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東京・江田島編 GW
第十二話 江田島最終日の夜、または明け方?
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「なにやってるんだ?」
お風呂から出てきた篠塚さんがタオルで頭を拭きながら私の手元を覗き込んできた。
「今日、江田島クラブで食べたカレーのね、レシピに迫っている人はいないかなってスマホで検索してたの」
篠塚さんの質問にそう答えると、検索で見つけて読んでいたカレーの感想を書いている人のブログの画面を見せる。
「それで?」
「味の感想を書いている人は何人もいるんだけどレシピまで探求している人まだいないみたい」
護衛艦やそれぞれの地方隊のカレーに関しては海上自衛隊の公式サイトで公開されているものもあるけど全てじゃない。海自最高機密である海自カレーの全レシピ制覇への道のりはなかなか険しそうだ。やっぱり偉くなって聞き出すのが一番手堅いかもしれない。
「やれやれ。最後の夜だっていうのに俺のカノジョはカレーのレシピに御執心ときたもんだ」
「だって気になるんだもん」
呉で食べたカレーもこっちで食べたカレーもとっても美味しかった。だから是非とも家でも作って楽しみたいって思ったんだけどな。
「そんなに気になるなら毎週末通ってみるか? 通っているうちに作っている人間と馴染みになって中身が何なのか教えてもらえる日が来るかもしれないぞ?」
篠塚さんの言葉に一瞬だけその気になった。だけどそれも新幹線の料金を思い出すまで。週一に往復なんてしていたら大変なことになっちゃうよ、せめて二ヶ月に一度とか月単位にしなきゃ。
「偉くなる前に破産しちゃうかも」
しかもその原因が海自カレーのレシピ探索だなんてちょっと笑えない。
「そんなことないだろ、霞が関の官僚様はそれなりの給料をもらってるんだろ?」
「お忘れかもしれませんが私はまだ入省二年目の下っ端なんだからね?」
でも……もうちょっと頑張って節約すれば月一ぐらいだったら可能かな?と家計簿を頭の中に思い描いた。ああダメダメ!! ちゃんと将来のために貯金もしなきゃいけないしカレーだけのためにそんなに散在するのは間違ってる。やっぱりそれより先に頑張って偉くなろう。そして職権を使ってレシピゲット! 時間はかかるだろうけどそれが一番確実っぽい。
「とにかくカレーの話はこれでおしまい。またしばらく会えないんだ、ずっとこのままカレーの話を続けるつもりか?」
そう言いながら篠塚さんは持っていたスマホを取り上げてテーブルの上に置くと、私のことをひょいっと抱き上げてベッドへと向かった。そして私をベッドに横たえるとそのまま直ぐに覆いかぶさってくる。その目つきが何だか肉食獣の目みたいでちょっと怖いよ?
「あの篠塚さん?」
「なんだ?」
「二日間出掛けっぱなしだったでしょ? 私的には最後の夜ぐらいゆっくりお話をしたらどうかなって思うんだけど。もちろんカレー以外の話題で」
「却下。夏季休暇まではまた会えなくなるんだ。汐莉の体に俺のことをしっかり刻みつけておかないと」
もう今の言葉からして物騒で嫌な予感しかしない。
明日の新幹線の時間、何時だったかな? あの新幹線に乗るにはここを何時に出発したら良いの? 船の時間もあるよね、呉行きだっけか? あれ? 帰りは呉じゃなくて広島駅に近いところまで直接船で行くんだったっけ?
「心配するな。広島駅に行くルートも時間もチェック済み。汐莉が動けないと騒ぐようならちゃんとおぶってでも連れていってやるから」
なんだか恐ろしいこと言ってると思うのは気のせい?
「それに俺だってちゃんと汐莉のことを抱いて会えない間の充電をしておきたい」
「あのさ、気になってたんだけど会わない日が続くとやっぱりムラムラしてくるものなの?」
途端に篠塚さんが目を真ん丸にしてこっちをジッと見詰めてきた。
「よりによってなんてことを言い出すんだ」
「だってさ、これだけ性欲過多な篠塚さんだもん、何ヶ月も何もしなかったらとんでもないことになっちゃうんじゃないかなってちょっと気になった」
「まさか俺がこっちで女を見つけて浮気をするんじゃないかとか風俗に通うんじゃないかとか考えているんじゃないだろうな? って言うか俺はいたって標準的で過多じゃない」
そうかなあ……。私は篠塚さんとしか付き合ったことがないから比較するデータがないけれど、一般的な人より絶対にエッチの回数が多いような気がするんだけどな。
「標準だとしても。男の人って長い間エッチしないとムラムラするもんだって何かの本に書いてあったんだけど」
「一体どんな本を読んだんだよ、まったく。とにかく少なくとも今のところそんなことはない。課程のことで頭がいっぱいで性欲になんて考えが及ばないから」
「それって皆そうなの?」
「さあ、休みのたびに街に繰り出している連中もいるからそうじゃない人間もいるとは思う。高月もその一人なんだけどな」
「ふーむ」
「信じてないのか?」
ムッとした顔になる。
「そんなことないって言ってるじゃない」
「とにかく、この話を受けたからには課程を優秀な成績で修了して特警に行きたいだろ? だから少なくとも俺はそっちのことで頭がいっぱいだ。他の連中にしたって応用課程にうつれば更に厳しい訓練が待っていいるんだ、それこそ他のことにエネルギーを使っている余裕なんてなくなると思う。……まったく、なんでこんな話になったんだ」
私が更に質問をしようとしたところで篠塚さんは片手で口を塞いで軽く睨んできた。
「充電が先。質問は後」
着ていたTシャツが脱がされると剥き出しになった肌の上を篠塚さんの唇が這う。時々その場にとどまっては軽く吸ったり噛んだりしながら下へと移動していっておへそのあたりでその動きが一度止まった。
「なあ汐莉」
「なあに?」
「ここにも今みたいにしていいか?」
指が触れたのは篠塚さんの愛撫で少しずつ熱を帯びてきている場所。今まで何度も触れられててはいたけれどそういうことは一度もされたことがなかった。そりゃ漫画や小説ではそんな描写があるのを読んだことはあったけど、口をつけられるのはちょっと抵抗を感じちゃう場所かも。でも……。
「篠塚さんはしたいの?」
「ああ」
そう言われてしばらく考え込む。
その間も篠塚さんの指は下着の上からゆっくりとそこを撫でていた。ちょっと力をこめてたらその太い指はそのまま難なく体の中へと滑り込んでいくだろうってぐらい既にそこは熱くなっている。そんな場所を口で……?
「は、恥ずかしいかも……でも……篠塚さんがしたいっていうならしても、いいよ……?」
「イヤじゃないんだな?」
「イヤっていうか恥ずかしいだけで、イヤかどうかは一度試してみないと分からないかも」
「なるほど。じゃあイヤなら言ってくれ」
篠塚さんはそう言って下着を取り去ると私の太腿を掴んで左右に開かれた。そしてそこへ顔を近づけていく。見ているのが恥ずかしくて目を閉じていると篠塚さんの息が触れるのを感じた。しばらくして指で押し開かれた場所に温かいものが押しあてられる。
「……っ!!」
体が震えて思わず腰が引けた。だけど篠塚さんはしっかりと腰を両手で掴んでいて逃げようとした私を引き戻す。そして更に深くその場所に口づけをする。温かいと感じたものは篠塚さんの舌でそれが少しだけ体の中へと入り込んできた。
「し、篠塚さんっ、それ、やあっ」
浅い場所を指でも篠塚さん自身でもないもので刺激される初めての感触に体が震える。
「ねえ、篠塚さんて、ばっ、ああ……っ」
イヤなら言ってくれって言ったのに全然やめてくれる気配がない。それどころか舌だけではなく指を胎内へ潜り込ませると深い場所への愛撫も始めた。
「あぁっ、んっ、あ……っ、ひあっ?!」
いきなり肌を吸った時と同じようにそこを吸われて腰が跳ね上がる。思わず篠塚さんの頭を掴んで押しのけようとしたけど次々と押し寄せる快感に自分でもどうしようもなくて、短く刈り込まれた髪の毛を掴んだまま頭を激しく振り続けるしかなかった。
「汐莉?」
しばらくしていつの間にか服を脱ぎ捨てた篠塚さんが私のことを見下ろしていた。篠塚さんの指と口で散々いたぶられて自分でもそこがいつも以上に濡れていてそれがシーツを濡らしているのが分かる。そして今の愛撫だけでは満足できなくて体の最奥に篠塚さんのものが欲しくて脈打っていることも。
「……イヤなら言えって言ったのに……!!」
「やめるとは言ってないだろ?」
「ひどーい!」
「どうとでも」
篠塚さんはニタニタしながら避妊具をつけると私の足の間に体を落ち着けるとゆっくりと挿ってきた。やっと体の一番奥に篠塚さんの熱と鼓動を感じることができてハァッと息を吐きながらその逞しい身体を両手で抱きしめた。
「こっちの方がいいってことなんだな?」
そんな私の顔を見下ろしていた篠塚さんがニッと笑った。
「私はやっぱり普通のエッチが一番合ってるみたい」
「良くなかったってことか」
「ううん、そんなことはないけどこっちの方が落ち着く。だって篠塚さんの顔がちゃんと見えるもん。さっきのは頭のてっぺんだけしか見えないし」
やっぱりこうやってお互いの顔を見ながらの方が私は落ち着くかなって言ったらなるほどと頷いた。つまりは今回のあれはこれっきりにしてくれるってことらしい。でも篠塚さんはそれで良いのかな?とちょっと気になったので聞いてみた。
「篠塚さんはさっきみたいなの、またしたい?」
「汐莉が乗り気でないなら別にしたいとは思わない……している最中に汐莉の体がどんなに感じてたとしても」
さっきのことを思い出しただけで体がムズムズして篠塚さんを受け入れている場所がヒクついたのが分かった。それが篠塚さんにも伝わったみたいで口元に変な笑みを浮かべる。
「体は正直だよな?」
「ううっ、だから気持ち良くなかったわけじゃないんだけど……」
「分かってる。気持ち良くても汐莉は今のこの体勢の方が落ち着くんだよな?」
「うん、そうなの……」
分かったと篠塚さんが頷く。
「了解した。じゃあ以後はこちらで」
「なんでいきなり自衛官みたいな口調になるの?」
急に事務的な口調になったので首を傾げた。
「それは俺が自衛官だから」
「そうなの?」
「そうなんだ。じゃあ汐莉のお望みどおりにこっちの体勢で再開だな」
そして私の海自上自衛官さんはゆっくりと私のことを愛してくれた。かなりゆっくり。それもビックリするほどの超スローペースで。
……お蔭で篠塚さんが満足げな溜め息と共に果てた時には夜明け近くなったんだけど、それってどういうことなの?
お風呂から出てきた篠塚さんがタオルで頭を拭きながら私の手元を覗き込んできた。
「今日、江田島クラブで食べたカレーのね、レシピに迫っている人はいないかなってスマホで検索してたの」
篠塚さんの質問にそう答えると、検索で見つけて読んでいたカレーの感想を書いている人のブログの画面を見せる。
「それで?」
「味の感想を書いている人は何人もいるんだけどレシピまで探求している人まだいないみたい」
護衛艦やそれぞれの地方隊のカレーに関しては海上自衛隊の公式サイトで公開されているものもあるけど全てじゃない。海自最高機密である海自カレーの全レシピ制覇への道のりはなかなか険しそうだ。やっぱり偉くなって聞き出すのが一番手堅いかもしれない。
「やれやれ。最後の夜だっていうのに俺のカノジョはカレーのレシピに御執心ときたもんだ」
「だって気になるんだもん」
呉で食べたカレーもこっちで食べたカレーもとっても美味しかった。だから是非とも家でも作って楽しみたいって思ったんだけどな。
「そんなに気になるなら毎週末通ってみるか? 通っているうちに作っている人間と馴染みになって中身が何なのか教えてもらえる日が来るかもしれないぞ?」
篠塚さんの言葉に一瞬だけその気になった。だけどそれも新幹線の料金を思い出すまで。週一に往復なんてしていたら大変なことになっちゃうよ、せめて二ヶ月に一度とか月単位にしなきゃ。
「偉くなる前に破産しちゃうかも」
しかもその原因が海自カレーのレシピ探索だなんてちょっと笑えない。
「そんなことないだろ、霞が関の官僚様はそれなりの給料をもらってるんだろ?」
「お忘れかもしれませんが私はまだ入省二年目の下っ端なんだからね?」
でも……もうちょっと頑張って節約すれば月一ぐらいだったら可能かな?と家計簿を頭の中に思い描いた。ああダメダメ!! ちゃんと将来のために貯金もしなきゃいけないしカレーだけのためにそんなに散在するのは間違ってる。やっぱりそれより先に頑張って偉くなろう。そして職権を使ってレシピゲット! 時間はかかるだろうけどそれが一番確実っぽい。
「とにかくカレーの話はこれでおしまい。またしばらく会えないんだ、ずっとこのままカレーの話を続けるつもりか?」
そう言いながら篠塚さんは持っていたスマホを取り上げてテーブルの上に置くと、私のことをひょいっと抱き上げてベッドへと向かった。そして私をベッドに横たえるとそのまま直ぐに覆いかぶさってくる。その目つきが何だか肉食獣の目みたいでちょっと怖いよ?
「あの篠塚さん?」
「なんだ?」
「二日間出掛けっぱなしだったでしょ? 私的には最後の夜ぐらいゆっくりお話をしたらどうかなって思うんだけど。もちろんカレー以外の話題で」
「却下。夏季休暇まではまた会えなくなるんだ。汐莉の体に俺のことをしっかり刻みつけておかないと」
もう今の言葉からして物騒で嫌な予感しかしない。
明日の新幹線の時間、何時だったかな? あの新幹線に乗るにはここを何時に出発したら良いの? 船の時間もあるよね、呉行きだっけか? あれ? 帰りは呉じゃなくて広島駅に近いところまで直接船で行くんだったっけ?
「心配するな。広島駅に行くルートも時間もチェック済み。汐莉が動けないと騒ぐようならちゃんとおぶってでも連れていってやるから」
なんだか恐ろしいこと言ってると思うのは気のせい?
「それに俺だってちゃんと汐莉のことを抱いて会えない間の充電をしておきたい」
「あのさ、気になってたんだけど会わない日が続くとやっぱりムラムラしてくるものなの?」
途端に篠塚さんが目を真ん丸にしてこっちをジッと見詰めてきた。
「よりによってなんてことを言い出すんだ」
「だってさ、これだけ性欲過多な篠塚さんだもん、何ヶ月も何もしなかったらとんでもないことになっちゃうんじゃないかなってちょっと気になった」
「まさか俺がこっちで女を見つけて浮気をするんじゃないかとか風俗に通うんじゃないかとか考えているんじゃないだろうな? って言うか俺はいたって標準的で過多じゃない」
そうかなあ……。私は篠塚さんとしか付き合ったことがないから比較するデータがないけれど、一般的な人より絶対にエッチの回数が多いような気がするんだけどな。
「標準だとしても。男の人って長い間エッチしないとムラムラするもんだって何かの本に書いてあったんだけど」
「一体どんな本を読んだんだよ、まったく。とにかく少なくとも今のところそんなことはない。課程のことで頭がいっぱいで性欲になんて考えが及ばないから」
「それって皆そうなの?」
「さあ、休みのたびに街に繰り出している連中もいるからそうじゃない人間もいるとは思う。高月もその一人なんだけどな」
「ふーむ」
「信じてないのか?」
ムッとした顔になる。
「そんなことないって言ってるじゃない」
「とにかく、この話を受けたからには課程を優秀な成績で修了して特警に行きたいだろ? だから少なくとも俺はそっちのことで頭がいっぱいだ。他の連中にしたって応用課程にうつれば更に厳しい訓練が待っていいるんだ、それこそ他のことにエネルギーを使っている余裕なんてなくなると思う。……まったく、なんでこんな話になったんだ」
私が更に質問をしようとしたところで篠塚さんは片手で口を塞いで軽く睨んできた。
「充電が先。質問は後」
着ていたTシャツが脱がされると剥き出しになった肌の上を篠塚さんの唇が這う。時々その場にとどまっては軽く吸ったり噛んだりしながら下へと移動していっておへそのあたりでその動きが一度止まった。
「なあ汐莉」
「なあに?」
「ここにも今みたいにしていいか?」
指が触れたのは篠塚さんの愛撫で少しずつ熱を帯びてきている場所。今まで何度も触れられててはいたけれどそういうことは一度もされたことがなかった。そりゃ漫画や小説ではそんな描写があるのを読んだことはあったけど、口をつけられるのはちょっと抵抗を感じちゃう場所かも。でも……。
「篠塚さんはしたいの?」
「ああ」
そう言われてしばらく考え込む。
その間も篠塚さんの指は下着の上からゆっくりとそこを撫でていた。ちょっと力をこめてたらその太い指はそのまま難なく体の中へと滑り込んでいくだろうってぐらい既にそこは熱くなっている。そんな場所を口で……?
「は、恥ずかしいかも……でも……篠塚さんがしたいっていうならしても、いいよ……?」
「イヤじゃないんだな?」
「イヤっていうか恥ずかしいだけで、イヤかどうかは一度試してみないと分からないかも」
「なるほど。じゃあイヤなら言ってくれ」
篠塚さんはそう言って下着を取り去ると私の太腿を掴んで左右に開かれた。そしてそこへ顔を近づけていく。見ているのが恥ずかしくて目を閉じていると篠塚さんの息が触れるのを感じた。しばらくして指で押し開かれた場所に温かいものが押しあてられる。
「……っ!!」
体が震えて思わず腰が引けた。だけど篠塚さんはしっかりと腰を両手で掴んでいて逃げようとした私を引き戻す。そして更に深くその場所に口づけをする。温かいと感じたものは篠塚さんの舌でそれが少しだけ体の中へと入り込んできた。
「し、篠塚さんっ、それ、やあっ」
浅い場所を指でも篠塚さん自身でもないもので刺激される初めての感触に体が震える。
「ねえ、篠塚さんて、ばっ、ああ……っ」
イヤなら言ってくれって言ったのに全然やめてくれる気配がない。それどころか舌だけではなく指を胎内へ潜り込ませると深い場所への愛撫も始めた。
「あぁっ、んっ、あ……っ、ひあっ?!」
いきなり肌を吸った時と同じようにそこを吸われて腰が跳ね上がる。思わず篠塚さんの頭を掴んで押しのけようとしたけど次々と押し寄せる快感に自分でもどうしようもなくて、短く刈り込まれた髪の毛を掴んだまま頭を激しく振り続けるしかなかった。
「汐莉?」
しばらくしていつの間にか服を脱ぎ捨てた篠塚さんが私のことを見下ろしていた。篠塚さんの指と口で散々いたぶられて自分でもそこがいつも以上に濡れていてそれがシーツを濡らしているのが分かる。そして今の愛撫だけでは満足できなくて体の最奥に篠塚さんのものが欲しくて脈打っていることも。
「……イヤなら言えって言ったのに……!!」
「やめるとは言ってないだろ?」
「ひどーい!」
「どうとでも」
篠塚さんはニタニタしながら避妊具をつけると私の足の間に体を落ち着けるとゆっくりと挿ってきた。やっと体の一番奥に篠塚さんの熱と鼓動を感じることができてハァッと息を吐きながらその逞しい身体を両手で抱きしめた。
「こっちの方がいいってことなんだな?」
そんな私の顔を見下ろしていた篠塚さんがニッと笑った。
「私はやっぱり普通のエッチが一番合ってるみたい」
「良くなかったってことか」
「ううん、そんなことはないけどこっちの方が落ち着く。だって篠塚さんの顔がちゃんと見えるもん。さっきのは頭のてっぺんだけしか見えないし」
やっぱりこうやってお互いの顔を見ながらの方が私は落ち着くかなって言ったらなるほどと頷いた。つまりは今回のあれはこれっきりにしてくれるってことらしい。でも篠塚さんはそれで良いのかな?とちょっと気になったので聞いてみた。
「篠塚さんはさっきみたいなの、またしたい?」
「汐莉が乗り気でないなら別にしたいとは思わない……している最中に汐莉の体がどんなに感じてたとしても」
さっきのことを思い出しただけで体がムズムズして篠塚さんを受け入れている場所がヒクついたのが分かった。それが篠塚さんにも伝わったみたいで口元に変な笑みを浮かべる。
「体は正直だよな?」
「ううっ、だから気持ち良くなかったわけじゃないんだけど……」
「分かってる。気持ち良くても汐莉は今のこの体勢の方が落ち着くんだよな?」
「うん、そうなの……」
分かったと篠塚さんが頷く。
「了解した。じゃあ以後はこちらで」
「なんでいきなり自衛官みたいな口調になるの?」
急に事務的な口調になったので首を傾げた。
「それは俺が自衛官だから」
「そうなの?」
「そうなんだ。じゃあ汐莉のお望みどおりにこっちの体勢で再開だな」
そして私の海自上自衛官さんはゆっくりと私のことを愛してくれた。かなりゆっくり。それもビックリするほどの超スローペースで。
……お蔭で篠塚さんが満足げな溜め息と共に果てた時には夜明け近くなったんだけど、それってどういうことなの?
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