか時間が経っていた。
 
「あ、そろそろ餅きんちゃく、温まりました」
「そう? じゃあ餅きんちゃくと……」
「ごぼてんとたまごですよね。一つずつで良いですか?」
「ええ、お願い」

 オネーチャンは、俺がお決まりの具を覚えていたことに満足しながら、レジ袋をぶら下げて店を後にした。それからしばらくして、カウンターに、食べかけのうどんが置きっぱなしになっていることに気がつく。

「ありゃ。せっかくのうどんが……ほとんど手つかずじゃないか、もったいない」

 カウンター席に置かれたうどんはほとんど手つかずで、油揚げだけが食べられている状態だった。待っている間に何も買わないのは悪いと思って、食べないのに買ったんだろうなと思うと、ますます申し訳なくなった。次に顔を合わせたら謝っておこう……。


+++


 しかしその日を境に、そのオネーチャンはパッタリと店に現れなくなった。

 最初のうちは、風邪でもひいたのかなと心配したりしていたのだが、それが二週間、三週間と経つにつれ、もしかしたら違う店で働き始めたのかもしれないと、思い始めた。とは言え、店は相変わらず俺が入る深夜帯は盛況で、やはり運ちゃん達にガキども、そして水商売な別のオネーチャン達が賑やかしくやって来たりと、相変わらずの破格な賑やかさであることには違いなかった。

 そんなある日、弟から珍しく電話がかかってきた。

「兄ちゃん、正月ぐらい帰って来るかなって思ってたのに」
「新幹線代がもったいないだろ、人も多いし。だったから、休みの間もバイトを入れて稼ぐに限る」
「まったく、兄ちゃんときたら。お母ちゃんがひもじい思いをしてるんやないかて、心配してたぞ」
「だったら、お年玉ぐらいよこせと言っといてくれ」

 俺の言葉に、電話の向こうで弟がむせながら爆笑している。

「ところで何だよ、そんな話をするために電話してきたのか?」
「それで思い出した。婆ちゃんちの庭に、小さなお稲荷さんのほこらがあったの覚えてるだろ?」
「ああ」

 小学生の頃、その庭で弟と二人でボールを投げて遊んでいた時に、誤ってほこらの中にボールが飛び込んだことがあって、随分と叱られた記憶がある。それ以来あの庭は、俺にとっては禁断の地だった。

「盆休みに、ほこらの狐の置物が無くなっちまってさ。婆ちゃんと、兄貴がなかなかこっちに帰ってこないから、東京まで迎えに行ったんじゃね?とか言ってたんだ。それが三が日がすぎてたまたま見たら、ひょっこり元の場所に戻ってるんだよ。不思議なこともあるもんだろ? で、兄貴は帰ってこないのかなって話になったのさ」
「なんじゃそりゃ」

 ほこらにボールが飛び込んだ時に、吹き飛ばしてしまった狐の置物があったことを思い出した。幸いなことに割れはしなかったが、近くの手水ちょうずにまで吹き飛んでしまって、それを見た婆ちゃんがえらく慌てて拾い上げ、手拭いで丁寧に拭いていたのを覚えている。

「本当になんじゃそりゃな話さ。最初のうちは、実は兄貴がこっそり帰省して隠したんじゃねーかとか、返しに来たんじゃねーかとか言ってたんだけど、違うんだよな?」
「何で俺なんだよ」
「だって戻ってきた狐に、かんぴょうの首輪がぶら下がってたんだぜ? そういう罰当たりな変なことするのって、兄貴しかいねーじゃん」
「なんでだ」

 そう反論しながら、何故か脳裏にあのお水なオネーチャンが浮かんだのだが、その時の俺には、その理由がまったく分からなかった。そして、そのオネーチャンとは意外な場所で再会することなるのだが、それはまた別の話だ。
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